鬼すべ神事


毎年1月7日夜、行われる鬼すべの神事は、
寛和2年(986年)道真公の曾孫にあたる大宰大弐菅原輔正(すがわら すけまさ)が始めたと言われています。
災いを祓い福を招く、千年の歴史を持つ天満宮の新年の祭りで、日本三大火祭りのひとつに数えられています。
燃え盛る炎とともに繰り広げられる”鬼”、”鬼警護”と”すべ手”との攻防は勇壮で、
福岡県指定無形民族文化財にもなっています。


天満宮下の駐車場近くの広場で、
開始に当たって、安全を祈願します。

 焚き火を焚き、竹を束ねた大松明に火がつけられます。

 出で立ちは、茶色の筒袖、梅紋のハッピ、縄鉢巻で作った鬼の角、
縄たすき、顔にはコウジンサマ(かまどの神)の炭を塗ります。
8時半、松明の出発
 「鬼じゃ」、「鬼じゃ」のかけ声も勇ましく、
大松明は参道を上って行きます。
その後には、”鬼”を守る”鬼警護”が続きます。

 天満宮前に準備された松明にも点火
松明の後には
鬼の面を持った氏子が続きます。
 鬼すべ堂前にはお祓いを終わった”すべ手(燻手)”が集まり、
松明の到着を今や遅しと待っています。
お堂の前には、藁(わら)200把、青松葉33把が積まれたカマが作くられています。
待ちに待った松明の到着、
「鬼じゃ」、「鬼じゃ」のかけ声も勇ましく
お堂を駆け周ります。
松明の後、西高辻宮司を先頭に
神官たちがお堂の中に入り
お祓いをします。
お堂の外では松明を立てて、
点火を待っています。
お堂の中でのお祓いに引き続き、
カマのお祓いが行われます。
9時30分、火渡し(点火)。
火は瞬く間に燃え広がり、
炎と煙が夜空を焦がします。
”すべ手”は
2mもある青竹の大団扇で扇ぎたてます。
”鬼”を守る”鬼警護”は、
煙を避けようとお堂の中からテン棒で
堂の板壁を打ち破ります。
カマを取り巻く”すべ手”は大団扇で
煙を堂内にあおぎ込みます。
鬼を攻める”すべ手”と鬼を守る”鬼警護”との攻防は
最高潮に達します。
板壁がすべて破られると、太鼓を合図に
荒縄で四十八ケ所を縛られた鬼は
”すべ手”が火を煽ぎたてるなかを
鬼係に囲まれて堂内を7回半、駆け周ります。
1周りごとに神官が煎り豆を投げ、杖で鬼を叩きます。
たまらずお堂を飛び出した鬼は、
今後は、お堂の周りを3回半周ります。
1周りごとに氏子会長が煎り豆を投げ、
杖でうち退治し、
筑紫路の火の祭典「鬼すべ」の神事は幕を閉じます。
燃え残った板壁は火除けのお守りとして、
集まった人々が持ち帰ります。