神幸式大祭


毎年9月21日から25日まで行われる太宰府天満宮の秋祭り神幸式(じんこうしき)大祭は、
1月の鬼すべ、3月の曲水の宴と合わせて、三大祭りのひとつに数えられています。
平安朝の昔、堀河天皇の康和3年(1101年)
大宰権帥大江匡房(おおえのまさふさ)により始められたものです。
21日、菅原道真公の御神霊を奉安した御神輿(ごしんよ)は本殿を発ち、
道真公が2年余りを過ごされた配所「榎社」まで、約4kmの道のりを”お下り”になります。
一晩を過ごされた御神霊は、翌日同じ道を通って”お上り”になります。
太宰府ではこの祭りを「
どんかん祭り」と云い、五行(護行)の鐘・太鼓を先頭に
”ドン・・・カン・・・”と交互に音を響かせながら進みます。
また、行列が通る道を”
どんかん道”と呼んでいます。
往古の伝統を継承するこの神幸式大祭は、福岡県無形文化財に指定されています。


行宮榎社
道真公の御霊を奉安した御神輿は、榎社の御旅所行宮に安置されて、一晩をここで過ごされます。(写真左)
五行(護行)の鐘・太鼓(写真右)を”ドン・・・カン・・・”と交互に音を響かせます。


倭神楽(やまとかぐら)の奉納
倭神楽は倭舞ともいわれ、安置された御神輿の前で、童女4名が舞う奉納芸能です。
その発祥は古く、平安時代の末にこの大宰府へ下った
惣市(そうのいち)の女性によって今日まで伝承されているのだそうです。


御神輿の出立
倭神楽の奉納が終わると道真公の御霊を奉安した御神輿は、静かに行宮を出立します。
御神輿が道の中心を北に外れたときは輿丁頭が「お南へお寄りまして」と
平安時代を思わせる雅な掛け声をかけます。


”どんかん道”を行く御神輿(お上り)
榎社を出立した行列は、”どんかん道”を通って天満宮へ”お上り”になります。
御神輿のお供をする神職と奉仕の人々は、衣冠(いかん)、直垂(ひたたれ)、
大紋(だいもん)、狩衣(かりぎぬ)、白丁(はくちょう)と平安王朝を偲ばせる
優雅な姿で行列を美しく整えます。