ジャンボ! アフリカ 〜31.マサイの青年とウォーキングサファリへ〜

 

 日本出発前に申し込んでいたウォーキングサファリは、ここマサイマラで実施されるが、明日は早朝に帰るし、夕方はサファリドライブがある。日中は太陽が照りつけ、厳しいので今日の午前中にすると言われ、酔っ払いだったが10:30出発でウォーキングサファリへ行くことになる。
 ここフィグツリーはマサイマラ国立保護区の境界にあるため、保護区内は車で走らないといけないが、その外を歩いてサバンナを体験できるのだ。

 ウォーキングサファリのお供は、ロッジのスタッフでマサイの青年スティーブさん。23歳の陽気な若者だ。キコイを着てサンダルを履き、マサイビーズをばっちり身につけている。手には弓矢を持ち、腰には刀をつけている。「何に使うの?」と聞いたら、危険な動物が現れたらこれを使って私を守るのだ、と笑いながら言う。途中、手頃な石を見つけて、こうやって刀を研ぐのだと実演してくれた。

 太陽はどんどん真上に昇ってきて陽射しが厳しい。
 Mrアンドリューの忠告通り(笑)もう一度日焼け止めを塗り、しっかり帽子をかぶって出発だ。

 ロッジを出て、しばらくは道を歩くが、途中からは道をはずれ、草原の中へと足を踏み入れていく。

 まずは足元から観察。スティーブさんが弓矢で示し、「これはインパラのフン。トムソンガゼルのフン。ゾウのフン。イボイノシシの足跡。ハイエナの足跡」…むむむ、ウンコや足跡を見ただけで、誰がそこにいたかわかるなんて恐れ入ります。ちなみに、トムソンガゼルのフンは鹿のフンみたいで、奈良公園の鹿さんを思い出した。もちろん、フンの周りにはフンコロガシがたくさんいて活躍していた。何かわからない骨も落ちている。

 「イボイノシシハウス」と、スティーブさんが指した所には、地面に大きな穴が開いていた。私の頭くらいなら入りそうだ。思わず、「ごめんくださ〜い」と頭を突っ込みたくなったがやめた。穴はひっそり静まり返っていた。

 足元には車のサファリでは見落としてしまう小さな小さな花も咲いている。結構花が多いのに驚く。白、黄色、オレンジ、淡いピンク、濃いピンク…。緑だけと思っていたサバンナに、こんなカラフルな花が咲いているのにハッとされる。
 絶対植物を取ってはいけないと思っていたのに、ここは保護区内じゃないからいいのか、スティーブさんは私のためにと少しずつ花をつんで持たせてくれる。

 30メートル位距離を保ちながら、木陰にいるインパラやトムソンガゼルの群れの側も通過する。車やバルーンから見るとはまた目線の高さが違うので、見え方も違ってきて面白い。

 そして、陽気なスティーブさんとの身振り手振りを交えた珍グリッシュでの会話もまた面白かった。色々話したが、日本は法律上1人の夫に1人の妻と言うとえらく驚いていた。(マサイは一夫多妻制)マサイの男の子は好きか?と聞かれ、ケニアに来て好きになったよ、と返事するとすごく喜んでいた。そして、お互いの年を教えあうと、もっと驚いていた。「15か18に見えた!!」…ムフッ(* ̄m ̄*)

 ジリジリ焼きつけるような陽射しで、スティーブさんも「疲れない?大丈夫?」と色々気を使ってくれたが、結構面白くって1時間15分はあっというまだった。気がついたら酔っていた事もすっかり忘れていた。