マサラ日記     previous«  »next

11月20日(土)

 JR中央線武蔵境駅から西武多摩川線に乗り換えてふたつめの駅、多磨で降り、東京外国語大学の「外語祭2004」を訪れる。

 お目当ては、同大学ウルドゥー語専攻の学生さんたちによるウルドゥー語劇の観覧、そして同じくウルドゥー語の学生さんたちによる料理店「シャーリーマール」だ。

 ウルドゥー語劇の方は、ここ毎年の恒例である、大阪外国語大学ヒンディー語専攻の学生さんたちによる語劇との競演。
 東京外大の演目は「アダムの子孫」(原作:Ashfaq Ahmed)、対する大阪外大は「食欲のないお話」(原作:佐々俊之)。どちらも内容、演技、演出等に独自の工夫と個性がこらされている。パキスタンとインド、さらには東京と大阪それぞれのノリの違いがかいま見れるのも楽しかった。超満員の会場での大熱演、ごくろうさまでした。

 1年生の学生さんによる「シャーリーマール」のメニューは、「炭火焼のスィーフ・カバーブ(マトンミンチのスパイスロースト)」「炭火焼きのボーティー・カバーブ(一口サイズにカットしたマトンのスパイスロースト)」「マタル・プラーオ(グリンピース入りバスマティ・ライスのスパイス入り炊き込みごはん)」「ガージャル・カ・ハルワ(にんじんのミルク煮込みデザート)」「特製チャーエ(ご存じチャイ)」。はっきりいって、ここのおいしさに負けているインド・パキスタン料理店も都内にあるくらい。かなりイケていた。

 昔から、外語祭では、各国語専攻の学生さんたちがそれぞれの国の料理店を出している(私、音楽をやっていた都合から、学生時代にも外語祭には出入りしていた。昔の東京外語大は都内北区西ヶ原という下町っぽいところにあって、都電で行くのがなかなかおもしろかった)。これがかなり充実した中味なので驚かされる。とりわけエスニック料理のファンの方が行くと楽しめるだろう(この日も、タイ、ラオス、フィリピン、ペルシャ、韓国、中国、トルコ、そしてインドにパキスタンなど、いろいろなお店が出ていた)。

 外国のことばというのは、その国の人や暮らし、文化習俗など些細なところに触れ合わないと上達しないだろうし、学んでいてもおもしろくない。その点、ここの学園祭はしっかりと教育の一環になっていて、私がいた大学の学園祭とはえらい違いだ。

 そういえば、語劇を見る前、会場でほかの大学の学生さんが友人の外語大生に「ねえねえ。この劇に出ると単位もらえるの?」と真顔でたずねているのがおもしろかった。