Prayer



「親睦会ですか?」
 地球の運命を決める天の龍が全員揃って――正式には封真が神威として覚醒してから既に一ヶ月が経ったある日。
 いつもの作戦会議の後空汰と護刃が親睦会〜焼肉パーティー〜をしようと言い出したのだ。

「せや!折角こうやって皆集まったやさかいそろそろ親睦会でもいっちょやったろうと思ってな♪あれから地の龍側の動きも全く無いわけやし♪」
「皆で焼肉パーティーしましょう!!」
 空汰の言葉に護刃が続く。そして何処から出したのか『いものやま商店街』と書いてあるビニールの袋を両手に持って「実はもう材料買っちゃたんですv」と付け足した。
 どうしていつも焼肉なんだろう・・・と思いながら神威は話を聞いていた。
「すいませんが今日はちょっと・・・・」
 凄いウキウキ状態の空汰と護刃に申し訳なさそうに答える蒼軌さん。
 続いて蒼軌さん同様バツの悪そう顔で火練さんも言う。
「ごめんなさい。私も今日は仕事があるの」
 急に言われても社会人は学生とは違い色々あるのだから仕方が無い。
 ましてや天の龍やってたら給料貰えるわけでも無い。
 最も、天下の妹乃山財閥の末弟が理事長を務めるCLAMP学園が全面バックアップしているので別に仕事をしなくても何不自由無く生活出来そうだが・・・。
 蒼軌さんと火練さんの話を聞いてあからさまにしょんぼりとした護刃。
「ま。急やさかいしゃあないなぁ〜」
 と空汰が護刃を慰め、蒼軌さん達の話を聞いてから苦笑していた表情をぱぁっと明るくして社会人兼学生(って言っても講義受けて無いが)である昴流を見て
「昴流さんはどないでっか?」
 と期待の表情を込めて言う。

 急に話題を向けられて少し驚きながら「僕は・・・・」と言った瞬間空汰と(特に)護刃の期待に満ちた表情が昴流の目に入る。
 2人とも目を輝かせて、護刃には猫耳までついてた(笑)
 仕事があれば断っているのだろうが今まで掛かっていた仕事は昨夜一段落し、
 先ほど後処理をして完全に終わったばかりだった。
 それでも次の仕事があったのだが、急いでやるような仕事でもないし、
 この期待の目をして自分の見る少女に負け、
「じゃあ・・・伺わせてもらいます」
 と承諾してしまった。



「ほい昴流さん!ここもう焼けてるで♪」
「あ、すいません」
「ほれ神威ももっと食ったれ!」
 神威達が住んでいる所に着いた途端焼き肉パーティーになだれ込み、
 空汰が焼けた肉や野菜をすかさず昴流や神威の皿の上に盛っていく。

「・・・ちょっと買いすぎたんじゃないか?」
 とても一気に食べきれる量ではないほど自分の皿にカルビやらキャベツやらを盛ってくる空汰に神威が言う。
 見ればそこには大量に焼き肉の材料が残っていた。仮に蒼軌さんと火煉さんが来ていたとしても食べきれたのかわからない量が・・・・。
 しかし、今回学生メンバーにプラスされたのは昴流ただ一人。おまけに昴流はかなりの小食派。仕事の関係もあって食べないことなんて日常茶飯事。
 そんな人が一人増えたくらいではあの大量な食材は減りはしなかった。
「じゃあ明日も焼き肉パーティーしましょう!!」
「・・・栄養偏りますよ」
 護刃の言葉に手際よく焼き肉を焼いている嵐が突っ込む。
 しかし、肉はそんなに日持ちしない。そうなるとやはり捨てざる負えなくなり・・・・
「でもでも!そんなことしたら勿体無いオバメが出ちゃいますよ!!!」
 ・・・本気で言ってるのか?
 そう思いながら護刃を見る一同。
 そして・・・本気なんだろうな。と。
 勿論その内の一人はここぞとばかりにその話乗ってきた。
「せやな!オバケ出てきたら困るさかい皆じゃんじゃん食わな♪」
 そう言って昴流と(特に)神威の皿に先ほどよりハイペースでん盛ってていく。
 ついでにタレも更にかけてあげる。嗚呼!わいってなんて優しいんやろなぁ〜♪と言いながら。

 明らかに嫌そうな顔をする神威。
 更に加速してどんどん盛る空汰。
「食べ物で遊ばないでください」と空汰を窘める嵐。
 それを見て楽しそうに笑う護刃。

 昴流も自然と少し微笑む。

 賑やかな食事は久しぶりであった。

―――本当に・・・・久しぶりだった。



やっと書けましたシリアス風!!
昴流メインなのに・・・影薄いですね(汗)
次回から本格的に昴流メインになる予定。これプロローグ的になってしまった。
フリーにしても良かったんですが暗い話だし続きものなんで辞めました(笑)
これサイト開設する前から考えてた話です♪
続きは今即行で書いてます。

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