マサラ日記     previous«  »next

1月30日(日)

 2、3日前の新聞にジム・キャパルディがガンで亡くなったとあった。60歳だという。とにかく彼の名前を知るのはベテランのロックファンだろう。何しろ「トラフィック」のドラマーである。
 トラフィックというのは、16歳にしてスペンサー・デイビス・グループでデビューした天才スティーブ・ウィンウッド(何しろボーカルスタイルがティーンエイジャー時、すでに完璧。キーボード、ギターもメチャウマ。クラプトンとブラインド・フェイスを結成するなどした後、再びトラフィックで活動後、現在はソロ)が、デイブ・メイスン(トラフィックではギターのほか、シタール、サロードなども担当したが、デビュー後すぐに脱退。後にアメリカに渡って活動し、一時期、日本でもけっこう人気があった。昔、来日公演をタダ券で見に行ったことがある)、クリス・ウッド(フルート、サックス等の管楽器担当。すでに故人)、そしてジム・キャパルディと1968年に結成したブリティッシュ・ロックの名門。ソウル、R&B、トラッド、ジャズのほか、サイケやインド音楽の要素もあり、かなり手ごわい音楽性のいいバンドだった。

 キャパルディはドラマーとしてもよかったが、ソウルフルな歌唱もマル。70年代に入り、トラフィックに在籍しながら発表したソロアルバムはフリーのポール・コゾフなども参加、ファンキーで黒っぽい音楽を全面展開していた。
 ちなみに今レコード店に行けば、彼の最新作(追悼盤でもあるが)が手に入る。まだまだ現役で頑張っていたというわけだ。ご本人も無念だったろう。

 ちょっと前、ジェファーソン・エアプレイン黄金期のドラマーが亡くなったりして、ロック全盛時代はますますノスタルジックなものになりそうだ。ロックに限らず、音楽、あるいはアート全般を懐かしさだけで語るのはさびしいものがあるな。