熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

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2023年09月22日(金)
 工房着:午前9時45分  作業開始:午前10時05分−作業終了:午後3時40分
 工房の気温:26度

 今日はドンヨリとした天気で時々雨が降る一日でした。畑作業はしないで、まずはLEDのロング管を交換しました。ここで照明器具に問題発生です。これまでのLEDは所々切れていて、最近はチカチカとしてついに1本点かなくなったわけですが、今日交換したら昨日点かなくなった側がやはり点きませんでした。勿論、昨日購入したものは生きている側で点灯することを確認しました。どうも電線に問題があるようで、1本は完全に点かなくなったようです・・・。

 以前蛍光灯だった物、これがコンデンサーが壊れたので電気屋さんにお願いして直結にして貰いLED化しましたから、その配線の何処かに不具合があるようです。最近はLED化をお願いした『埼玉の村の鍛冶屋』さんの工房隣の電気屋さん来ないことが多いので、来たときには見てもらおうと思います。
 新しいLEDは1本でも充分明るいので1本は予備にしても良いかもしれないです。

 10時半頃から鍛冶作業に取り掛かりました。今日は『猫手』2セット(10個)の製作です。厚さ1.2mmのガリバリウム鋼板を素材にします。10個分を切り出して、成型してからまずは亜鉛・アルミ合金のメッキを焼き切る作業からスタートです。炎色反応を見る事が出来ます。綺麗な水色です。

 
メッキを焼き切る 綺麗な炎色反応                 焼き切ると白い粉状の物が残ります

 メッキを焼き切ると鉄板の上に白い粉状の物が残ります。これをワイヤーブラシで落として鍛造開始です。鍛造と言っても形を作っていくだけです。計算では1つを仕上げるのに30〜40分という感じです。

 形を作り終えたものはもう一度ワイヤーブラシを掛けてやり、刃付けをして黒染めです。今日は作って居て指状の治具を作っておこうかと考えました。いずれ制作しようと思っています。

 
作品No.1663〜1667 『猫手(A)』                 作品No.1668〜1672 『猫手(B)』

 『伊蔵さん』からは2セットの依頼ですからどれを使っても良いのですが一応『A』・『B』に分けて『A・B』を刻印して分け、親指〜小指に1〜5の数字を刻印しました。

 お昼頃に電話がありました。久し振りに『京雀さん』からでした。2021年の4月にアメリカに忍者資料館を開設するのに協力したことがありますが、その依頼者『ノルベルトさん』が来日中と言うことで、熊公の身体の調子を気に掛けて下さっていると言うことでした。アメリカの方にも心配して貰えて本当に感謝です。まだ時々血尿が出る事がありますから、95〜98%位元気になっていると伝えて貰うように頼みました。

 工房に来たがっているようですが『京雀さん』に通訳して貰わなければ訳分からなくなります。『京雀さん』は現在動けないようなので、次の来日の際に時間を調整することになりました。英語が話せることはこれから重要ですね・・・。熊公はまったく駄目です・・・。名古屋の次男は英語はまったく問題無く、会社の出張で一人外国に行き、英語でプレゼンテーションをしてくる奴です。なんだか自分の息子とは思えないです・・・。この前来たとき「英語で考えるようになっている」 と話していました。まったく凄い奴です。(^^)/ 
2023年09月25日(月)
 工房着:午前9時50分  作業開始:午前10時10分−作業終了:午後2時40分
 工房の気温:23度

 『秋分の日』が過ぎました。いよいよ夜の方が長くなる時季です。夕暮れが早くなるのはなんとも憂鬱な気持ちになります。
 『暑さ寒さも彼岸まで・・・』 ここ数日はクーラーに御世話にならなくても良かったです。しかし、今週半ばからはまたまた暑くなると言うことです。目の前に10月が来ているのに・・・。

 今日からは『伊蔵』さん依頼のU期分の忍具の制作に取り掛かります。U期は4種 9点の制作です。その中に今まで作ったことの無いものが有ります。勿論、似たような物は製作したことありますが・・・。それは『鉄輪八方手裏剣』と『腸抉付十字手裏剣(錨型十字手裏剣)』です。
 八方手裏剣の方は中央部分が直径40mm位の鐶になって居るものです。
 十字手裏剣の方は以前『錨型十字手裏剣』として作った物に似ていますが、より刺突性がある感じのものです。
 両方とも『伊蔵』さんがイメージの写真を送って下さったので、図面を起こしていました。今日はこれを使ってアルミ型を作ります。

 アルミの型ですからそれ程時間は掛からないだろうと軽く見て居ましたが意外と時間が掛かりました。

 
  『鉄輪八方手裏剣』                       『腸抉付十字手裏剣』

 八方手裏剣のアルミ型には車輪のスポーク状の物が付いて居ますが、これは制作時の基準になる放射状の線と中心をハッキリさせるため残した物です。結局、このスポーク状のものを削り出すのに時間が掛かった感じでした。
 これまで『八方手裏剣』は何枚か作って来ましたが、その際に刃の角度が刺突性に大きく関係あることは分かっていました。この形状の八方手裏剣で有れば良く刺さるものと思います。問題は中央部分です。一発で穴を開けるのであれば40mmまで開けられる『ステップドリル』を買って使えば良いわけですが、2万円位する代物、『伊蔵』さんはその費用も負担すると言ってくれていますが、熊公としては3mm位のドリルで鐶の内側に内接するように穴を開けていき、鏨で切り出す方法が良いかと思っています。切り出しの際に外側に歪みが出ないようにするには、中央に現在開けられる最大の径の20mmの穴を開け、ルーターで2〜3ヶ所V字に切れ込みを入れて、外側に負担が掛からないようにして切り出す事を考えています。上手くすればルーターである程度切り出せるかも知れないですね・・・。

 これまで作ってきた八方手裏剣は厚さ6mm 幅75mmの鋼板を八角形に打ち出して作って来ましたが、対角の長さが今回は110mm有ります。この素材では打ち延ばせないと考えています。そこで厚さ12mmの物で60mm角に切り出したものを打ち延ばしていこうかと思っています。いずれにしろ切り捨てる部分は多くなってしまいますね・・・。

 『腸抉付十字手裏剣』の方は『武蔵流十字手裏剣』を打つ感じにして少し長めの十字を作り、先端を打ちつぶして『腸抉』を作り出そうと思って居ます。これは伊賀で行われた最後の手裏剣大会の際の1位の商品として作った『錨型十字手裏剣』の作り方にならえば良いかと考えて居ます。

 アルミ型を作り終え素材の検討や作業の手順なんかを考えて居たら2時半近くに成っていました。畑に牛糞堆肥を撒いて耕作して畝立をしようかと思いましたがなんだか時間が中途半端なので帰路に着くことにしました。

 明日は『鉄輪八方手裏剣』を鍛造してみようかと考えて居ます。
2023年09月26日(火)
 工房着:午前10時10分  作業開始:午前10時30分−作業終了:午後3時45分
 工房の気温:25度

 今朝は少し家を出るのが遅くなりましたが、それでも10時前には到着出来る予定でした。ところが、新大宮バイパスでいつもとは違う場所で渋滞に遭いました。一つ目は『西浦和地下道』の手前でした。これは地下道入り口に軽自動車が故障して止まっていたためでした。次は『三橋五(北)』近くでした。これは途中に倉庫のような所が有るのですが、此処のもの凄く狭い駐車場にトレーラーが入るため、何度も何度も切り返しをして道を塞いだためでした・・・。それにしても良くあんなに狭い場所にあんなに大きなトレーラーを駐車させることが出来るなと感心してしまいました。

 工房に着いて今日はまずは畑の作業から始めることにしました。牛糞堆肥を撒き耕運機を掛け、師匠にお借りしている畑側だけ畝まで立てることにしました。付属農園側は堆肥を入れて耕すところまで行って畝は立てませんでした。耕した後昼食を摂り、その後畝立をしました。畝立ての後はシシトウ・甘唐辛子・鷹の爪・シソを収穫しました。終わったのは1時半近くに成っていました。
 広く間の開いているネギの畝の間に1本畝を立てました。ここには何を植えようかな・・・。

 
師匠にお借りしている畑                     工房付属農園 東西の畑

 今日は湿度が低く畑作業で汗はタップリかきましたが、しのぎやすかったです。一旦身体を冷やして1時半過ぎから『鉄輪八方手裏剣』の鍛造に取り掛かりました。

 素材はS45Cの厚さ12mmの鋼板から50mm角の物を切り出しました。まずはこの素材を八角形に打ち出し、それを打ち広げて行くことになります。

 
  50mm角の素材                        まず八角形に打ち出す

 
少しずつ打ち広げて行く                      焼き鈍しを掛ける直前

 大体上の写真のように鍛造して行きます。昔の鍛冶職人(忍)がこのように鍛造したかは分かりませんが大体こんな風にしたのでは無いかと考えて居ます。ただ、切り捨てる部分が多いからもっと別の方法があったのかな・・・? 昔の人がどなこと考えて作業したか考えながら鎚打ちするのは面白いです。

 今回は素材取りドンピシャでした。これを試作品として手元に置こうかと考えて居るのですが、そのまま本番として送る事も出来そうな感じです。

 明日は近所のいつも使っている信用金庫の支店が来年閉店してしまうので、借りている貸金庫の解約手続きに行かなければなりません。その為、明日はお休みです。
 この支店、本当に使い勝手良かったのですが、駅近くの支店と統合されちゃうことになりました。『ATM』を残して貰いたいのですが、残さないと言う話です。(-_-#) 近所の人達と残すようにお願いはしているのですが、おそらくは駄目でしょうね・・・。ただ、信用金庫で有れば何処の信用金庫でも出し入れ出来ると言うこと、営業時間内であれば手数料も掛からないと言うことです。簡単に車で行ける信用金庫があるから、そこを使うことになるのかも知れないです・・・。また、年金の受け取りは年金に限って郵便局でもおろすことが出来ると言うことも聞きました。今まで知らなかったことです。
 それにしても、『ATM』だけで良いから残して貰いたいものです。(^人^)

 明日は午前中一番に信用金庫に行き、その後は床屋さんに予約を取りました。『鉄輪八方手裏剣』の仕上げは木曜日です。白菜やブロッコリーなどの苗の植え付けもしようと思って居ます。暑さが戻ってくると言うことですが、溶けてしまうようなことはないでしょうかね・・・?
2023年09月28日(木)
 工房着:午前10時10分  作業開始:午前10時30分−作業終了:午後4時15分
 工房の気温:26度

 今日は工房行き掛けにブロッコリーなどの苗を買っていきました。残念ながら白菜の苗は売り切れていました。無いと困りますから、明日別のホームセンターに寄って購入する予定です。ホームセンターは2つ有りますが、1つは10時オープンなので明日は工房に着くのが遅くなりそうです・・・。手前のホームセンターは早くから開いているので、そこに有れば良いですが・・・。

 まずは購入した苗の植え付け作業をしました。この時季アブラナ科の植物には青虫が付きますから1ヶ月ほど毒野菜になって貰います。オルトランを根の下側に撒いて植え付けました。更に、散水後、忌避剤を撒いてやりました。
 植え付けた後はシシトウと甘唐辛子を収穫しました。今日もかなり収穫出来たので、半分にしてケーキ屋さんに届けることにしました。

 畑作業は11時半頃に終了しました。ここのところしのぎやすい日が続いていましたが今日はまたまた真夏日でした。真夏日の記録、今年は今日で90日目ということです。作業着が汗でグショグショになりました。
 早いお昼を食べて、身体を冷やして、12時頃から『鉄輪八方手裏剣』の成形作業に取り掛かりました。今回の作業のポイントは中央の内径40mmの穴開けです。

 
ブロッコリー・芽キャベツ・サニーレタスの定植         φ3mmのドリルで内接するように穴開けをする

 上の写真のようにφ3mmのドリルで予定する 40mmの穴に内接するように穴を連続して開けていきました。昨日はここから鏨で切り出そうかと考えて居ましたが、今日は弓鋸(糸鋸)を使って切り出す事にしました。

 
弓鋸で少しずつ切り出していく                40分位でやっと切り出せました

 弓鋸(糸鋸)で切り出すのはやはり時間が掛かりました。熊公の持っている物はもの凄く細い物なので途中で数回切れてしまい交換しなければなりませんでした。45分位掛かって切り抜きました。鏨の方が早かったですね・・・。ステップドリルがあれば1分という所でしょうか・・・。やはり道具があると作業が早くなりますね・・・。更に穴も綺麗に開くと思います・・・。ステップドリル導入検討しようかと思います。

 中央の穴開けが終わったら刃の切り出しをしました。切り出した後はコバを整え、もう一度サンダーで面を整えて、刃付け、銘とロットナンバーの刻印をして焼き入れです。

 
     焼き入れの様子                    作品No.1673 『鉄輪八方手裏剣』

 中央に大きな穴が開いていますから焼き入れ台は使わずに焼き入れを行いました。焼き戻しを強めに掛け、ワイヤーブラシを掛けて黒染めです。此処で4時になっていました。成型から焼き入れまで4時間かかりました。穴開け作業を機械化すれば3時間と言うところでしょうか・・・。

 明日は白菜の苗をゲットして、それを植え付けます。そして、『腸抉付十字手裏剣』の鍛造をしようと思って居ます。

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