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過去の記録・汗だくの渡米事件 初めて『ひとりで』チケットを手配して『ひとりで』アメリカに遊びに行くことになったときのこと。それまでは、パック旅行2回、帰国子女を3人も含むグループに混ぜてもらったの1回、いずれも『誰かの』指示に従ってれば大丈夫、っていう安心・お気楽旅行だったから。 まず、旅行代理店でチケットをゲットしたはいいけど。そのチケットは、空港渡し、と言われて驚いた。なんで、そんな不便なことするんかい。で、ワタシとしては、『ひとりで』のつもりだったのに、代理店からは、『集合時間』なるものを指示されたんで、またびっくり。なんでよ。パック旅行じゃないのに。ホント不便。 集合時刻は、午後3時、だった。『成田の出国ロビーの当社カウンターで』、って。(搭乗する予定の飛行機は成田午後5時発なのに。いや、5時15分だったかな。) ところが。個人的に誰かと待ち合わせ、ってのとは違うもんで、つい、自分にルーズになり、自宅を出るつもりでいた時刻に間に合わなくなった。代理店に電話をすると、最初困ります、なんて言われたが。困る、って言われても、こっちも困る。そもそも、なんで2時間も前なんだ、って思っていたし。 『それじゃ、何時に到着できますか?』と聞かれたので、まぁ、出発が30分ほど遅れるだけなので、『3時半か、3時40分までには到着できます。』と答えると。 『あ、その程度なら大丈夫です。でも、絶対、それより遅くならないよう、お願いします。』と念を押された。 『はい、わかりました。どうもすみません。』と言いながら、よかった、と安心した。 しかし。 上野に2時ちょっと過ぎにつき、『あ、楽勝!』 と思い、スカイライナーのチケットを買いにいくと。 『2時半(2時40分だったかも)のは満席です。次の3時20分なら空席があります。』と言われ、血の気が引いた・・・。 う、うそ・・・。マジかよ・・・。 代理店さんに、3時半には着く、って言っちゃったのに。3時20分に上野にいたら、『どこでもドア』でもない限り、10分で成田空港なんて、いけるハズない。でも、それに乗るしかないのよ。到着は・・・。 4時半??? ダメだろうか。たぶん、ダメだろう。けど。格安とはいえ(NJ経由ワシントンDC行きで当時は)23万もしたチケット。とにかく、行くだけ行ってみよう。 こんなに焦っているのに、上野で40分近くプラプラしなくてはならなくて。なんかヘンな気分だった。 成田に着いたのは、4時半近く。猛烈にダッシュする。出国ロビーまで。ちんたら歩いてる人たちを追い抜いて。でも、その代理店のカウンターがどこにあるのか、わからない。くそっ。 で、とにかくユナイテッドのカウンターに行き、『あの、5時のNJ行き、まだチェックインできますか?』と確認すると。更に血の気の引く回答が。 『申し訳こざいません、こちらの便は、クローズいたしました。』 『だめ? どうしても?』(汗、たらたら、息ぜぇぜぇ。) 『出来るかどうか・・・。とりあえず、ご確認いたします。チケットとパスポートを・・・。』と言われて、 『チケット、代理店の人が持ってるんですけど。カウンターがどこだかわからなくて。』と言うと、あちらの端に各社のカウンターがございます、と教えてくれた。 そっち目指して、またダッシュ。カウンターって、なによ。屋台のタコ焼き屋、みたいなの。で、代理店の屋台を見つけて、 『すみません、○×です。』(汗たらたら、息ぜぇぜぇ。) 『えぇっ!? ずっとお呼び出ししてたんですよ。(いなかったもん、聞こえるわけない。) もう、ダメかもしれません。この便、出発が20分繰上げになったんですよ!あと、10分くらいしかない。』 ・・・・。だめ。気を失うかもしれない。呆然。 『でも、とりあえず。やれるだけ、やってみましょう。荷物はそれだけですね?』 『い、いえ・・・。スーツケース、宅配に預けてあります。』 『え〜〜っ!! じゃ、すぐ、それを取りに行ってください。パスポート貸して! ワタシがチェックインの手続きしてきますっ!』 ・・・で、業務分担して、なんだか知らないが、チェックインできちまったんよね。 ところが、だ。彼がチェックインしているとき、ワタシはスーツケースを取りに行っていたわけで。つまり、スーツケースはチェックインしてないのだよ。スーツケースは機内に持ち込んでくれ、って言われた。ムリだろぉ、いくらなんでも。けど、それをどうにかするのが乗務員の仕事だ、とかなんとか言われた。 この代理店のお兄さん、『急いでっ!』って、入国審査のところまでスーツケースがらがら引きずって、走ってくれて、その上、長蛇の列で、並んでいる人を無視して、いきなり審査官のところまでワタシを連れていき、並んでいる人に、 『すみません、離陸までにあと、2分しかないものですから。申し訳ありません。』と言ってくれて。 なんか、言われるままに、審査を受けると、 『ボクは、ここまでしか入れませんので。搭乗口までも、かなり混んでいるはずですから、並ばないで、すぐに荷物検査受けて。急いでくださいよっ!』 『え? でも・・・。チェックインはできたんでしょう? なら、そんなに急がなくても・・・。』と言うと、 『いや、この便は待ちません。予定どおり離陸します。急いでください。』 ・・・なんで? でも、ま、いいか。 ひとりにされると、急に心細くなっちゃって。列のいっちゃん前になんて、図々しくいけるかなぁ・・・。どうしよう。困った、と30秒ほど悩み。・・・・行っちゃいました。 手荷物検査にスーツケース、という、恥ずかしいプロセスを通過して。 更に、ガラガラガラガラ・・・・と、目的の搭乗口まで行くと。いるハズの飛行機は横付けされていなかった。 ・・・だ、ダメだったんだ。置いてかれたんだ・・・。と呆然としていると。UAのヒトが、 『ニュージャージー行きですか?』と尋ねてくれた。 なんか、希望の火が・・・。『はいっ!』と答えると。 『申し訳ございません。』 ・・・やっぱり・・・。 『当便は、本日、事情がございまして、ブースが使えませんので、こちらの階段下りて、いったん、外に出ていただくことになります。』 『あ・・・の、まだ、乗れるんですか?』 『はい、大丈夫ですよ。』 やったぁ〜〜〜!! タラップでも何でも、文句いいません! (しかし、スーツケース持って階段下りるのはタイヘンだった。) 飛行機のところまで行くと、乗務員と整備員みたいなツナギ着たひとが立っていて、深々とおじぎする。 『あの・・・。こ、コレ(スーツケース)、チェックインに間に合わなくて・・・。』と言うと。機内持ち込みを覚悟していたのに、ツナギ着てた人が、 『あ、はい。大丈夫ですよ。お預かりします。』・・・と言って、他の乗客の荷物と一緒にしてくれた。 晴れて、飛行機に乗り込む。背中はもう、汗だくなんだけど。さすがはアメリカの飛行機、冷房がビンビンに効いていて、良かった。いや、寒い。汗は冷たくなった。いや、そんなことより、間に合って良かった。しかし。 機内には・・・。 誰もいなかった。 なに、コレ? とにかく。自分の席を見つけて座ったんですが。10分ほどしてから、ようやく他の客が乗り込んできた。うっ・・・。わたし、はっきり覚えてます。手荷物検査のところで、ごぼう抜きして、『すんません、すんません。』って謝った相手が何人も・・・・。悪いことしちゃった・・・。 でもねぇ。結局、この飛行機ってば。定刻の2時間遅れ(7時過ぎ)で離陸したんだよねぇ・・・。その影響に気付くこともなく。のほほんと。『なんだよ。結局、ゆ〜ゆ〜間に合っちゃった、ってことじゃん。』なんて考えていた。 |