鍛冶作業記録

熊公鍛冶工房始動 2004年12月11日

 予定通り「熊公鍛冶工房」 《酔鍛磨庵》 の初火入れを行いました。 参加してくださった方々は熊公を含め8名でした。熊公のオフクロ様、今まで鍛冶作業をさせて頂いてきた須賀川の伯父、工房建設に力を貸してくださった大工さん御夫妻、鍛冶仲間の幸光さん、お隣の工房の埼玉の村の鍛冶屋さん、北本市でプロとしてナイフを作られ居るKさん、そして、熊公の8名です。こんなに集まっていただけるとはまったく想像していませんでした。

 まずは、工房の命名式をしました。『酔鍛磨庵』です。この名前は須賀川の伯父が付けてくださいました。鍛接・鍛造に酔い、研ぐことに酔う、勿論酒にも酔う・・・・。そういう気持ちを込めた名前です。お隣の工房、埼玉の村の鍛冶屋さんと共に、この場所が鍛冶仲間の集う拠点に成れればと考えています。


工房の命名

 11時少し前、火床に火を入れる式として、『舞錐法』を用いて火種を作ることにしました。一昨日自宅で試したときには30秒で火種を作ることが出来ましたから、今回もそうなると思っていたら、ギャラリーは多いし緊張して(言い訳です・・・)、10分近く掛かってしまいました。

 
       舞錐法による火種作り                  麻縄をほどいた物に火を熾し火床に着火

 
  工房初の鍛接作業  マッチやバーナーを使わずに火床に火が起きました

 なんとか火入れを行った後、鍛接の作業に入りました。今回は白紙2号を用いて、裏すきを付けた小柄を作ることにしました。火床の調子はバッチリでした。埼玉の村の鍛冶屋さんが接触温度計を持ってこられ、それで火床の色々な部分の温度を測定してくださいました。その結果、火床の中心部は1100度、天蓋部分は178度でした。焼き入れ後天蓋にしばらく載せておけばバッチリ焼き戻しが出来る温度です。

 
  自分の思うところに道具を配置でき、最高の鍛造作業です          最後まで残ってくれた鍛冶仲間         

 鍛接を終えて、素材を切り取ってからシャンパンを開けてみんなで工房始動を祝って乾杯をして、軽く昼食を取りました。
 午後はオフクロ様や大工さんご夫婦は帰られ、鍛冶仲間だけになり(埼玉の村の鍛冶屋さんはお仕事で早く帰られましたが・・・)、鍛造をしながら色々話をしました。鍛造、馴らし打ち、焼き鈍しの工程を終えた後、本格的な鍛冶屋談義・・・・。楽しい時間でした。時間の経過を忘れるくらいです。4時頃今日の初火入れ式をお開きとしました。

 熊公はこのホームページを作ったことで沢山の方々と出会い、その出会った方々から沢山のことを教えていただき、応援していただきました。本当に感謝です。その結果として、今回の工房始動という夢のような現実を迎えることが出来ました。改めてここで感謝申し上げます。そして、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
 工房にも是非遊びに来られてください。お待ちしております。この場所が本当にみんなの集える場所になってくれたら幸いです。
(2004.12.11.)





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