マサラ日記     previous«  »next

2月10日(木)

 マガジンハウスの「カーサブルータス」最新号がインド特集。デリーやボンベイ(現ムンバイ)の最新スポットや超一流レストランが、マガジンハウスらしいモダーンな切り口で紹介されている。「今、最もトンガッタ部分のインド」を知りたい方には格好の素材満載といえそうだ。

 カーサではない「ブルータス」本体には、インド絡みでちょっとした思い出がある。
 まだ、レコード会社でサラリーマンをしていた1985年の6月に出た「ブルータス」のグルメ大特集「Have A Keen Sense Taste」。
 ここで写真家の西川治氏が「マハラジャ夢現(ゆめうつつ) ブルータスのインド南北料理旅」と題したインド大縦断の食の旅をやっていたのだが、これに出会ったのが、私のインドカレー人生における、たいへん大きな転機だった。
 多少、料理名などにおかしな記述もあるが、各地の料理スタイルに応じたターリの紹介や路傍の店のにぎわい、さらには家庭での料理風景など見どころ満載で、おいしそうなメニューのオンパレードだ。

 これに出会った私はピピーンときて、結局、仕事を辞め、生まれて初めての海外旅行をインドの地に定めることになったのだから、人生、何が左右するかわからない。

 そうことからすれば、スタイリッシュな「カーサブルータス」を見て、インド行きを決める人がいても不思議はないだろう。行くと、おそらく、現地における一般的現実とのあまりの落差に愕然とするとは思うが。