ジャンボ! アフリカ 〜20.いいな、いいな♪異国でのお誕生祝い〜

 

 ところで、話はツリートップスに泊まった日の夜に戻る。

 ここでの夕食は、アンボセリロッジと違って完全なコース形式だった。
 食堂自体も狭いため、長い長方形のテーブルに向かい合って座り、19:30より宿泊客全員で一斉に頂く。まるでハリーポッターに出てくる魔法学校の寄宿生活のようだ。食事を給仕するウェイターさん達も、狭くて次から次へと出てくる料理が配りにくいから、テーブルの真ん中には15センチ幅位の溝があって、その上に台車があってお皿を載せてテーブルの端と端を行ったり来たり出来るようになっている。中華料理の円卓の四角版といったところか?(って、こんな説明でわかるんかい?)

 メインディッシュが終わった頃、突然食堂が真っ暗になる。
 え?何々?アンボセリと違って、ここは24時間電気がつくと聞いていたのに停電?…と思ったら、いきなりキッチンの方から、ロウソクを片手にボーイさん達が賛美歌のような歌を歌いながら出てくる。それから、あるお客さんの所に行くと、再び電気がついて、今度は『ハッピーバースディ♪』の歌を歌いだした!どうやら、そのお客さんが誕生日らしい。
 わ〜、いいなぁ。異国で誕生日、森のロッジでこんな風にお祝いしてもらえるっていうのも素敵だ。
 みんなが拍手する。ボーイさん達は、今度は『ジャンボ』の歌を歌いながら、電車ごっこよろしく前の人の方に手を置いて数珠繋ぎとなり、列を作って、狭いテーブルの前を賑やかに踊りまわる。それからまた違う陽気な歌を歌いながら、キッチンに消えていった。

 あ〜、楽しかった。でも、この日、テーブルがお隣になったのはイギリス人ジェントルマン。目の前にはその御夫人。…なので、テーブルマナーにはえらく緊張してしまった。日本男児ならぬ日本人女児?ヘンなマナーで笑われちゃいけん、とナイフとフォークを持つ手に力が入ったものだ。