鍛冶作業記録
新火床試運転
2002年11月24日
昨日製作した火床を試運転してみました。ほぼ期待通りの結果でした。
まずは羽口部分からの熱の広がりを調べることにしました。
36cm×2cm×2mmの軟鉄を焼いて、火床の中の温度の状態を調べてみました。36cmは、この火床で作ることの出来る最大長以上の物です。2ヶ所羽口部分からの熱の伝わり方を見ることが出来ました。
最大の送風での炭の熾り方 期待通りの過熱状況
幸光さんから頂いた温度表から見て、写真右側の一番高温になっている部分は1200度位、中央部分は850度位でしょうか?今回は温度の分布を見るためですから、火床の中で動かさずに加熱しました。素材を動かしながら加熱すれば均一になります。羽口の間隔がもう少し近くても良かったかな?計画では10cmでしたが、モルタルの充填で11cm強に開きました。でも素材を動かせばよいことだし、予定より1.5cm延びた火床を出来るだけ均一に温度を上げるには必要なことかも知れません。
羽口は底面にもう少し近くても良かったかな?と思います。底から2cm位上が適当かも知れません。
送風管に伝わる熱は予定通り、ジョイント部分はちょっと熱いですが、塩ビ管との接合部分は握っていても熱く感じませんでした。外枠への熱の伝わりは、時間がたつに連れてかなり熱くなりました。しかし、取っ手部分はちょっと熱い程度でした。
続いて、C−1レンガの耐熱テストです。3cmの厚さに切り取りましたが、切断は簡単でした。SK−32レンガの切断が樫の木を切るくらいと考えて、C−1レンガはバルサ材程度。いや、感覚的にはウエハースくらいに柔らかい感じです。軽いのは良いですが、常に金属にこすられることを考えるとちょっと問題ありのようです。
耐火度テストは最強の送風で、おそらく1300度以上の温度の中で5分以上置きました。変形も割れも起こりませんでした。レンガ内のガラス成分がちょっと溶けだしたくらいでした。耐火温度は合格です。
1300度以上の熱に耐えたC−1レンガ 軽く送風をしている状況 高温になって
白く見える部分は羽口の所です。
火床の送風管を若干下向きにしたのも良かったような気がします。10度くらいにしても良さそうな気がします。七輪火床は羽口が斜め上方向ですから、送風を強めると、時折小さくなった炭が吹き上げられることがありましたが、下向きになっていると、それが押さえられる感じです。これも上々の成果です。
1時間ほど試運転をしたあとの火床の様子ですが、レンガには全く異常はありませんでした。モルタル部分はやはり耐火温度が1200度ということでか、ヒビが入ったり剥離している部分があったりしました。でも、これはモルタル部分ですから、塗り直せば済むことです。
今回の試運転は思い通りの結果が出たので大満足です。今回で水分はあらかた飛んだものと思います。作業後冷やしたあと持ってみましたが、昨日よりは随分軽くなったと思います。それでも1人で運ぶのはかなりの仕事です。おそらく鍛冶作業をさせていただいている須賀川の伯父の家に置いておくことになるでしょう・・・・・。
(2002.11.24.)
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