マサラ日記     previous«  »next

3月21日(月)

 インドの楽器というとシタールがやたらと有名だが、南インドには一見シタールに外見の似たヴィーナという楽器がある。
 音はといえば、外見同様両者は似ているというものの、シタールがやや金属的な響きなのに対し、より落ち着いて湿潤なトーンを持っている。
 ヴィーナで奏でられる音楽は南インドのカルナティックという古典音楽。シタールが使われる北インドのヒンドゥスタニ音楽から、さらに反西洋音楽的で最初はとっつきにくいかもしれないが、ハマるととことん心地いい(すごく大雑把なイメージとしては、ツェッペリンの「ブラック・ドッグ」のビートはカルナティックっぽい)。

 このヴィーナの音色、じつは南インドの人にいわせると、精神を落ち着かせ、心と体を穏やかにする作用があるという。ヒーリング効果があるというわけだ。
 このところ、花粉症と風邪がミックスされ、しかもオーバーワーク気味。さっそく、そんな話を思い出し、ヴィーナのCDやカセットを聴きつつベッドに入ったら、実際これがなかなかいい感じ。なごむし、ゆったりした気分になれた。

 医食同源のスパイスワールドもインド亜大陸の魅力だが、音で癒してくれるのもまたうれしいもの。機会があったら、ぜひヴィーナの音色を一度は味わっていただきたい。