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6/18/2001 (Mon)

 今日はProgress Reportがありました。研究の進捗状況報告会です。毎週月曜日の午前中に開かれ、1回に1人ずつのペースで順番が回ってくるのです。私にとっては今回が2度目。1回目はちょうど2カ月前にことでした。研究は2カ月でどのぐらい進むのか、といいますと、私の場合は思ったよりも進んでいませんでした。昨日、自分のデータを整理してみて、まだまだ全然だなぁ、と思いました。毎日毎日大腸菌を培養してはプラスミドを抽出して当たりを探します。明日からは今まで以上にペースを速くし、できるだけ無駄な時間を作らないように洗練された実験計画を立てて実験を行っていく必要があります。

 とはいえ、今日のところはまず寝るに限ります。昨夜はProgress Reportの準備で夜更かししました。結局何時に寝たのか覚えていません。ということで私は寝ます。研究のことは明日以降に改めて考えることにして、まずは睡眠を取っておくことにしましょう。では、今日のところはこれまで。

Picture of the day

愛知用水 昨日に引き続きまして私の身の回りの風景を掲載してみました。昨日の濁池から200 mほど西の方へ歩いていきますと、写真のような用水路があります。愛知用水です。愛知用水がそのような経緯で建設され、実際に何に役立っているのか調べてみないとわかりませんが、写真のように2流路ある愛知用水は南へ、写真では背後の方へ、豊富な水をたたえながら音もなく流れていきます。

 昨日もNHKスペシャルで東海地方を襲った豪雨のことをやっていました。どうやら都市の排水能力の破綻が大水害に結びついたとしています。この愛知用水は去年の豪雨のときは、どうだったのでしょう?ちなみにこの写真を撮影している地点は、私が通勤する経路の中でもっとも標高の高い地点です。

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6/19/2001 (Tue)

 今日は朝からどんよりとした天気でした。まさに梅雨の空です。天気予報では午後から大雨と言っていたので、とりあえずベランダの洗濯物を部屋に干して出かけました。それにしても、身体にまとわりつくような湿度と南風でした。大学に行くには南へ向かいますので、坂道を上がるのがことさらしんどく感じられました。

 今週はすこ〜しだけヒマなのです。といっても毎日のルーチンワークはするのですが、新たに発現ベクターを構築して大腸菌で増やすという作業がありません。ベクターに挿入するためのDNA断片を作るプライマーを発注したばかりで、これは金曜日にならないと届かないのです。今週はすでにトランスフォームさせた大腸菌のスクリーニングをして当たりを見つける作業(これがルーチンワーク)、それから当たりと思われる大腸菌を大量培養してプラスミドを回収し、そのプラスミドが発現ベクターとして機能するかを哺乳動物細胞に導入してチェックします。

 ベクターが持っている目的の遺伝子の発現が確認できたら、次にES細胞に似た特殊な細胞に導入して、目的の遺伝子が発現して機能を発揮するかどうかをチェックします。そこまで済んでようやく、ES細胞に導入するかしないかを決定することができるのです。したがって、苦労した甲斐もなく、実験に使われなくなって冷凍庫に眠ることになる遺伝子もあるわけですが、やっとこの段階まできたかぁ、とちょっとうれしかった一日でした。

Picture of the day

愛知用水2 昨日の写真から、愛知用水に沿って少し上流へ歩いてきたところの写真です。大学から帰るときは愛知用水に沿ったこの道を通っていきます。大学へ行くときには通らないのかというと、平日の明るいうちは通らないようにしているのです。なぜならここは、関係者以外立入禁止になっているからです。

 したがって、夜、帰るときにだけ通るのですが、電灯がないので歩いて通るのは気が引けます。その上、立入禁止で一般の人は通らないことになっているのにもかかわらず「暴漢に注意」の看板があるのです。何か起きても発見が遅れるでしょうね。そして私が疑われるかもしれません。

 ですからほんとうは通りたくないのですが、真っ暗で物騒なのですが、車が通らないので、安全なのですよ。うーん、安全なのか危険なのか?

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6/20/2001 (Wed)

 毎週水曜日の午前中にはJournal Seminarがあります。専門雑誌から興味深い論文や最もホットな話題の原著論文をその週の担当者がダイジェストするというものです。今日は教授の担当でした。セミナーがあると午前中つぶれるので、その日の仕事は午後からということになります。

 研究室のスタッフは教授1人、講師2人、助手2人、私を含むポスドク2人、パートの秘書さん1人で構成されています。この8名が常に研究室にいるメンバーです。このうち、1人の講師と2人の助手の年齢はみなそれぞれ私と数ヶ月ずつしか違いません。皆、それぞれ出身大学も出身学部も異なり、専門分野も少しずつ違い、またいろいろな経緯を辿ってこの研究室にいるのです。

 2人の助手のうち1人は医科研にいたこともあって、もしかしたら私と構内でニアミスしていたかもしれないと時々話が盛り上がったりするのですが、その先生が先日の総長の日にスターバックスに初めて行ったそうなのです。行った店舗は三井住友銀行名古屋ビル店で、CODがおいしかったのだそうです。で、先週の日曜日はプリシード栄4丁目店に行き、そこでは初めてカプチーノを飲んだそうで、これがお気に召したとみえます。

 「それじゃあ先生、今度はプレスで淹れたコーヒーを飲んでみてください。」

 CODとエスプレッソベースのドリンクを飲んだからには、プレスで淹れたコーヒーの味を知ってもらわなければなりません。ちょっと古くて先生には申し訳なかったのですが、自宅の冷蔵庫に寝ていたアラビアン・モカジャバを研究室に持っていき、コーヒープレスの変わりにティーサーバーで淹れてみました。豆が古いとはいえ、明らかにいつものコーヒーとは違うコーヒーは、香りのピークは過ぎてはいますが、キッチン中をコーヒーの香りで満たすに十分でした。やや粉っぽいそのコーヒーに、うなずいていました。京都は宇治出身で、緑茶にはうるさいその先生は満足げでした。

 次はラテで攻めるか。

Picture of the day

工事中

 愛知用水沿いを通って家に帰りますが、そこは関係者以外立入禁止であるばかりでなく、緑地化工事や住宅地造成の工事現場なので、その周辺一帯が立入禁止区域なのです。したがってほんとうは通っては行けないのですが、近所の方々はみなイヌを散歩させにやってきます。工事現場の人達も黙認しているようです。

 宅地化していることもあり。道路はすっかり舗装されていて、下水道も張り巡らされています。ただ、電柱は立っていても電線が張っていなかったりするのです。すっかりできあがっている道路のあちこちに、写真のような柵がつけられ、通行を制限しています。

 しかし、どの柵にも、そのどちらか一方に人が1人通れるほどの道が踏み固められています。これはイヌを散歩させる方がつけていった道で、私もありがたく通らせていただいてます。

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6/21/2001 (Thu)

 まいった。まいりました。実験がうまくいきません。もう今日は疲れ果ててしまいました。今日もいつものように大腸菌からプラスミドDNAを抽出し、いつもの手順でアタリがあるかどうかを調べました。が、全部ハズレ。これでいくつDNAを抽出したことでしょう。そしていくつ捨てたことになるのでしょう。研究費の無駄遣いです。いや、時間の無駄遣いの方がきついのです。これで2週間は仕事が遅れています。この調子だと、明日抽出する予定のプラスミドにもアタリが入っている可能性はかなり低いと考えられるのです。まいった。

 明日は、先日外注したプライマーが納品されるはずです。これでさっそくPCRを行ってベクターに組み込むDNA断片を調製し、また1からプラスミドDNAの作製を始めることになります。あああ、やることは山ほどあるのに、仕事は先に進みません。

 というわけで、今日は心身ともに疲弊しきっているので、本文はここまで。うう。

Picture of the day

 私が通る工事現場には、写真のようにジャングルのようなところがあります。雑木林のようで、まだ若い1 mぐらいの背丈のマツが生えていたりします。これは植林によるものとは考えにくい生え方なので、けっこう自然に近い、あまり手が入っていない雑木林です。その脇で宅地造成が行われていて、おそらくこの雑木林も開発の牙にかかってしまうのでしょう。

 工事が完了して、あるいは道路だけでも開通すると、私は大変便利になるのですが、工事は遅々としてはかどっていません。きっとけっこうな交通量になると思います。とくに競馬開催日にはすごいことになりそうです。中京競馬場がすぐ近くになるので、路上駐車で大変かもしれません。

 ところで、「ヤッパいちばん!東海テレビ」でクイズの景品になっていた「ヤッパくんタンブラー」。あれが欲しいです。

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6/22/2001 (Fri)

 今日は下に示したように、実験がちょっとうまくいきました。ま、酵素反応を機械にまかせて連続して行っているので、反応条件さえよければ間違いなくうまくいくのですが。いつもの条件でいつものように反応させて、いつもと同じ結果が出ましたから、それはそれで喜ばしいことです。実験結果からその普遍性を語るには、まず実験の再現性がなければいけませんからね。

 さて、実験がうまくいったところで、明日はまたまた三重県美杉村へ行ってきます。以前、お茶摘みに行ったところで、彼女の親戚が住んでいるところです。今回は畑仕事。天気が心配ですが、川が流れ空気の澄んだ田舎へ行くには、まさに絶好のタイミングです。これでリフレッシュして実験に取り組めそうです。晴れていれば、ちょっとこの辺では見えない星空がそこにはあります。今はホタルが出ているようです。

Picture of the day

PCRの結果 今日も工事現場の写真にしようかと思いましたが、やめました。今日はアガロースゲル電気泳動像です。今日のPCRの結果です。ここまではうまくいくのですよ、何度やっても。再現性があって、なかなかいいことです。白く光っている「バンド」は、PCRと呼ばれる一連の酵素反応によって増幅されたDNAです。強く光っているほどDNAの量が多いと考えられます。今まで実験がうまくいってなかったのは、量の問題がいちばん大きいと考えられるので、今日のこの結果で、このぐらい光ってくれれば、この先ちょっと見込みあり、と考えております。

 ここからは同業者の方むけ。このPCRはInvitrogen社のPfxという酵素で行いました。しかも最近流行しているPCR enhancer solutionという謎の添加物を2xにして、やっとこれだけの増幅が得られました。したがって、非特異バンドが多いのはしかたありません。各断片はそれぞれあるファミリーのメンバーのひとつひとつで、たいへんGCリッチで、通常のPCRではまったく増幅できないのです。

 それでも、レーン5、7は目的のバンドが増幅できていないのです。これらはQiagen社のHotStarTaqをQ solutionというこれまた謎の添加物を加えることによって増幅することができます。何か他にいい酵素があったら教えていただきたいものです。

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6/23・24/2001(Sat・Sun)

 6/23から1泊で三重県美杉村に行ってきました。彼女の親戚の田舎のお手伝いです。前回の茶摘みに続いて今回はタマネギとジャガイモの収穫と庭木の剪定などなど、でした。仕事の方は、ES細胞を凍結してしまったので、この週末は研究室に行く必要がなし。というわけで、久しぶりに完全オフの週末を農作業をして過ごしたのでした。

 23日はあいにくの天気でした。名松線で揺られていると雨が降り出しました。雨が降ると畑がぬかるんでしまうので、農作業はできなくなります。田舎のお家には午後1時頃には着きましたが雨はときどき強く降りだし、農作業はやはり中止に。それでも時間がもったいないので、名張市の大型スーパーに買い出しに行くことにしました。名張市へは国道368線で40分ほどかかるでしょうか。途中で奈良県に入るせまいせまい山道があります。民家もまばらな山間地ですが、近鉄名張駅からはるばるバスがやってくるのです。あのバスに乗ってのんびりと来るのも旅情があるでしょうね。

 名張から帰ってきた頃には雨も止んでいたので、夕食まで庭木の剪定を枝切りばさみでザクザクやって一汗かいた後、今度は名松線伊勢八知駅の近くにある「火の谷温泉」に行きました。大きな旅館が何軒かと「Fire Valley」と名付けられた小さな遊園地と、地ビールの工場などがある温泉地ですが、シーズンにはまだ早いのか人もまばらでした。夏になるとハイキングやキャンプ帰りの入浴客で賑わうそうです。

 私と彼女、そして彼女のお母さんは、普段は使われていない離れで寝起きすることになっています。今回は柴犬のしばくんも一緒に来ていました。夜、3人でしばくんの散歩に行きました。田舎の夜は真っ暗かと思うと、その分、電灯や遠くの自販機の光で意外と明るいのです。緩やかに谷に向かって水田が段々に作られています。谷底は川になっているという地形です。その川の方へ降りていくと、両側の水田に、私が今まで見たことのない光景が広がっていました。まるでスパンコールが暗闇の中でまたたいているように、ホタルの光が無数に広がっているのでした。ときどき、そのひとつの光がゆっくりと飛び上がったりするのです。目が慣れてくると、遠くの光も見えるようになりました。雨上がりで気温が低いせいか、飛ばずにイネや畦道の草の葉にホタルがとまっているのです。そのホタルの光がゆっくりと点滅する光景は幻想的でした。

Picture of the day

ジャガイモ収穫 本日収穫したジャガイモです。今日は天気もよく日に焼けました。気温もずいぶんと上がって、こんなに汗をかいたのはここ数年ないというぐらい、汗だくになりました。今日はこの他にタマネギを収穫しました。ジャガイモは泥を乾かすために日陰干し、タマネギは連日の雨で葉の部分がズルズルになっていたので日向に置きました。

 ジャガイモは地下茎、と中学理科で習ったように、そのイメージどおりにジャガイモは土の中に埋まっていて、茎を土からうまく引き抜くと、まるまるとしたジャガイモがぶら下がってきます。土をかき分けると、地下茎が切れてしまったジャガイモが顔を出します。うれしい瞬間です。

 タマネギは頭を土の表面に出した状態で太っています。これは初めてみたので意外でした。葉の部分をつかんで揺さぶってやると、これもまるまるとしたタマネギがゴロッと出てきます。

 明日は筋肉痛かもしれません。

 
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