★ 過去の記録・だって、クラプトンのライブに行きたかったんだもん。


初めて『ひとりで』チケットを手配して『ひとりで』アメリカに遊びに行った、その旅行でのこと。いきなり、自分としては大冒険、じゃなくって、会社員やってるとは思えない行動に出てしまったこと。


★★★

ワシントンDCには、友人、ヒロコが引っ越していったばかり。会社をスパッと辞めて、『英語の勉強したい。』という、単純な理由で移り住んだ。住まいは、知り合いの家。オーナーは独身で、一軒家を数人のチョンガーに賃貸していた。いわゆる、ルームメイト。だから、その家には、ヒロコ以外にも、オーナーと、あと、ブライアンってやつと、名前忘れたもうひとり(殆ど家にいなかったので記憶いない。アンドリュー?)の3人がいた。

そういうわけで。アトラクション関係は、たとえヒロコが地元にまだ慣れるほどではなくても。ブライアンとオーナーのトムが、いろいろ計画してくれて、楽しかったっす。

で、ある日。ブライアンがこう言った。

  『エリック・クラプトン、って知ってる?』

  『へっ?知らないヒトなんて、いるの? 私、大好きなんだけど!』

(実は。わたくし、物凄い、ファンなんですな。クラプトンの友人、という知り合いがいて。かつて、クラプトンが東京に来たとき、バックステージパスをゲットし、その夜バンドのメンバーたちと、六本木に繰り出したこともある。残念ながら、クラプトンはお疲れで、六本木には来なかったけど。)

  『あ、そう! クラプトンのライブのチケット。4枚持ってるの。ヒロコと、トムと、4人で行こうよ。』

メリーランド付近のスタジアム(たしか、ボルチモア)でやるやつだったんだけど。たったの25ドルだよ。やっぱ、日本のライブ、高すぎ! (や、ワタシ、ってば。何年前の話をしてるんでしょうか。)

いや、そうじゃなくて。日付を聞いたら。私の帰国する日だった。

  『うぇ〜ん・・・。ダメだぁ。』

こっからが、日本人と違う発想。ブライアンには、何故、帰国日だとダメなのだか、ピンと来なかったらしい。

  『帰国を先に延ばせばいいじゃん。』

そうか。そうじゃん。思いつかなかった。それで。ユナイテッドに電話した。

ユナイテッドは、快く。OKしてくれた。な〜んだ、カンタンじゃん。しかし。モニターを見ながら話をしていたらしい、ユナイテッドの人は、"Oops...! No, I'm sorry. We can't help you." (ご期待に添えません。)と言った。

私が日本の代理店で購入したチケットは、○×ツァーとか入っていて。そこの許可がないと、変更できない、ということだった。そこがOKなら、ユナイテッドとしては、いつでも。空席のある便にシフトします、と言ってくれた。

それで。○×ツァーのニューヨーク支店に電話する。こちらの要望と述べると。

  『できません。予定されている便に、必ず、乗ってください。』

こういうツァーチケットって、裏で航空会社とどういう取引してるんだか、知らんが。どうも、実際にそのチケットを使って搭乗しないと、ツァー会社が困るらしいのね。歩合給、みたいな仕組みになっとるのでしょうか。

とにかく。却下された。

ブライアンは、残念そうだった。(たぶん、ワタシに惚れてたから。・・・、めでたいねぇ、ワタシも・・・。)

  『一緒に行けるなら。このチケット、あげるのに・・・・。』

おぉ〜。タダですか。そうですか。別にタダでなくても。アメリカでのライブのクラプトンは見たいよ、私だって。

すると、今度は、トムが。ノースウェストのプログラムのメンバーで、近々使いきらないと、無効になってしまう特典=割引がある、という。その復路のチケットは捨てて、成田行きの片道、ボクの特典使って、格安で買っちゃえば? ってオファーがあった。ワタシとしても。気持ちは、もう、なんとかしてクラプトン! だったから。う〜ん・・・。23万のチケット、半分使って捨てるのか、と思いつつ・・・。ま、いっか。

(余談: トムが必死になっていたには、ワケがある。ブライアンは、ワタシが行けないのなら、ワタシの友人であるヒロコを連れて行く理由もない=チケットは余らないので、トムを誘う義理もない。他の友達と行く、と言ったのだ。トムは、クラプトンのチケットが手に入らなかったので、どうしても残りの2枚をゲットしたかった。つまり、ワタシに帰国されては、ひじょ〜に困る立場にあった。)

・・・で、トムにノースウェストと連絡とってもらった。すると・・・・。(ダレス=ワシントンDC国際空港)

   ダレス → 成田 片道チケット 600ドル。

   ダレス ⇔ 成田 往復チケット 900ドル。

『いしだあゆみ』の歌をうたいたくなった。 ♪アナタなぁ〜ら、どぉするぅ〜?♪

たったの300ドルで、往復になるんだって! ・・・で、この格安チケットは、やっぱ、日本の売り方と違う。航空会社の格安らしくて(最近は、日本でも買えるようになったみたいだが)、エコノミーの格安で、6ヶ月オープンだったのよ。(金額的には、更にトムのメンバーズシップのお陰もあるのだが。)

もう、こりゃ、往復で買うっきゃないっしょ。そんときは、夏休み(8月)だったんだけど。6ヶ月以内に、年末・年始の休暇があるっ! 使えるじゃん。

こうして、ワタシは、25ドルのクラプトンのチケットをタダでもらって、900ドルのエアチケットを購入することになったのです。

じゃなくって、アメリカ発のチケットで半年ごとにヒロコを訪ねることになった。毎回、前回の残りでアメリカに『帰国』して、新しいチケットの往路で、日本に帰る、っていう・・・。

当時、日本国内で、日本発の往復は、最初に買った23万円、その後、ちょっと安くはなったけど、15〜18万円くらいだったから。知らない人が見れば、年2回もアメリカ旅行、なんて贅沢、って出費が、実は、日本のチケットの1往復分だったので。毎年定期便みたいに、彼らを訪ねた。シーズンを訂正して(だって、年末年始のDCって、寒いんだもん)、5月の連休と、10月末あたりにね。ハロウィンのシーズン。

この、5月、10月の定期旅行は、『失敗に終わったダメ亭主と結婚』するまで続いた。ったく。結婚さえしなけりゃ。未だにあっち発のチケットは死守してただろう。金額的には、日本のチケットもだいぶ安くはなっているけど。なんせ、ツァーチケットじゃないし。6ヶ月オープンだしね。はぁ〜・・・。ツイてない人生だ・・・。