Prayer【2】


 賑やかな食事が終わって帰ろうとした昴流をまだまだ騒ぎ足りない2人が捕まえた。
 まだ騒ぐ気満々の2人にトランプやUNOなどのゲームに付き合わされ、気づけば時計は既に夜中を回っていた。

 昴流は流石にそろそろ帰ろうと思い「じゃあ、僕はそろそろ・・・」と言いながら立ち上がった。
「昴流さん帰っちゃうんですかぁ〜?」
 とても残念そうに護刃は昴流を見た。
「もうこんな時間だし」
 と言いながら皆が時計を見るように促す。
 それで皆初めて時計が11時を回ってることに気づく、皆が納得したと思い再び帰ろうする昴流の腕をを護刃が掴み。

「こんな遅くに一人で帰ったら危ないですよ!!!」
「え?」
 護刃を言葉に皆が続く。
「確かに近頃物騒ですからね」
「せやな・・・こんな時間やさかい『妙なもん』が出てもおかしくなわな」
 神威までもが心配した顔をして昴流を見る。

 はっきり言ってそんな心配無用である。
 神威が本来どれほど強い力があるか知れないが、今のこの時点では昴流がダントツに強いであろう。
 なにせ、現陰陽師の頂点に立つ皇家の13代目当主。おまけに昴流は歴代当主の中でも1、2を争う術者である。
 ので、空汰の言う『妙なもん』が出ても心配などいらない。
 仮にそれが霊的なものであったとしたら、むしろ昴流にちゃんと成仏させてもらったほうがいいくらいだ。

 そんな考えはお構い無しに満面の笑顔で
「せやから昴流さん♪」
「泊まっていってください♪」
 最初からこれを狙っていたのではないかというくらいの申し合わせたよう言い放つ2人。
 流石にそれは断ったが断固として帰してくれない。
 極めつけは護刃が最後に
「勿体無いオバケが出たら誰が祓ってくれるんですか!?」
 の一言。
 別に昴流が祓わなくてもここには寺出身者が大勢(って程ではないが)いるのでは?というか護刃もお寺出身。
 おまけにここにはお坊さんと巫女さんもいる。
 それ以前に霊とオバケとは少なからず違うと思うがそんなことを言ったところでこの訴えるような少女の目は変らないであろう。
 昴流は結局泊まることを承諾してしてしまった。
 すかさず空汰が「ほな続きやりましょ〜♪」と言ってまた皆(主に2名)で盛り上がった。
 神威はいつもなら自分が2人にやられてることを昴流がされてるのを見て少し笑った。
 因みに嵐ははと言うと・・・呆れていた。


 神威達が寝静まった後、昴流は未だにリビングにいた。
 ふと先ほどまで騒がしく盛り上がっていたテーブルを見て少し笑う。
 地球の運命を握っているような者達とは思えない『普通』の高校生と中学生の姿がそこにあった。
 もっとも、昴流にとっては地球の運命などどうでもいいことだが。

 昴流は持っている紙に目を向けた。
 次の『仕事』の資料である。
 いつもなら煙草を吸っているのだが、ここは神威達の家であるため吸ったりはしない。
 一通り資料を見て再びテーブルに目をやる。

 先ほどまで騒いでいた姿が浮かぶ、その姿が次第に昔のに変っていく。
 誰よりも大切であった2人の姿に――。
 あれほど賑やかに騒いだのは何年振りだろうか。
――いや、あれから何年経ったのかもわからない。
 それでも、色あせることなく昴流の中に残っている。
 ・・・否、彼の中にはそれしかないのだろう。それと『望み』だけが彼の全て。

 時計を見ると既に深夜3時を回っていた。
 急に眠気が昴流を襲う。
 そう言えば昨日は仕事で殆ど寝ていなかったことに気づく。
 昴流にとっては寝ないことも珍しくは無いのだが。

 ここの空間は不思議と暖かいものがあった。。あの頃に少し似た暖かなものが―――。
 空汰達が用意してくれたベットがあるにも関わらず、昴流はその場で寝入ってしまった。

――今夜の月はとても綺麗な満月であった。




やっとここまで書けた・・・。
しかし本当に書きたいのはこの次なんです!!!
ってか文メチャクチャ(汗)やっぱりナレーション多いのって難しいですね。
明らかに急いで書きてるのがバレバレ(爆)
さぁ〜。実家に帰るまでに【3】をUP出来るのか!?
あ!因みに次でラストです。

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