ジャンボ! アフリカ 〜33.異境の地での出会い〜

 

 最後のサファリを終え、ロッジに戻ったら、他の車も帰って来ていて、ドライバーさん同士が和やかに談笑していた。その中にいた1人が私の姿を見かけると話を止めて近づいてきて、「リメンバーミー?」と声をかけてきた。
 覚えているかって?ええ、覚えていますって!!フランクさんだ!!

 実は私のドライバーさんはフレッドさんで、ナイロビに着いた日から旅を共にしてきていたが、1番最初、空港に迎えに来てホテルまで送ってくれた時だけ、年配のフランクさんだったのだ。
 彼も、ロスト・バゲージでうろたえ、落ち込んでいた私のことがよほど印象に残っていたのだろう。カバンは大丈夫か?と聞いてくる。
 大丈夫、カバンは出てきたし、あれから順調にそして楽しい旅をしていると拙い英語で伝えたら、フランクさんは我が事のように喜んでくれていた。異国で、こんな人情と出会うと、ついホロリとなってしまう。

 フランクさんは、私と同じツアー会社を利用してやって来た別の日本人男性2人組のドライバーとしてマサイマラに来ていた。
 この男性2人組は、エジプトやアンボセリを回ってきて、マサイマラはここフィグツリーに1泊だけ、明日はもうナイロビに帰ってエジプト経由で帰国すると言っていた。

 そうそう、今まで同じロッジに日本人は1人もいなかったが、ここに来て、昨日は某阪〇旅行会社主催のツアーに参加している団体御一行様にも会った。こちらのグループもマサイマラ1泊、今日はアンボセリに大移動して1泊、その後はナイロビから南アフリカのヨハネスバーグに飛んでビクトリアフォールズやケープタウン、チョベにも周るハードスケジュールだと言っていた。

 …マサイマラ1泊だなんて勿体無いよぅ…。2泊してもまだまだ足りない、マサイマラを十分見れていないと思うのは私だけだろうか?

 そして、最後の夜の満天の星空、最後の朝焼け。今も忘れられない。いつか再び、絶対ここに戻って来ると、固く心に決めた。