マサラ日記     previous«  »next

3月30日(水)

 ベトナム料理店のフォーや生春巻きなどを仕事がらみで食べる。何となくひさびさな感じ。

 同じ魚醤でもベトナムのニョクマムとタイのナンプラーでは風味が違う。ベトナムのフォーでは当然ながらニョクマムが決め手のひとつだが、私にはどうもニョクマムの香りというのはいつもボケ気味というか、ナンプラーより切れがわるいように感じられる。だから、ライムを相当強力にしぼり、香菜やミントなどの香草をたっぷりあしらって、ニョクマムの味つけを補う。今日もそうして食べたが、それでもイマイチな感じだった。ひょっとしたら、私はもともとフォーはたいして好きではないのかもしれないし、あるいはおいしいフォーにぶち当たったことがないのかもしれない。

 生春巻きはベトナムの人々にとってごちそう、あるいはハレの日の料理らしいことは、以前、アジアの食に関連したテレビ番組の監修をやったときなどにベトナムの方から直接聞いたことがある。それがやたらと日本でもてはやされているのは、ナーンが一人歩きして「インド人の主食」として誤解されているのと同じかもしれない。
 今日の生春巻きはボリュームたっぷりだが、あまり新鮮な感じがせず、たいして感激しなかった。

 東南アジアの麺だと、タイのバーミーやカオソーイ(ココナッツ風味のカレーラーメンで西荻窪においしい店がある)、マレーやシンガポールのラクサが好きだ。ある意味フォーは、私にとってまったりしすぎかも。