今日もいつものように凛ちゃんと一緒に帰ろうと思っていた。

いつもの事だから特に約束とかはしていなかった。

けれど私は急に委員会の仕事が入ってしまったんだ。

凛ちゃんは待っててくれるって言ったけど、委員会がいつ終わるか分からなかったから先に帰ってもらう事にした。

それでも凛ちゃんはしばらく待っていてくれたけど、やっぱり途中で帰ってしまった。

そのすぐ後に、委員会が終わって帰れる事になった。

私はこんな事ならもう少し待っていてもらえば良かったな、なんて思いながら、それでも急いで帰った。

今ならまだ、途中で凛ちゃんに追いつけるかもしれないと思ったから。

思ったとおり、途中の交差点で道の反対側に凛ちゃんの姿を見つけた。

私は凛ちゃんを呼び止め、信号が青になったのを見てから横断歩道を走りだして・・・・・・・

そう、あの時、信号は青だったはずなんだ。だけど横から車が猛スピードで・・・・・・




遠くから救急車らしいサイレンの音が聞こえてきた。

凛ちゃんが呼んだとは思えないから、近所の人が呼んでくれたのだろう。

でも、もう意味の無い事だと思う。私は・・・・・・

・・・・・・もう――――。

・・・・・・・
・・・・・
・・・



数日後、私のお葬式が行われた。

私は確かに死んでしまっていた。でも、今もここにいる・・・

どうやら、私は幽霊・・・になってしっまたようだ。・・・誰にも見えてはいないみたいだけど。

それにしても、私はこれでも一応、倉敷神社の巫女なのに、幽霊なんかになっていいのかなぁ・・・。

まぁ、なりたくてなってる訳じゃないんだけど・・・。

でも、どうしてだろう。私って、そんなに未練がましい人だったけ?

・・・違うか。多分、凛ちゃんの事が気になっているからなんだろうな。

いつも2人一緒だったから、私がいなくなって、1人になってしまう凛ちゃんが心配なんだ。

そう、だよね。凛ちゃんは私が一緒じゃないと・・・。

・・・自分のお葬式を近くで見ているのはとても不思議な感覚だった。

たくさんの人が来てくれた。あやちゃんや葉子さんやさつき。学園の友達もたくさん。

みんな泣いていた。私のために涙を流してくれていた。

私は、その光景を見ながら、少しの罪悪感を感じていた。

皆が悲しんでくれているのに、当事者である私はそれ程悲しんでいなかったから。

むしろとても冷静だった。

私は知っていたから。いつかこうなる事を・・・・・・