鍛冶作業記録
熊公鍛冶工房建設
2004年10月〜11月
今回は
『熊公鍛冶工房』
の建設の記録です。
◆
第一段階
10月1日〜11日 ◆
〓草刈り・整地・作業場建設の検討〓
まずは草刈りと、敷地の杭の確認。そして、何より大切なトイレまでの道の確保作業
(前回の記録に記入済み)
です。そして、どのような建物を建てるかの検討。これに悩みました。
熊公の工房は「市街化調整区域」内、本来は建物を建ててはいけないのが条件です。ただ、熊公の購入した地域にはかなり大規模なプレハブも建っていますから、10u以下のもので有れば建てても良さそう・・・・。そこで、インターネットで色々調べました。新品のユニットハウスやミニハウスといわれる物はかなり高額でした。中古のものを探し、3社にアクセスしたところ、2社から良い条件の中古のものを紹介してもらいました。1件は金沢の会社で、6畳タイプのミニハウス、5年間展示されていて、納入時は屋根部分を新品にするという事でした。もう1件は大阪の会社で、中古品のユニットハウスの部品を使って新しいユニットハウスに仕立てたもの。これは4畳でただ置くだけのものでした。
4畳より6畳と考えましたが、熊公の鍛冶作業は室内では出来ませんし、仮に6畳のものを導入して、床を付けずに作業できるようにしても、休憩室を作る必要が出てきます。悩みに悩んだ末、4畳タイプのユニットハウスを導入し、鍛冶場は足場パイプを使って掘っ建て小屋を作ることにしました。
このユニットハウス、畳を横にして4枚並べた長方形の箱型です。でも、休憩するには充分ですし、物置、工作室としても充分の広さだと考えました。
◆
第2段階
10月12日〜17日 ◆
〓ユニットハウス購入・基礎の設置〓
12日
、ユニットハウスを導入することに決断して、この会社の展示場が工房から5km位のところにあるのでそこにアポを取って、職場を早退して契約の準備、所長さんを連れて現場に赴き、搬入の段取りを付けました。その後は契約書の交換、代金の振り込み・・・。
置くだけタイプです。「ピンコロ」と呼ばれる高さ10cm 縦・横20cmのコンクリートブロックが土台になるのですが、これでは沈み込みやすいと考え、厚さ5cm・縦45cm・横30cmのコンクリートブロックをベースにすることにしました。搬入が楽なように、このブロックのレベルを合わせて置くことにして、我が家のメンテナンスを頼んでいる大工さんからレベルなどを借りて作業することにしました。
大工から借りた道具類 大工に頼まれて神式の地鎮祭を行う
やりかたを組み水糸を張りレベルを決める レベルの決まったベースになるコンクリート板
17日
、大工は「絶対に榊を立て、四隅に塩と酒を蒔いて、二礼二拍手一礼
(これで良いのかな?)
をしてくれ
!!
」と、頼まれ、それを執り行いました。勿論、熊公はクリスチャンですので、それを行う前に祝別の祈りをしてからそれを行いました。
レベルはレザー光によって1人でもレベルの取れる優れもの、タコという道具を使ってできるだけ土台部分の土を突き固め、昼から夕刻まで掛かり6枚のコンクリート板のレベルを決めました。
◆
第3段階
23日〜24日 ◆
〓ユニットハウス搬入・横座の位置決め〓
23日
、いよいよユニットハウス導入です。トラックに積んできてポンと置くだけと思ったら、現地組み立てとなりました。鍛冶場建設に力を借りる大工さんと一緒に8時前に現地に到着、丁度搬入するトラックも到着したところでした。
現地組み立てで良かったです。なぜなら、窓、掃き出しの扉2面の位置が180度ずれて図面が引かれていました。熊公の鍛冶場は道路に面せずに道路の奥側に建設する予定です。普通は道路側に入り口作りますからね・・・・。
ベースになる鉄骨の設置 6本の柱が立つ
壁を積み上げ棟を設置 3時間後完成
レベルを決めておきましたから、ベースのアングル部分は簡単に設置されました。それでも多少の誤差があり、ゴム板で微調整をして、組み立てていきました。3時間で引き渡しとなりました。
小屋が建つと今まで休憩するときは車の中でしたから、随分開放感があります。午後の作業は鍛冶場の掘っ建て小屋の位置と高さを決定する作業、それに備えて小屋の中で昼食を取りました。
鍛冶場の建設は風で飛ばされない強度を保つためと、足場パイプや屋根、側壁部分の波板類の搬入のことも考え、大工さんに頼むことにしました。この大工さんは熊公の幼稚園前からのお付き合いしていただいている方、こちらの無理も色々聴いてくださるのでお願いしました。出来るだけ安く、頑丈なものを造ってもらえるようにお願いして、23日は朝からご一緒して、実際に建った休息室兼物置小屋の屋根の高さや、接続方法を考えてもらいました。
この日は土曜日、両隣の菜園をされている方とお話も出来、工房を建てることを快くOKしてもらいました。これからもこの方達と仲良くやって行けたらと思っています。また、電灯線を導入するため、お隣の工房の『埼玉の村の鍛冶屋』さんの紹介で電気屋さんともコンタクトを取りましした。
鍛冶場小屋の縄張りをして、火床の位置、横座の位置を決めて、横座となる穴を掘り込む作業までして終了しました。
帰路、鍛冶場小屋の周りに設置する軽量ブロック27個、足場クランプ40個
(かなりの数大工さんから頂くことに
なっています)
等を購入して帰宅しました。この帰り道、『新潟中越地震』の起こったことをニュースで聞きました。
24日、この日は1人での作業です。前日に購入したブロック類の搬入後、火床の耐火煉瓦やブロック、窓に付けるブラインド類を購入しに工房から2.5km位のところにあるホームセンターに行き、午後からはブラインドの設置、掘っ建て柱の穴掘り、火床の位置を決めるための火床の仮組などを行いました。
ブラインドを設置して部屋らしくなった小屋内部 横座の穴と仮組みした火床
・
電気屋さんとの交渉も終わり、電灯線は11月半ばには導入できる手はずとなりました。作業後は剣鉈鍛造中の『埼玉の村の鍛冶屋』さんとお話をして来ました。その中で、「ここが鍛冶仲間の集まる場所になると良いね
!!
」と、話し合いました。
電灯線を引いてくれる電気屋さんは日本刀を収集される方で、これまた色々話が出来ました。面白い形の小柄も見せていただき、熊公の創作意欲をかき立ててくださいました。
◆
第4段階
11月1日〜14日 ◆
〓鍛冶場小屋の建設〓
いよいよ鍛冶場の建設に入りました。一人で建設しようかとも考えましたが、風に飛ばされてしまったりしたら大変ですし、材料を揃えるのが何より大変であると気づき、我が家の建設をし、メンテナンスをしてくれている大工さんに協力してもらうことにしました。
「一緒に働くから値段安くして
!!
」と、頼み込み、熊公の引いた図面をもとに色々相談して材料の手配等をしてもらいました。
柱となる足場パイプはホームセンターのものは肉が薄いものと言うことで、プロ仕様のものにする事にして、大工さんの物置に使わなくなって置かれていた20本のパイプを頂くことになりました。また、足場パイプの固定用のクランプもかなりの数頂くことになりました。出入り口のドアも作業場に置かれていた中古のドアをもらい、とにかくコストを下げる努力をしました。
一方、大工さんは足場パイプにアンカーとなる足場の基礎板を溶接したり、クランプの加工などをしてくださいました。
11月1日(月)
、前日が職場のバザーで代休になりましたので、この日を棟上げの日としました。
7時に大工さんの家に行き、現地には8時過ぎに到着、8時半から作業を始めました。お手伝いをしてくれるもう一人の大工さんと三人での作業です。
さすがにプロです。「やりかた」をパッ、パッ、パ〜〜と組み上げ、休息室のユニットハウスと足場を連結する南西の隅を基準に定め、「カネ(直角)」を出し、まずは一本目の柱を立てました。掘っ建ての穴は10月24日に掘ってきてありますから、まずその柱の天辺の高さをしっかりと決めるために『タコ』という土を突き固める道具で突き固め、コンクリート片を入れて更に突き、予定の高さに定めました。
次は鍛冶場の北西の隅の柱を同様に立て、天井の垂木を受ける横棒を据えました。続いて北東隅の柱を同様にして立て、垂木を受ける足場パイプを載せる横棒を固定しました。最後にユニットハウスと連結する南東の隅の柱を立て、横棒を固定しました。これで基本となる箱の形が出来ました。
4隅の柱が決まったら、東西の辺に2本ずつ、北の辺に1本の間柱を立て、横棒と連結します。この段階でお昼となりました。熊公がお弁当を買いに行っている間に棟になるパイプを固定してくださり、お昼ご飯の前に簡単な上棟式を行いました。
柱を順に立てていく 箱の形が出来上がり鍛冶場の外観が何となく見えてくる
簡単な上棟式を行う 屋根の垂木と側壁を固定する垂木を打っていく
掘っ建て小屋だから上棟式なんかしないと思っていましたが、やはり大工さんにとっては大切なことと言うことで、酒・塩・洗い米・スルメ・野菜を供えて、二礼二拍手一礼をする儀式を行いました。熊公はこの上棟式の後、神父さんから頂いてきた『聖水』を蒔き、祝別のお祈りをしました。
午後は側壁の波板を受けるブロックをレベルを合わせて並べ、続いて屋根の周りに取り付ける破風板にペンキを塗る作業をしました。11月に入ると日暮れはグンと早くなります。しばらくは電灯をつけて作業しましたが、5時30分に作業終了、後片付けをして帰路に付きました。
作業場出入り口となるドアの付く場所 小屋の形がほぼ出来上がった状態で作業終了
朝方、雷が鳴り、かなりの雨音を立てて雨が降りましたが、作業中は小雨がパラパラと降りましたが、それは午前中だけですみ、何とか作業が出来たこと感謝しました。
2日
は大工さん二人で、屋根葺きと側壁を張る作業をしてくださいました。予定より屋根を広くしたことで波板が足りなくなり、7日までにきちんと収まりを付けると連絡がありました。
3日
、熊公一人での作業です。側壁の波板をしっかり釘で固定する作業、側壁下部のコンクリート打ち、火床の設置、横座の土留めを行う作業です。
工房に行ってみるとドアと壁と屋根が付いていました・・・。「ああ〜〜、僕も工房が持てたんだ
!!
」と、何とも言えない気持ちになりました。今回は自宅に置いてある鍛冶道具類を搬入することにしていましたから、今まで須賀川に行くときに物置としてある自宅3階から降ろしたり上げたりする作業はこれが最後となりました。ハンマー・ヤットコ・・・etcの入ったコンテナは結構重いものですから須賀川に行くときも帰ったときも大変な作業でした。これが今回の降ろす作業が最後になるかと思うと今までの鍛冶作業が色々思い浮かんできました。少々感傷的過ぎるかな?
鍛冶場入り口のドア 北側から見た工房上の空いている部分は明かり取りとして
半透明の波板が入ります
上の写真右側、北側から見た写真ですが、ベニア板が立てかけてある部分の波板は取り外せるよう(簡単ではありませんが・・・)にしてあります。将来スプリングハンマーを導入できるようになったときにはここから搬入できるようにしました。
最初の作業は大工さんが仮止めしている側壁波板を釘でしっかり固定する作業、これが終わったのが昼少し前でした。
お昼を食べてから側壁下部に防水のためのコンクリートを打つ作業です。徳島の「しか」さんがご自分の工房を紹介してくださったときに、下部の防水についてお知らせ下さったので、鍛冶場の下部に軽量ブロックをまわすことにしました。また、スプリングハンマーを工房に入れられるときの体験談から搬入口を確保する事にしました。
コンクリート打ちが終わってから、いよいよ火床の位置をしっかり突き固め、水平を取り、大工さんから頂いたへーベル板を切り、火床の耐火レンガを仮組みしました。図面上で計画したとおりに組めたので嬉しくなりました。
側壁下部の防水のためのコンクリート打ち 仮組みした火床の様子 羽口は直径4cm
正面から見た仮組みした火床の様子 へーベル板で土留めした横座と火床の様子
今回作る火床は固定できるわけですから基底部は耐火煉瓦24個と軽量ブロック5.5個で周りを囲むものにしました。ロストルは33cmにするか36cmにするか思案中ですが、現在の段階ではどちらにも対応できる状態です。耐火煉瓦3個を横積みにした高さは軽量ブロックを立てた状態にして約1cm低くなります、この差は実際に組むときに耐火モルタルの厚さで調節できますから問題有りません。今回の火床はこの基底部に耐火煉瓦を12個ぐらい置き、その時の作業に合わせてレンガの積み方を変えて火玉の大きさを調節できるように考えています。そして奥側にはへーベル板を置き耐熱性を高め、基底部の上には覆いを付け、天蓋から煙突を立てる予定です。この作業は7日になるかな?
火床の仮組みをした後は横座の土留め作業です。上の写真のように組みましたが、手前の一辺は日没となり出来ませんでした。横座の写真左上、脚立や杭が置かれている部分は将来スプリングハンマーを入れようと思っているスペースです。1100mm×1600mmのスペースが必要であること、これも「しか」さんが教えてくださったことで、充分の広さを確保したつもりで居ます。しばらくは炭やコークスの置き場になると思います。
火床の位置が決まり、横座の形がしっかりしてくると、「いよいよ鍛冶場が出来たぞ
!!
」という気持ちになります。
7日(日)
、工房に行ってみると外壁は仕上がり、電気が入っていました。いよいよ工房という感じになってきました。
今日の作業は横座の完成、火床の本組み第1段階外枠の固定、流しの設置です。
まずは横座の残りの一辺にへーベル板を入れます。作業場にはまだ窓が付いていませんから空気がよどんでる感じです。その中でへーベル板の切断をしたものですからしばらく粉塵が漂い大変な思いをしました。この状態では換気扇が必要な感じです。それを知ることが出来たのは良かったかも知れません。
包丁制作過程を実物で示した額を飾る 自分の城という感じ
!!
鍛冶場の中心横座の完成
・
横座が完成したら、次に流しの設置をしました。排水施設を作り、流しを設置して、水道工事(外の蛇口からホースで引き込み、その先に蛇口を付けるだけですが・・・)をしました。
流しを付けたらいよいよ火床の本組みの第一段階、5.5個のブロックで囲っている外枠を鉄筋とモルタルでベースにしているへーベル板に固定する作業です。まずは内側の耐火煉瓦の位置をしっかり決めるため、ロストルをはめ込み、気室のスペースの大きさを決めました。今回もロストルの長さは36cmにしました。
そして鉄筋を打ち込み、モルタルを入れ、更に砂利を入れてモルタルを詰めました。側壁部のブロック上部中央の穴4つには、火床の外枠を固定するボルトを入れました。
流しが付いて手洗いなどが楽になりました。 外枠を固定した火床 幅60cm 奥行き78cm
8本のロストルを使う火床中心部 休憩室から見る火床と横座
・
幅18cm 奥行き36cm
ロストルはリンクのページにも掲載してあります『炭の山田』さんに発注しました。発注して3日目には届く、本当にスピーディーな会社です。おまけに2割以上も値引きしてくださいました。感謝感謝です。
火床と横座の形が出来ると鍛冶作業場らしくなってきました。
電気が入りましたから周りが暗くなっても作業が続けられます。6時半頃まで作業を続けました。その後はお隣の工房の『埼玉の村の鍛冶屋』さんとしばらく話をして7時40分頃に工房を後にしました。帰宅所有時間は40分間でした。
13日(土)
、予定通り須賀川に置いてある鍛冶道具を取りに行ってきました。紅葉は『矢板I.C.』辺りが見頃でした。須賀川は紅葉が終わろうとしている感じでした。気温は5度くらい・・・・。
車いっぱいになった鍛冶道具類 このお庭で鍛冶作業をはじめ、今回卒業して巣立つ感じ
今まで鍛冶作業でお世話になった伯父、少し淋しそうでした。僕が行くこと、鎚音を聞くこと、先手を勤めることが楽しみだった事は承知しています。自分としてもこんなに早く工房が持てるとは思ってもいませんでしたから、今しばらくは伴侶を亡くした伯父を応援するためにも須賀川に行くつもりでした・・・・。
伯父は卒業生を送り出す先生のよう、
「この庭から始めた鍛冶作業、いよいよ巣立ちの時だな
!!
」
と、言われたときには涙が出る感じでした。本当にこのお庭には沢山の思い出があります。
伯父に工房の名前を付けてもらいました。『
酔鍛磨庵
(スイタンマアン)』です。鍛冶作業、研ぎ上げる作業に酔う・・・・。この名前を大切にしようと思います。
14日(日)
は朝7時半過ぎに帰路に付き、その足で工房へ行きました。今回の作業は煙突を付けること、火床の耐火煉瓦をモルタルで固定すること、外枠のアングルを組み、奥と両側壁部分の取り付け、そして、須賀川から持ってきた鍛冶道具の搬入です。同時進行で、手伝ってもらっている大工さんに「窓」を3ヶ所付けてもらうことです。
煙突が付きました 外覆いの付いた火床
窓が付くとやはり空気の流れが出来てホッとするものがあります。さて、今回のメインの作業は火床の外枠の制作でしたが、ケチることはやはり損をすることになるかも・・・・。鉄板を買うとき、色つきの鉄板とただのブリキ板を見て、数百円安いブリキ板を購入しました。今回外枠を作ってみて分かったことですが、鏡のような面を持つブリキ板、これはコークスや松炭の炎を映し出して、明るくなっちゃうでしょう・・・・・。失敗した
!!
何でもっと早く気付かなかったか・・・? 早く煤けて、反射を押さえるようになってくれることを期待します。いや、積極的に煤を出すものを燃やして煤けさせようかと思います。まったくドジだな〜〜〜
!!
夕刻、可愛いお客さんが来ました。自分の学校の隣のクラス
(熊公は隣のクラスの社会科を担当しています)
の子供がお母さんと来てくれました。先日学校で話していて、「お祖母ちゃん上尾にいるんだ
!!
」と言うことで。上尾のどこか聞いたら、何と工房の在所と同じ地区だったのです。そこで工房の場所を知らせたら遊びに来てくれたわけです。嬉しかったな
!!
これからもお祖母ちゃんの所に来たときに、時々遊びに来てくれるものと思います。
横座の周辺に鍛冶道具を配置 荷物でいっぱいになってきた工房
最後に須賀川から持ってきた荷物を搬入して、横座の周りに金床などを配置してみました。ここまで来るといよいよと言う感じです。
今回、須賀川から持ってきた耐火煉瓦(ドイトで購入)と、上尾で購入した耐火煉瓦(カインズホームで購入)したものに違いがあることを発見しました。「SK−32」というレンガだからサイズは同じと考えていました。火床を仮組みしたときに予定よりもブロックがレンガより高くなったことが「????」だったのですが、ドイトで買った物の方が若干サイズが大きいのです。JIS規格なんだろうから会社が違っても同じサイズと考えていましたが、耐火温度がJIS規格であって、寸法はそうではないようです。良い勉強になりました。これから耐火煉瓦を組んで火床を作ろうと考えている方、ご注意下さい。
◆
第5段階(最終段階)
11月20日〜 21日◆
〓作業場の整備〓
須賀川からの荷物を搬入しましたから、いよいよ鍛冶作業場の整備です。火床の完成と試験運転、土間の土固め、作業台や棚の設置に入ります。
20日(土)
、火床の仕上げを行いました。天蓋部分を制作し、取り付け、煙突に接続しました。軍手をしていてもトタン板のトゲ状のささくれがチクチクと刺さり参りました。
天蓋の付いた火床 燃焼実験 ここでトラブルです
煙突に接続できたら、隙間部分を耐熱のアルミテープで目止めしました。火床の完成で、形の上からは今の段階で鍛冶作業を行うことは可能になりました。早速試験運転をしてみることにしました。
まずは垂木などの端切れを燃やし、煙を出してみました。煙は作業場内に立ちこめました。やはり換気扇は必要です。まったく無風という感じでしたから、煙突の吸い込みがなかったかと思われますが、換気扇は必需品のようです。窓につっぱり棒を付けましたから、今までよりは楽ですが・・・。
次にコークスを試験的に燃やしてみました。ここでトラブル発生です。予想より火玉の出来方が小さいのです。予定ではロストルの上部全体を火玉に出来るはずでしたが、羽口上部の15cm位しか作れず、温度の上がり方も不十分でした。
現在使っている送風機は、昭和電機のSF−50という物、〔2.2立方メートル/min〕の最大送風量があるのですが、これでは不十分のようです。考えてみれば、今までの移動式火床の気室の6倍くらい(約0.011立方メートル)の気室になったわけですから、起こるべくして起こった事のようです。計算では0.3秒くらいで気室の空気が一杯になるから大丈夫と思ったのですが・・・・。最大静圧が〔0.32kPa〕と言うのが問題なのかな? どういう単位か良く分からないけれど・・・
今日は火床を完成させ、窓のつっぱり棒などを作りました。そして、流しの横に作業台を作りました。ここに万力を固定して、素材の切断やナイフの成形などを出来るようにしました。ここまで出来てくると、鍛冶作業がしたくてウズウズしてきます。
こんな窓が付いて鍛冶小屋と言う雰囲気に 作業台の完成(右端は斜めに切断します。)
21日(日)
、今回の作業は棚作りと土間の固化作業です。今日の作業で鍛冶作業スタートの準備完了です。物置側の土間の固化や休憩室の整備もありますが、これは工房が始動してからゆっくりと仕上げていきます。
まず、作業台の上部に足場パイプを使って柱を立て、そこに2段の棚を作りました。大工さんの作業場に置かれてあったフローリングの板を棚板にして作りました。
棚に鍛冶道具類を置き始動に備える コンクリート系の土壌固化材
・
棚板にする板が足りなくなって一部仕上がっていませんが、仕上がった棚にコンテナボックスに収めてあった鍛冶道具類を置き、いつでも鍛冶作業が出来るようにしました。こうなってくると「いよいよ鍛冶作業が出来るぞ
!!
」と、気持ちがだんだんと高まってきます。
続いて土間の固化作業です。コンクリート系の『土固め材』という物を使うことにしました。一袋3kgで、乾いている土地であれば深さ10cmで0.6uの固化が出来ると言うことです。使用方法はこの固化材を蒔き、固化材と土をよく混ぜる(深さ10cm位)。そして踏んづけて足跡が残らないくらいまで踏み固めるだけという簡単な物です。熊公は10cmも硬くならなくても良いと考え、半分くらいの深さで固化作業を行いました。
こんな風に蒔いて撹拌して踏み固めます 踏み固めた様子 横座の奥と手前との色の違いが分かるでしょう
か?
養生期間は3日程度だそうです。次に行ったときにどんな感じに固化されているか楽しみです。固化作業が終わってから金床類の場所をしっかりと決めました。金床の面の水平もしっかり出しました。これで鍛冶作業まで秒読み開始です。残った問題は昨日の送風機のパワーの問題です。次回工房に行ったときは作業場作りではなく火床の試験運転です。
9月30日工房用地を取得して、草刈り、トイレまでの階段作りから始めた工房建設、10月23日、中越地震の日に休憩室のユニットハウスを置き、11月1日から作業場建設をしてきましたが、これで何とか完成です。休みの度に工房に足を運び準備するのは本当にワクワクするものでした。まだまだ手を入れないと行けませんが、建物類の整備は出来ましたからいよいよ鍛冶作業の準備に入ります。まずは送風機と火床の関係の問題点の追求です。これが出来なければ初火入れが出来ませんからね
!!
(2004.11.01.〜21. )
鍛冶屋の部屋入り口
酔鍛磨庵日誌
熊公の独り言
熊公アニメの部屋
好きな所入り口
高山植物のページ
菊谷さんのMIDIの部屋
リンクのページ
お便りのページ