★ 過去の記録・汗だくの渡米事件A


初めて『ひとりで』チケットを手配して『ひとりで』アメリカに遊びに行くことになったときのこと。成田からの続き。


★★★

成田を2時間も遅れて出発したUA (United Airlines) は、当然のように、ニュージャージー(NJ)にも遅れて着いた。

目的地は、そこから更に先、ワシントンDCだったのだけれど。当時、DC勤務だったK田さんが、ニュージャージーのAT&Tに詰めており、丁度同じ日(金曜日)にDCに戻る、ってことがわかって、わざわざ、ワタシが乗り換えで使う便をブックしていてくれたんです。はい。つまり。K田さんは、NJの(ニューアーク)国際空港で、ワタシを待っていてくださることになっていた。

NJに到着した私は、さらっと入国審査を終え、チェックイン『してない』スーツケースが、ホントにコンベアに乗って出てくるのだろうか、って心配をしつつ。しばし待つ。

まぁ、スーツケースはちゃんと出てきたんだけどね。

それを引っつかんで。とにかく。2時間近くもK田さんを待たせたことになっちゃってるわけだし。もういないかもしれないけど、走った。

しかし。通関で、止められた。通常、機内で記入したCustom のカード提出して通過できるところなんだけど。何故か、カウンターのあるこっちへ『いらっしゃい。』と言われた。

・・・。私のスーツケース。チェックインしてないから。セキュリティのシール、貼ってなかったのね。

生まれて初めてです。スーツケース開けろ、って言われたの。犯罪人になった気分。しかも・・・。スーツケースの中には、世話になる日本人の友人に頼まれた品物が入っておったのよ。

  @生理用のナプキン (アメリカのは粗雑で使いにくいからって)

  Aお風呂で使う手桶 (ハンドシャワーじゃないから、風呂場のそうじができないからって)

  Bヨックモックの洋菓子 (アメリカ人に、コレがホントの『おいしい』菓子だと言いたいからって)

通関の職員がですねぇ。スーパーの茶色い袋を指差し、『コレはなんだ?』と聞くのです。生理用のナプキン、お徳用60コ入り、2パック。ちゃんと答えたのに。ボケットからナイフを取り出し、パックをあけて、ひとつ取り出し、掲げて観察しておるの! 恥ずかしいじゃないかっ!

それから。手桶なんだけど。これは・・・。どう説明したらいいのやら・・。日本式の風呂で使う、って言ったんだけど。お湯汲むときに、って。しかし。この職員に、『アメリカにも日本式の風呂があるのか?』って聞かれてさ。困ったよ。『いや、実は友人が、風呂場の掃除に使いたいそうで・・・。』って、なんでそんなことまで説明せなあかんのや。

ヨックモックは。購入したとき、『熨斗紙、つけてください。』って言ってあったんだけど。冗談のつもりで。しかし、これも、みごとに破られた。正方形の小さいパックを取り上げて、『コレはなに?』『クッキーです。おしいですよ。よかったら、おひとつどうぞっ!』(どうせ、開封してバラしちゃったんだしねっ!)って言ってみた。

いらない、って言われた。

どうでもいいけど、急いでくれよぉ・・・。このオヤジ、わざとじゃないか、ってくらい、ちんたら、たっぷり時間をかけて、隅々までチェックするんだよね。

足止め食って、更に走る。スーツケースを、今度こそ、次の国内線に『ちゃんと』乗せるために。今度は、引き取ってもらえたけど。

そして、ホッとしたら、国際線ターミナルとの仕切りのロープ(!)の向こう側にK田さんが見えた。

   『飛行機が遅れたことは知ってたけど・・・。それにしても。
    着いてからだいぶ経つだろう・・・。何してたの?』

説明しながら、今度はふたりで走る。ひたすら、走る。本当は、国内線ターミナルまでのシャトルバスがあったんだけど。一度飛び乗ったら、発車は15分後だ、って言われた。それじゃあ、間に合わない。けど、私ははっきり言って、かなり疲れていた。だから、K田さんに、提案。

  『どうせ国内線だから。もう、次のにしましょう。申し訳ないですけど。』

すると。

  『いや、この便は、今日のDC行き最終便なんだよ! これ逃すとNJで一泊だけど。いいの? 
   
オレと一緒だと、キミの貞節は保障できないぞ!

・・・と、言われた。再び、ダッシュ。汗だくになって、搭乗ブースに辿りつくと。飛行機はまだいた。よかったぁ〜と思いきや。ブースのドアはしっかり閉まっており。機体が少しずつ動いてるみたいなのよ。

ブースとの接続はすでに外されており、滑走路に向けて機体を回転させているところだった。カウンターのお姉さんに、『ちょっと、待ったぁ〜っ!!』って叫んでみた。とりあえず、彼女は機内と連絡してくれたけど。機体は、ピタッって、止まったけど。

お姉さんが、ブースの扉を開けて、先っちょまで見に行った。戻ってくると、『残念ですが、もう、接続不可能なところまで機体は動いてしまっているので。乗れません。』と言った。

・・・すると。K田さんは、ものすごい剣幕で、怒鳴り出したのデス。

『オレはともかく。このコは成田でチェックインをちゃんとしていて、しかもその便が2時間も遅れたことは知っていたはずだろう! 何故待たなかった!』ってね。

う〜ん、ワタシは英語をしゃべることに、あんまり躊躇しないタチですが。やっぱ、日本人ですから。だめ、って言われると、寂しく、あ、そうですか・・。って引き下がっちゃっただろうなぁ。助かった。でも、最終便に乗れないとなると。やっぱ、必死にならねばいかんのね。インプット。(つまり。今のワタシなら。ガンガン文句は言ったと思う。)

しかし。お姉さんが言いました。

  『興奮しないで・・・。次の便に乗れるようにいたしますから。』

???? 次の便? あるの?

運良く。サマータイム(4月下旬から10月下旬まで)だったのです。この時期、通常運行のフライトのほかに、あと1便、あるんだってさぁ〜!!

でも、2時間待ち。K田さんが怒鳴りまくってくれたお陰で、UAの人に丁重に扱われ、メンバーでもないのに、その2時間をレッドカーペット(UAのお部屋)で過ごすことができました。ソフトドリンク(コーヒーとか)は、無料だったと記憶している。会費も払っていないのに・・・。(酒類は有料だったと思う。)

成田からの2時間。NJでの2時間で、都合、4時間も予定が遅れた。・・・ので、DCのダレス空港まで迎えに来てくれるはずの友人宅に電話した。一度、空港まで行っちゃったんだってさ。悪いことしたなぁ。

とにかく。ワタシの初めての海外一人旅は、汗だくでした。