翌日1月18日の朝のサファリドライブは6時半からなので、モーニングコールは5時半に頼んだ。でも、ロッジの部屋には時計も、もちろん内線電話もない。んじゃ、モーニングコールはどうするかって?前の晩レセプションに頼めば、ボーイさんがその時間にやって来て、部屋のドアをノックしながら「ジャンボ〜!」と起こしてくれるのだ。
面白くって毎日モーニングコールを頼んだけど、いつもそれより早くに目が覚めていた。(ごめんなさい、ロッジのみなさん)もちろん起きたという確認のため、返事をしないといつまでもノックを続けながら挨拶をする。なので、「ジャンボ〜!」と挨拶を返すが、アンボセリでは慌てて、「はいはい、起きてま〜す!」と日本語で叫んでしまった。
準備を速攻で済ませて外に出ると、日の出前の乳白色に染まった空の中にキリマンジャロがその姿を現していた。
おお〜!今の時期は雪が少ないというが、それでも上の方には見事な万年雪のあるキリマンジャロ、どっしりと堂々とした山容である。富士山も大きいと思ったけど、キリマンジャロの山裾の広さもまた雄大だ。
朝露に濡れたロッジの敷地内を歩きながら、しばしその姿に見とれる。しかも、刻々と空の色は変わっていき、山肌もモルゲンロートを受けて輝いて、少しずつまた違った姿を見せてくれるので、いくら見つづけても飽きない。
6時半、今日も元気よく朝のサファリに出発する。そう、朝食はサファリの後でなのだ。
今日は一路キリマンジャロのほうに向かって走り出す。サファリは、毎回同じ道ではなく、動物に会えるチャンスを求めてあちこち走り回る。その為、ドライバーさんは運転テクニックと共に経験と鋭い勘が要求される。もちろん、車には無線も積んであって、同じようにサファリドライブで走り回っている他のドライバーさん達と連絡を取り、情報を交換することもあるが、最終的にはドライバーさんの勘と視力に全てがかかっている。
そうそう、ドライバーさん達は視力が異常にイイ。よく、マサイの人とかブッシュマンとか、アフリカで放牧や狩猟を生活の糧として暮らしている人の視力は5・0とか6・0とかあるって聞いたことがあるけど、どうやって視力を測るのだろうか?(でも、首都ナイロビではメガネをしている方がインテリジェンスに見えるとかなんとかで、メガネをかける方が流行っているらしい)
もちろん、フレッドさんもさすがマサイ。彼の動物を見つける力には、旅の間何度か驚かされた。
この朝も、はるか遠くの草むらの中に何かを発見!指差し、オオミミギツネがいると言う。でも、私は「え?え?どこ、どこ?」私の肉眼じゃ全然見えない。双眼鏡でのぞいて、ポツンと草むらの中に顔を出している姿がやっと確認出来るくらいなのだ。
それなのに、なんで肉眼で動物がいる、それもオオミミギツネって個体識別も出来るの〜〜〜???(そうそう、カメラは忘れたけど、小型の双眼鏡はディパックの中に入れていて無事で、旅の間大助かりでした。これがなかったら、さらに旅の楽しさが半減するところだった)
車もどんどんキリマンジャロに近づくから、さらに山が大きく目の前に迫ってくる。
今朝もゾウがいっぱいだ。キリマンジャロをバックにしたゾウの姿は絵になる。
それにしても、ゾウは大きな体を支えるために、どんどん草を食べる、食べる。そして、食べながらウンコする…。(爆)旅の間、何度かゾウのウンコ・シッコ、ダチョウのオシッコ、シマウマのオシッコ・ウンコ、バッファローのオシッコと、いくつかの動物の“その瞬間”を目の前に見てきたが、ゾウのオシッコが1番迫力があったです、ハイ。
どんどん太陽が昇ってくるにつれ、光線の角度・強さも変わり、サバンナの色が変わってくるのも面白い。朝日を浴びて金色に輝く草達もきれいだ。自分の拙い文章力ではそこまで描ききれないのがもどかしいくらい素晴らしかった!!
車のすぐ側の草むらには、ホロホロチョウが群れをなしてちょこちょこ走り回っているし、カンムリヅルのカップルが優雅に歩いている。色んな鳥がたくさんいた。
今回、動物については勉強して行ったが、鳥に関しては勉強不足で見てわかったのはカンムリヅル、アフリカハゲコウ、ツキノワテリムクドリ、ハタオリドリ、コサギ、エジプトガン、ホロホロチョウ、ペリカン、フラミンゴ、ダチョウ、ハゲワシくらいだったが、もし次に来る時は鳥についても勉強しておきたいと思ったほどだ。
日中の厳しい陽射しと違って朝の光線はまだ優しい。そんな優しい太陽の光を浴びているゾウ、シマウマ、グランドガゼル、トムソンガゼル、ダチョウ、バッファローや鳥達の姿を見て、さらにはドライブ中キリマンジャロの全貌がずっと見られて、私は満足だった。
2時間のドライブが終わってロッジに引き上げる頃、北の方からグングン迫ってきた厚い雲の中に、キリマンジャロはその姿をすっぽり隠してしまった。
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