マサラ日記     previous«  »next

2月25日(金)

 とある用事もあり、北インドの師匠宅へ行く(もちろんインドではなく、日本での話しだ)。さまざまなめずらしいカレーをつくるのを傍らで拝見しつつ、最後はご相伴に預かったが、ウーム、いつ食べても新しい発見と驚きの連続。「チキンと冬瓜、じゃがいものヨーグルトカレー」なんて、すごかった。勉強になりました。

 こういう体験を重ねるにつけ、つくづく考えるのは、自分はめちゃくちゃラッキーだということ。思えば、料理、音楽、そのほか私の興味を持つほぼすべての分野において、その道、その業界の超一流、あるいは第一人者というべき方々に知り合い、教えを乞い、大きな刺激を受けることができたし、今もできる環境にある。

 何かを学び、自分のものとする上で、または仕事でもいい、素晴らしい師、尊敬できる先輩や上司にめぐり会うことができるかどうかはきわめて重要だ。極端にいえば、そうした人々と出会えるか否かで、その人の人生が決まったりもする。

 人との出会いってつくづくおもしろいし、エキサイティングなことだが、そこに妙な打算が入るのはカッコわるい。私の知る名人たちは、そうした打算がある場合、それを見事に見抜くので、当然ながら、こちらも真剣かつピュアに対峙するわけだ。

 ほんとうにそのことが好きで、とことん打ち込めることができるか。そして、常に真摯かつ謙虚な態度で臨めるか。そもそも、そうしたとことん打ち込めるものを見つけられているのか。
 忙しい毎日だが、たまにはそんなことを自問自答してみるのもいいだろう。

 トッド・ラングレンの『Something/Anything?』、ジョニー・サンダースの『Hurt Me』をとっかえひっかえ聴きつつ、そんなことも考えてみた。