マサラ日記     previous«  »next

3月17日(木)

 去年の年末に亡くなったインドの人間国宝にして南インド・カルナティック音楽最高のボーカリスト、MSスブラクシュミ女史を特集したインドの音楽雑誌を読んでいたら、思いのほか食べものの話が出てきて意外、かつうれしかった。練習の合間のティファンの楽しみ(南インドで有名な各種軽食のこと。興味のある方は各拙著を参照してください)、コーヒーの飲み方、飛行機での旅に食べものを持っていくこと、周囲の方への気づかいとして「ご飯食べていってね」とよくいっていたこと、などなど。料理名でいえばドーサ、イドゥリ、ウプマ、サンバル、チャトニなんて感じだ。

 スブラクシュミ女史では、カーネギーホールでのライブ盤CDが日本でも手に入る。世紀の名盤であるので、インド音楽ファンのみなさんは必ず聴くようにしていただきたい。
 
 ようやく東京も暖かくなってきて、スパイシーなカレーが本格的においしく感じられる季節の到来である。

 そのわりには、昼食に骨付きチキンとさらにはゆで卵が1ヶゴロンと入った、パンジャブ家庭風というチキンカレー(トマトベース)を表参道のインド料理店Gで食べたら、たいしておいしくなくてがっかり。「これなら自分でつくった方がいいや」と考えてしまった。

 この季節のパンジャブ料理といえば、からし菜のカレー「サルソン・カ・サーグ」。とうもろこしでつくった薄焼きパン「マキ・キ・ローティ」で食べたい。