ずっと“カロラインさん”と書いてきた同行のケニア人女性ガイド・カロラインさん。彼女と私は、最初のうちはお互いに「カロラインさん」「〇〇(私の本名)さん」と呼び合っていたが、アンボセリからは「カロ」「〇(私の下の名前)ちゃん」になってしまった。ここでも、入力が面倒になってきたので(爆)、以後は“カロ”と書きます。(カロ、ごめんなさい)
カロは37歳の2児(9歳と7歳の子)の母で、日本人専門の現地ツアー会社から派遣されてきた日本語現地ガイドである。時々「?」と思うこともあったし、彼女も私に「色々日本語教えてね」と言っていたが、私の珍グリッシュよりはるかに上手に日本語でガイドしてくれた。彼女のおかげで、マサイマラのロッジで日本人宿泊客と初めて一緒になるまで、横文字だらけの言葉が飛び交う世界にいたが、言葉に関する不安は全くなかった。(私もいい加減な珍グリッシュと身振り手振り筆談で色んな人と話したが、それでも結構通じるものだ。でも、カロといる時の方が何倍も安心して楽しかった)カロは、最初はナイロビの日本語学校で学び、その後半年間日本に留学したこともあるそうだ。
ケニアの女性も日本の女性と同じ、興味のあることは一緒だった。彼女のもっぱらの悩みはお肌の手入れで、結構お金もつぎ込んでおり、「あなた肌キレイ。どうやって手入れをしているの?」と聞かれたし、「日本のビールは美味しかった」と言っていて、アンボセリ以降、夕食時にタスカービールで乾杯もした。「旦那は真面目な人でTVもニュースしか見ないけど、カロはコメディ番組の方が好き」と言い、時々友達とディスコにも行くという若くて活発なお母さんだ。けれど、子供さんをナイロビの家に残して仕事に出ているのだから心配じゃないわけはなく、毎晩電話をかけていたし、ナイロビを出発する日の朝は、ちゃんと学校へ行く子供のためにお弁当も作ってきたそうだ。仕事と家庭を両立させているしっかり者のお母さんなのだ。(旅の間は親戚の人に来てもらって、子供さんの面倒を見てもらっているとのこと)
性格は肝っ玉母さん風、いつもどっしり構えているといった雰囲気で本当に頼りがいがあった。ナイロビでロスト・バゲージして、いきなり泣きついた初対面の時からそんな感じではあったが、旅の間もその印象は変わらず、彼女には随分と助けられた。まぁ、カロは身長が170あり、私150で、いつも私が見上げて話すというパターンで、見かけもカロの方がしっかりしていたけど…。
カロとは、旅の間色々なことを話した。カロは日本のことを知りたがったし、私も彼女からサバンナの景色から見えてこないケニアの一般的な家庭の暮らしについてたくさん教えてもらった。カロに教えてもらったことは忘れられないし、ケニアの野生動物と大自然を見に来たのに、ケニアの人と暮らしぶりに興味を持って、ますますケニアのことが大好きになった。
それにしても、アンボセリに着いて初めてのロッジでの昼食で、私が熱いスープをフウフウさましつつ飲んでいたら、「猫舌?カロは犬舌」と言ったり、毎食ビュッフェ形式の食事についているたくさんのデザートを「甘いものは別腹」と言いながら食べていたのには笑えたけど…。
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