マサラ日記     previous«  »next

2月17日(木)

 昨年夏、青山にできた今までの日本にはないコンセプト、日本にはないインド料理を出す高級レストラン「シターラSITAARA」でランチ(高級店だが、ランチは800円でナーン食べ放題のものからあるのでリーズナブルである)。

 左のカレーは「フィッシュコフタ」。白身魚の「つみれ」をスパイス煮込みにしたものだ。マイルドっぽいきれいな色でそのじつなかなかスパイシーでおいしいし、何しろめずらしい。右下は「チキン・マライ・ティッカ」。鶏肉の生クリーム風味タンドゥール・ローストでこれ自体はマイルドだが、濃いグリーンをしたミント・チャトニをつけると(写真には入っておらず)、風味が際立ってくるという趣向。ティッカの下はナーン。かなりクリスピーで、従来の日本にはなかったタイプである。

 本屋で朝日新聞アエラAERAの増刊「アエラ・イン・ロック〜再びの、ロック」を買う。ツェッペリン絡みの話、初期クイーンに関する写真家ミック・ロックの回想、ジェフ・ベックやジョニー・サンダースについての記事などおもしろいものもあったが、いかにもアエラ的な、政財官学著名人の「私の好きなロックアルバム、ベスト5」とか現役大蔵官僚による「ロック経済学」みたいな記事が予想通り陳腐な内容。何より、随所に登場するのが松村雄策氏ほかの「ロッキング・オン」執筆陣で、全体として「渋谷陽一氏抜きのロッキング・オン」みたいな体裁になっているのが大いにシラける。小手先でつくった、センスがわるく突っ込みの弱いムックだし、とにかく「ロック」を過去形でしか捉えていないところがさびしい。
 ノスタルジア中心で語るようになってはロックもだいなしだ。