ジャンボ! アフリカ 〜27.野生動物の王国マサイマラへ〜

 

 マサイマラに行くまでの道の最後の町ナロクは銀行もある大きな町だった。ここまでの道も結構長かったが、ここからマサイマラまであとどれくらいか?と聞くと、「後2時間位」と言われる。ムムム。さすが野生動物の王国マサイマラ、道程は遠い。

 ナロクの町を離れると、時々マサイの村がある以外、本当に何もなくサバンナだけが広がっていた。たまに牛の群れと牛を追うマサイの人とすれ違う。ひたすら青空が広がる。そしてマサイマラはまだはるか先というのに、道の側の草原をシマウマが走っていた。

 本当に何もないだだっ広い草原を走りつづけて、マサイマラに近づいてくると、さらに動物の姿が増えてきた。インパラやトムソンガゼル、トピが草をはみ、走り回っている。ダチョウが悠然と歩いている。イボイノシシの親子がトコトコ走っている。マサイキリンの優雅な姿もある…。やっとの思いでマサイマラ国立保護区のセケナニゲートに着いた。ここでも待ち構えたようにマサイの女性がマサイビーズのアクセサリーやバナナを持って売りに集まってくる。

 そこからもフィグツリーキャンプまではまだ少し遠かったけど、上にも書いた動物や草原の緑に随分心癒された。乾いた地面の多かったアンボセリと違い、ここは道以外は緑濃い草に大地が覆われている、道もアンボセリの白く乾いた土と違い、赤茶けたり濃い茶色の土が続く。

 13:45長い道程が終わり、フィグツリーキャンプに到着した。きれいな花壇で囲まれた駐車場で車を降り、吊り橋を通って川の上を渡り敷地内に入る。周りは木が多く、ちょっとしたジャングルのようだ。

 ここは、今まで泊まってきたロッジと違い、テントに泊まるのだ。テントと言っても日本のテントとは違う。大型のテントで中にはベッドがあるし、電気スタンドもある。さらにはテントの後ろに石造りの小さな建物が続いていて、水洗洋式トイレや洗面台、シャワーもあるのだ。もちろん、敷地内にはプールだってある。

 私の泊まったテントの前は川が流れていて、覗き込んで見たが濁っていて魚とかはわからなかった。

 先に遅い昼食をすませ、それから長旅なので洗濯をしたり、テントの前のデッキチェアで本を読んだりしていたら、それまでの青空が嘘のようにみるみるまに雲行きが怪しくなってくる。やがて、バケツの底をひっくり返したような勢いで雨が降り出し、雷鳴と共に遠くで稲光がするのが見える。そして、その音と光はだんだんこっちに近づいて来る。空を見上げる視界を邪魔するものがないサバンナでは稲光はとても大きく、人間が作り出す雑音のない世界で聞く雷鳴は凄まじい迫力があった。風も強く、テントの入り口のファスナーをきっちり閉めておかないと、風と共に雨が降りこんでくる。サファリの時間が近づいていたので、待ち合わせのレセプションに近いバーに移動するが、そこのテラスも雨が降りこんで水溜りが出来ていた。

 しかし、16時からのサファリドライブが近づいているのに、どうなるんだろう…。