鍛冶作業記録

火床・作業場の完成 2004年11月23日〜12月5日

 11月23日(火)、予定では工房に行くつもりはなかったのですが、火床の火玉のことが気になって仕方なかったので、オヤジ様のお墓参りの帰路、ぐるっと迂回して工房へ行って来ました。そして、気室部分の改修をしてみました。送風機の風量不足であるならば気室の容積を狭めて見たらどうかと、実験してみました。
 切断した耐火煉瓦の欠片がありましたからそれを気室内部の羽口の下側の灰受け部分に入れて、容積を4分の3位にしてみました。そして、まず松炭を使って火玉を作ってみました。松炭は柔らかく期待通りの火玉になりました。続いてコークスを投入してコークスの火に変えていきました。コークスもバッチリ予想通りに!! 嬉しいこと限り無しです。
 送風機のシヤッターを開け閉めして送風量を変えてみると、期待通り反応してくれます。これで火床は万全の状態になりました。
 どうもこの前の試験運転の時には耐火モルタルの湿気が残っていた感じ、レンガを入れなくても上手く火玉が出来るような感じでした。でも、灰受けの部分を小さくしても問題はないし、その方が送風量に良い影響がでるでしょうから、次回の作業では仮に置いた部分をモルタルで固定しようと思っています。
 鍛冶作業を初めて以来試行錯誤し続けてきた火床の形状、この火床はその集大成で作ったものです。早くここから作品を作り出していきたいものです。

 
            松炭の火玉                  コークスの火玉 (コークスてんこ盛り−最大送風−)

 外枠の側壁部分、予想通り鏡状態です。まったく参ったな〜〜!! 早く煤けさせないといけないです。

 この火玉は幅18cm 奥行き33cmになります。刃渡り35cm位の物まで作れると思います。勿論、そんな大きい物は作りませんが・・・・。上に置いてある耐火煉瓦の幅を狭め、奥に鉄板を敷くことで火玉の大きさを調整できるようにしてあります。

 下に火床の設計図を掲載しますから、火床を作られるときの参考にしてください。


火床正面図


火床側面図


火床平面図


天蓋部分の展開図  −少し大きめに作るようにしてあります−
カラートタンの幅は917mm その誤差は折り返し部分で調整しました

 火床の底にはへーベル板を敷いてあります。これはコンクリート板でも良いし、厚めの鉄板でも良いと思います。耐火煉瓦を敷き詰めて耐火モルタルで平面を作るのも良いでしょう。
 耐火煉瓦3個を横に積んだ高さと、軽量ブロックを縦にした高さの差はやく1cm、耐火モルタルで調整します。図では一番下に敷くように描いてありますが、実際には2段目の上下に塗り調整します。
 外枠のアングルはスティール棚の足を使いました。60cmの物8本、90cmの物4本です。ネジはその棚用のネジ20個入り3袋で余りが出ました。
 アングル部分は軽量ブロックに4本ボルトを埋め込み、このボルト・ナットで挟み込むようにして固定してあります。
 天蓋部分の組み立てには小さめのボルト・ナットを使い、1辺に3個ずつで組みました。隙間を耐熱アルミテープを使い目張りしましたが、今日最大送風でコークスをてんこ盛りにした状態だと天蓋部分は200度を超える感じです。耐熱テープは180度までなので何ヶ所かに剥がれが見られました。この点については今後改善します。
 煙突もかなり熱くなっていました。外に出ている部分も触ると火傷しそうな感じでした。引火性の物などは絶対近づけること出来ません。
 作業場内は換気が必要、防塵マスクは必需品です。すぐに換気扇を取り付けようと思います。それが整備できたら『火入れ式』を行おうと思っています。

 12月5日(日)、いよいよ工房が完成しました!!
 ユニットハウスを設置してから44日目、いよいよ作業場の完成です。工房内の換気をするための『有圧換気扇』を取り付け、火床の左手に炭置きの棚を作り、荷物の整理をしました。将来スプリングハンマーを導入することを考えて作ったスペースをしっかり区画して、土固めをしました。大工さんが付けてくれた明かり取り部分を遮光できるように作業用シートを吊って、ほぼ予定通りに工房を完成させました。
 休憩室部分の整備はまだ半分しかできていませんが、作業場の完成で、行けばすぐに作業が出来る環境が整いました。
 5日早朝は台風なみの風が吹きました。東京で風速40mを記録しましたが、工房の方は平気でした。大工さんに頑丈に作ってもらいましたから安心していられました。
 取り付けた『有圧換気扇』は、期待通りの機能を発揮してくれて、窓を全部閉めた状態で火床を稼働させても熱気がこもってしまうことはなくなりました。

 
            整理された炭置き部分            有圧換気扇、通常の換気扇の1.5倍の換気能力を持ちます

 前週に火床の気室内にレンガを固定しましたが、燃焼テストをしたところ両端に入れたレンガが送風を若干遮っていることが分かりました。これは削れば済むことなので、次回の作業(鍛接鍛造作業 第1回目)の前に削るつもりです。

 工房稼働の初日、『初火入れ』は11日(土)を予定しています。いよいよ工房での作業がスタートするかと思うとワクワクします。第1回目の作業は小柄を作ろうかと思っています。次回からは新しい工房からの鍛冶作業記録になります。そこで、『酔鍛磨庵日誌』と言うページを作ろうかと思っています。そのページには本当に日誌風に作業した事柄を書き込み、特別な作業記録をこのページに書き込んでいこうかと思います。きっと今までの作業とは違って、のんびりと作業することになります。毎回作業記録を書くような事は無いのではと考えています。
(2004.11.23.〜12.05.)





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