マサラ日記     previous«  »next

3月31日(木)

 南インド、チェンナイから帰国したつれあいが、「シュリ・クリシュナ・スウィート」の詰め合わせを持って帰ってきたので、思わず9種類あったすべてのお菓子のテイスト・チェックをしてしまった。
 中でも、上の「アジメール・ケーキAJMEER CAKE」は今まで食べたことのない味。ラクダの競り市などでも有名なラジャスターンの街の名を戴くからには、そちらの地方がオリジナルなのだろう。見たところはあまりパッとしないが、やたらと深みがある味わいで唸らされた。
 ほかにも、カシューナッツやチョコレートのバルフィ(ナッツやチョコなどを砂糖やギーと練りこんでつくる固形のお菓子。召し上がったことがないとバサバサ、ギトギトしたイメージだろうが、実際は滑らかでスムーズな舌触りのものが多い)など、逸品のオンパレードだった。いずれも素材そのもの、さらにはカルダモンとギーの香りもバツグンなのが特徴で、とにかくこの店のお菓子はおいしい。

 同じインドの料理でも、カレーならば日本でもかなりハイレベルなものをつくったり食べたりすることができるが、お菓子だけはそうはいかない。材料の制約とえらく複雑な調理法もあり、なかなか本場並みの再現を施すのが難しい。それだけに、インド帰りのおみやげがインディアン・スウィート(「スイーツ」という呼び名は似合わない)というのは、何ともうれしいものだ。

 一方、インド帰りの人間が食べたくなる典型の料理がラーメンに刺し身。そこで、さっそく夜中にラーメンをつくり、刺し身の盛り合わせを肴に帰国を祝った。私自身とりたてて好物ではないものの、やはり日本人にラーメンは欠かせないようだ。