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8/6/2001 (Mon)

 今日は幾分過ごしやすかったですね。風が吹くとさわやかで日が暮れると涼しくなりました。私は昨日の登山のせいで足が筋肉痛で、ちょっと歩くだけでもしんどかったですが、毎日の自転車通勤で足に負荷をかけているおかげで、なんとかほぐれてきました。

 研究室旅行ではいろいろなハプニングがあったのですが、中にはハプニングでは済まされないようなこともあったのです。教授の別荘に着いた私達はまず別荘地帯の散策に出かけました。うっそうとした森に囲まれた別荘地帯は、普段の忙しい生活を忘れてリラックスするには最適な場所です。どの別荘も個性的で工夫が凝らしてあります。教授の別荘も陶房を備えていて、本格的な設備が整ってました(教授の奥様のご趣味です)。

 その後、教授が率いるテニス組と温泉組、会場設営組と分かれて、それそれの活動に就きました。私はバーベキューの会場設営に加わり、バーナーを組み立てたり火を起こしたりしていたのでした。ぼちぼち食材を並べられてきたころ、1匹のスズメバチが飛んできたのです。肉食のスズメバチのお目当てはお肉と鮎でしょう。

 しばらくは追い払ったり交わしたりしていたのですが、どうしても鮎にたかってくるので、退治してしまおうと講師の先生が、火起こしに使っていたうちわでパシッとはたいたのです。するとスズメバチにヒットしたのですが、はたいた勢いでスズメバチが私の左足の膝の横に飛んできたのです。

 膝に当たった感触はあったのですが、その後スズメバチの姿が見えません。どこへ行ったのかしばらく探していると、突如、左足の内側のくるぶしの後ろに「チクッ!」と痛みが。あわてて左足の靴を脱ごうとしたとき、そこにスズメバチを見ました。この日、私はウォーキング用にワークブーツを履いていて、作業中はすぐに脱げるように靴ひもを緩めに結んでいたのですが、ブーツと足首の部分にできた隙間に、膝に当たったスズメバチが落ちたのです。

 このようにして、私はハチに刺されてしまったのです。

Picture of the day

別荘 岐阜県白川町にある別荘までは、大学から車で約2時間です。日中はさすがに暑かったのですが、日が陰ると涼しくなります。エアコンは要りません。夜になると肌寒いぐらいです。

 とにかく静かです。夜は、総勢12名がここに泊まりました。空いているときの山小屋の混み具合、のような感じに雑魚寝しました。消灯するやいなや、鼻歌(!?)の大合唱が始まり、なかなか大変でしたが、いつの間にか眠っていました。

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8/7/2001 (Tue)

 今日の名古屋、久しぶりに雨が降って、気温も上がらず過ごしやすい一日でした。朝、今にも降り出しそうな空だったので、急いで家を出て自転車をこぎ出しましたが、途中で雨が降り出しました。少しだけ濡れてしまいましたが、汗で濡れるのと違って気持ちのいいものです。

 さて、スズメバチに刺された私は、とっさに靴下を脱いで毒を吸い出そうと試みました。しかし、刺された場所が同定できないのです。触ると痛いのですが、刺された痕が見つからないのです。そうこうしているうちに腫れてきましたが、ちょっと熱を帯びてはいるものの、蚊に刺されただけでも大きく腫れる私の体質にしては、その腫脹は小さかったのです。足首の自由も利くし、少し痛みを感じながらもバーベキューを楽しみことにしました。

 どうも私を刺したスズメバチは、うちわで叩かれた衝撃で脳震盪のような状態に陥っていたのでしょう。そうでなければ、スズメバチに刺されてこんな軽い症状で済むわけはないのです。子供の頃、アシナガバチに刺されたことがありますが、そのときの方がよっぽど痛かったと記憶しています。したがって、ハチに刺されたというよりもハチの針が触れただけだったのではないかと推察しています。それにしても、ショック症状が出なくてよかったですよ。

 一夜明けて、刺された部位の痛みはすっかりなくなっていたのです。心配だった登山もこれで行くことができます。そこで登山組の3人のメンバーは、朝6時半、大学から別荘までの所要時間以上の時間をかけて、御岳登山口へ向かいました。

Picture of the day

ギフチョウ?? 御嶽山の継子岳(ままこだけ)山頂で天然記念物のギフチョウを見ました。つがいで優雅に飛んでいるのです。大型できれいなチョウです。おにぎりを食べる手を止めて、思わず見とれてしまいました。

 ズームでできるだけ接近して左の写真を撮りました。私のデジカメは3倍のデジタルズームが可能ですが、やはりデジタルズームでは画質が落ちます。

 御嶽山は高山植物の宝庫でした。といっても、私は高山植物の名前をよく知らないので、名前がわかったらここで紹介することにしましょう。

 ところで話は変わりますが、明日は「DRIVEN」の試写会です。実験を早く切り上げて、行ってきます。

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8/8/2001 (Wed)

 今日は「DRIVEN」の試写会に行ってきました。シルベスター・スタローン主演のレースアクション物です。この夏の目玉映画のひとつに挙げられる、100億円をかけたというその映画は、前回の「パールハーバー」と同様、レースシーンは迫力があってまさに手に汗を握りましたが、ストーリーがちょっと無茶かな、と思ってしまいました。バート・レイノルズがとても渋くてかっこよかったです。

 さて、登山の話です。研究室旅行参加者、総勢12名のうち、登山組は3人でした。このぐらいが動きやすくていいのです。朝5時半起床、6時出発、8時には登り始めている予定で行動していました。せっかくだからお茶でも飲んでいきなさい、と教授の奥様が特製のハーブティーを入れてくださったので、発車態勢が整いつつある私達は呼ばれていくことにしました。

 6時半、別荘を出発した私達は、30分ほど走ったところにある道の駅で朝食とトイレ休憩を取ることにしました。ここで、講師の先生が、財布、携帯、免許証が入ったウェストポーチを別荘に忘れてきたことが発覚。お茶に呼ばれたときに外して、そのまま来てしまったというのです。すぐに別荘に電話を入れて、道の駅まで持ってきてもらうことにしました。

 気を取り直して、登山口のある「チャオ御岳リゾート」へ向かいました。岐阜県高根村にあるチャオは、冬はスキー場になります。私が名古屋に越してきたとき、盛んにCMをやっていました。御嶽山北側斜面にゲレンデが設けられ、ゴンドラに乗って山頂駅まで行くと、すでに標高2190 mに達します。御嶽山北端のピーク、継子岳(ままこだけ)への最短ルートとなります。

 いろいろなハプニングがあって、結局登り始めたのは11時になってしまいました。

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継子岳頂上より

 継子岳山頂(2859 m)から御嶽山最高峰、剣が峰(3067 m)を臨みます。中央に見えている峰が剣が峰です。継子岳山頂からは尾根づたいに片道2時間ぐらいかかります。写真ですと遠近感がなくなってわからないのですが、右へ左へ尾根が大きく蛇行している様子が、まるでは虫類の背中のようでした。

 継子岳頂上は360度の大パノラマが広がります。中でも乗鞍岳の山容は圧巻です。3000 mの標高がありますから、汗をかいた身体には寒いぐらいでした。

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8/9/2001 (Thu)

 最近、実験の話をしていませんが、発現ベクターの構築は継続していて、培養細胞を用いた発現チェックでは、発現したタンパク質が見事なくらいに核への局在を示しています。しかしながら、そうでないものもあって、ベクターを作っては捨てることの繰り返しが未だに続いています。それでも、うまくいかなかった何ヶ月間のことを考えると、少しは進歩しました。でも、これもまだまだ準備段階に過ぎません。

 ところで、継子岳登山では、2度もライチョウを目撃しました。話に聞くと、御嶽山域のライチョウは絶滅の危機に瀕しているとか。チャオ御岳リゾートのゴンドラ山頂駅から伸びる継子岳登山道は新しい登山道です。おそらくチャオと同時に開かれた登山道ではないかと思われます。今までは人が入ることがなかったエリアに道がつけられ、ライチョウもさぞ迷惑しているでしょう。

 大きさはハトに近いでしょうか。ウズラをひとまわり大きくしたような雰囲気で、飛べない代わりに山のがれ場を器用にちょこちょこと歩きます。産卵期には1日1個ずつ、計4個から5個の卵を産み、抱卵するわけですが、不思議なことに、同時に孵化するといいます。卵ひとつひとつの成長具合をライチョウはちゃんと知っていて、それぞれの卵を温めるのを微妙にコントロールしながら、孵化時期を同期化するのです。

 不思議ですな。

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イワギキョウ イワギキョウの花です。継子岳山頂付近で撮ったものです。他に、コマクサ、チングルマ、イワカガミ、コメススキ、コバイケイソウ、などなどの高山植物が群落を作って自生しています。栽培して植えられたものではありませんでした。

 これらの高山植物も写真に収めてきましたが、私の知識では花と名前が一致しないので、おいおい載せていくことにします。

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8/10/2001 (Fri)

 完成した発現ベクターを大量に調製するために、その発現ベクターを持っている大腸菌を増やす必要があります。この大腸菌の種は-80度のディープフリーザーに眠っているので、それを滅菌したつまようじの先でちょっと突っついて培地に接種してやればいいのですが、いきなり大量の培地に接種しても増殖の効率が悪いので、少量の培地に接種してやり、これをスターターとします。

 このスターターがいい頃合いになるまで待たなければなりません。そのため、今日は1日ヒマでした。空いている時間をどう使うか、これにはなかなか苦労します。名古屋に出て、スターバックスにでも行きたいところでしたが、余計な出費をしてしまいそうな予感がしたのでやめました。日曜日には京都に行く予定があるし、お盆には三重県美杉村に行くことになっていますし、そのあと私用で埼玉に行くので、ここで財布のひもをしっかりしめておく必要があるのです。

 ヒマな時はどうするか。ひたすらパソコンのディスプレイを見つめるような作業で時間をつぶします。といってもゲームをするわけではありません。文献検索。普段からあまり文献を読まない私は、こういうヒマな時間を使ってまとめて文献検索をして、文献を大量にダウンロードしてはプリントアウトしています。競合している研究グループが「げっ、こんなところまで進んでいる!」と気付くこともあって、スリルを感じることがあります。

 実際のところ、このような検索の頻度ではいけません。普段から検索して常に最新情報をキャッチすることが必要なんですが・・・。読むのは英語の論文で、眠くなるんですな。

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スイカ 教授の別荘にあった"かめ"にスイカが2つ冷えてます。夏といえばスイカです。とはいえ、ひとり暮らしをしているとスイカなんて丸のまま買うことはまずありません。それに、必ず食べなければいけないというものでもないので、私はスイカを買ったことがありません。

 高校の時、生物の授業中、先生が話してくれた「種なしスイカの作り方」を思い出しました。薬剤処理で(染色体が)4倍体の個体を作出し、これと2倍体を交配すると3倍体が得られますが、3倍体は減数分裂が正常に行われないので種子が形成されない、という話です。これを聞いて私は異様に興奮しました。「おー、すげえことができるんだなぁ」という感じで。

 今の仕事をしていることは正解だったな、と思います。

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8/11/2001(Sat)

 昨日の天気予報では午後から雨になるということでしたが、今日は朝から快晴になりました。気温は高そうでしたが、湿度が低いのか、爽やかな風を感じながら研究室に来ました。昨日から大量培養している大腸菌を遠心分離で回収し、それからプラスミドのアタリハズレのチェック用の大腸菌も振盪培養器から下ろし、それぞれを冷蔵庫に入れて、名駅に出ました。

 今日はスターバックスへ行くことにしていました。8/2の名駅サンロード店でのテイスティングパーティー以来、行っていなかったからです。あれから1週間以上も経ってしまいました。というわけで、ちょっとあいさつを、というわけでもないのですが、今日はサンロード店に行くことに決めていたのです。アイストールヘーゼルナッツアメリカーノでメープルオートナッツスコーンをやっていると、先日のバリスタさんが近寄ってきて話しかけてくれました。

 私を覚えていて下さったことに感激。私はスタバに行くときはいつもタンブラーを持参するので、「タンブラーの客」という刷り込みが効いていたのかもしれません。が、テイスティングパーティーは、客とバリスタさんとの距離を縮める絶大な効果があるのです。これは参加しない手はありません。

 そんなこんなで気分を良くした私は、ショートモカフラペにショットを追加したのを飲み干して、サンロード店をあとにしました。そして研究室に戻り、いつもの実験を始めました。今日のようなタイムコースなら、平日のテイスティングパーティーも仕事を抜け出して行けるな、という計算をしつつ。

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5周年ポストカード スターバックス5周年記念のポストカードです。1枚はテイスティングパーティーのおみやげ、もう1枚はその後、バリスタさん直筆で送られてきたものです。

 5年前の8月、私は何をしていたでしょうか?銀座松屋通りにスターバックスなるコーヒーショップができたことなど知らず、必死になって実験していたことでしょう。博士論文の提出期限をあと半年後に控え、第4章のデータがようやく出始めた頃でした。

 毎日忙しく実験してましたねぇ。そんな状況は、今もそれほど変わってはいないのですが、自分で稼げるようになってからは、ドトールがスタバに変わりました。

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8/12/2001(Sun)

 今日の名古屋は、朝から雨模様でした。けっこうまとまった雨でしたが、いつ頃から降っていたのでしょうか。今日は京都へ行く予定でしたので、私は仕方なく傘をさして家を出たのでした。JR名古屋駅は朝から大変混雑していました。大きな荷物を抱えた人が多く見かけられたのは、これからふるさとへ帰省する人が多かったからでしょうか。

 帰省ラッシュは昨日がピークだったとニュースで報道していましたが、東海地方は大変なことになっていたようですね。11日夕方、愛知県を中心に局地的に激しい雨が降り、東海道新幹線は掛川-豊橋間で運転を見合わせ、帰省ラッシュで混雑している中、ダイヤが夜遅くまで乱れたとのこと。在来線や名鉄でも一時、運転がストップされ、新幹線を含めて約62000人に影響が出たそうです。

 そんな事態になっていたとは全く知りませんでした。今朝の東海道新幹線は通常どおり動いていました。私が乗ったひかりはほぼ満席でしたが、東京を早朝に発つ列車であるためか、思っていたより混んでいませんでした。私は指定席車両のデッキに立って、文庫本を読んでいくことに決めていました。発車するとすぐに雨は止みましたが、さらに関ヶ原を過ぎた頃、青空が広がり爽やかそうな景色が広がっていました。これは、濡れた傘を持って歩くのは恥ずかしいなぁ、と思ってしまいました。

 京都では、今日は平安神宮の辺りを歩きましたが、いつもは肩がぶつかり合うほどの休日の人通りが、今日はウソのように滑らかでした。なにしろ、帰りの新幹線は、自由席の方が指定席よりも空いているほどでしたから。

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有喜屋 先斗町に本店があるそば屋「有喜屋」のステッカーです。関西はうどんのイメージが強かったのですが、ご覧のとおり有喜屋はもう70年以上もそばを出しているのですね。もちろん手打ちです。

 今日食べた「有喜天そば」は生卵と納豆がトッピングされて珍しかったのですが、この両者がホイップされていて、実はこれがつらかったのですよ。でも、そばは腰があっておいしいです。

 今日はスタバにもイノダにも行きませんでしたが、御幸通り沿いにある「プレリュード」という喫茶店に入りました。ここは、壁一面に洋画・邦画のチラシやポスターが、古いものからつい最近のものまで貼られていて、映画好きにはたまらない店だと思います。コーヒーも美味しかったので、探して行ってみてください。

 
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