◆ジョッキーゼロ◆

 

 ● 製品データ
タイトル  ジョッキーゼロ
発売日  1996年11月1日 メーカー  ライトスタッフ
定価  5,800円 ジャンル  ジョッキー体験SLG
廉価版  なし
関連商品  なし
   
 ● 評価
外見衝撃度  マツシタススム画伯が左手で描いたような、アクのある絵柄です。
 ゲーム自体は遊べるだけに、ここで損してるのは正直もったいない。
 ★★★★
超越世界観  馬と話ができるという特殊能力を持つ主人公を始め、競馬界の裏を
 仕切る悪の帝王やらサイボーグ馬やらなんでもあり。
 ★★★★★
声優度  オープニングの手紙を朗読してくれます。あと歌が2曲いり。
 ★★
演出度  凝ったことはしてませんが立ち絵の表情パターンも多いし、
 文字やイラストも大きくて、良いと思います。
 ★★★
時間報奨  最初のチュートリアルが親切。レース部分は、始めはうまく走らせる
 ことができませんが、コツを覚えると面白いように勝てます。
 ★★★★
牽引力  このシステムでこのストーリーはかなり頑張っていると思います。
 一応、女の子との恋愛要素もあります。
 ★★★
ゲーム性  ゲームを通して得られる情報やできることは限られているのですが、
 だからといってプレイが単純になることはないです。
 ★★★
快楽性  凝った演出や画面効果をばっさり切捨て、ロード時間を感じさせない
 作りになっています。キーレスポンスやディスクアクセスも軽快です。
 ★★★★★
芸術点  このシステムでオートセーブというゲームデザインが素晴らしい。
 ★★★★★
所有価値  あまり市場では見かけない・・・というか、このパッケージでは見て
 見ぬ振りをする人も多いと思いますが、たまに遊びたくなる系の1本。
 ★★★
総合評価  競馬に興味ない人でも、遊んでいて楽しいと思えるゲームだと
 断言できます。ストレスの溜まらないバカゲーです。

74点

   
 ● コメント
イントロ
馬と話ができるという特殊能力を持った主人公は、競走馬の牧場を経営する実家を助けるために、その能力を活かしてジョッキー(競走馬の騎手)になることを決意する。やがて、騎手学校を卒業した主人公は新人ジョッキーとしてデビューし、立派な騎手を目指していくのだが、競馬界の裏ではカイザー軍団という謎の軍団が暗躍していた・・・。

というわけで最長10年間(エンディングまで最短2年半)、プレイヤーはショッキーとしての人生を体験します。プレイ中にできることは非常に限られていますが、その中にもジョッキー仲間や馬との会話、主人公の立身出世、カイザー軍団との絡み、そして女の子との恋愛要素もあって、波乱万丈なジョッキー人生を体験することができるでしょう。

攻略可能な女の子は以下の8人。
・安田さつき:主人公の幼馴染。高卒でいきなり主人公の元に付き人として押しかける。
 性格は明るくて元気、でもヤキモチ焼きで勝手にスケジュールを書換えることがある。
・小泉綾:競馬学校の同期。あっさり系。良いお友達でいましょうね、とかいうタイプ。
・馬王嵐子:カイザー軍団の長、馬王海山の娘。本人は悪いことが嫌いな姉御肌。
・芝田みどり:ジョッキースクールの先生。サドッ気と結婚願望と甘えベタが同居中。
・夏野あおば:主人公に騎乗を依頼してくる調教師の一人。お爺さんの跡を継いで
 調教師になったが、馬のことはよく分かってない。天然系。
・マリリン:馬主の一人。お水っぽいフェロモン系。ウブな主人公を食べたいらしい。
・さゆりさん:掃除婦のオバチャン。さつきが実家に帰っている間、代理でスケジュール
 管理したりする。ゴリラ顔でかなりニッチ。
・シルビア:グラビアアイドルらしい。ピンナップが入手できるが立ち絵のない謎の女性。
レビュー
1ヶ月は4週からなり、この1週間がゲームのひとつの区切りです。1週間に最大3つのレースに騎乗することができますが、フルで騎乗していると、そのうち付き人に疲れているからやめろと騎乗をストップされたりします。1ヶ月で8〜9回(毎週2回または3週フルで1週休み)のペースがいいようです。
イントロでも述べましたが、プレイヤーがゲームでできることは非常に限られています。まず出場するレースを選び、そのレースで騎乗する馬を2頭からどちらか選び、レースをアクションゲームとしてプレイするだけ。レースシーンもスタートのタイミング指示、道中のライン取り、ラストスパートの合図、この3つくらいしかやることがありません。このように非常に単純なゲーム展開ですが、適当にプレイしていては勝てないし、計算通りにレースを進めて1位が取れればすごく嬉しいです。それがGIともなれば馬主さんからも感謝され、感動を噛みしめることができるでしょう。
ちなみに、レース前に選べる馬は2頭だけですから、強い馬を選べるとは限りませんし、馬の戦法(逃げ・先行・差し・追込みの4つ)がプレイヤーの苦手なタイプしかないこともよくあります。しかも馬の調子や天気は当日になってみないとわからないので、それにあわせた騎乗(特にラストスパートのタイミング)が必要になります。これがツボにはまった時の嬉しさ、はずしたときの悲しさはかなりキます。馬の能力的に勝てないレースでも、いい騎乗をすれば調教師が褒めてくれるので、そこらへんも嬉しかったりします。

ストーリーの流れですが、最初の1年くらいはジョッキー仲間と何勝何敗だとか言う程度ですが、主人公の成績が上がってくると(多分、初めてGIに勝った頃から)、カイザー軍団の噂を聞くようになります。仲間のジョッキーからあいつらには逆らうなと忠告されたり、嵐子から軍団スカウトされたり、八百長まがいで因縁つけられたり・・・。キザで主人公を山ザル扱いするライバル風ジョッキーが、当初は「パドックで女といちゃついてるんじゃねぇ!」とか言ってたのに、主人公に負けて修行してきたらいつのまにかカイザー軍団に丸め込まれて小泉綾のお尻を追っかけてる存在になったのは笑いました。
その後、カイザー軍団の腹心が「この勝負で負けたほうがジョッキー引退だ!」と人質とって勝負吹っかけてきたところを返り討ちし、いよいよ馬王海山との一騎打ちになります。「翌年の日本ダービー(6月)で勝負だ!」と言いつつも卑怯な裏工作で主人公を日本ダービーに出場させなくするセコいラスボスだったりしますが、協力者の助けもあって日本ダービーに急遽出場できたりします。騎乗者も馬も風邪ひいたのでドタキャン、って全国何千万人の競馬ファンから突っ込み来ますよ。
とにかくも主人公は父親の牧場で育った馬(主人公が名づけた馬)に乗ってレースに出場します。実績のない新馬がいきなり日本ダービー出場かよ!という突っ込みをこらえてこれに勝つと、晴れてエンディングです。ちなみに勝った後も継続プレイできますし、負けても嵐子が怒鳴り込んで今の勝負はなかったこと(翌年に持ち越し)にされます。

最後に、女の子との恋愛要素ですが、まぁないよりマシという程度です。2年目の夏に安田さつきから「あなたの意中の女の子は誰? この封筒に書いて入れておいてね」と言われて、上述の8人がリストアップ。エンディングで、選んだ女の子との結婚式の写真が出るだけでした。

馬との会話シーンですが、特定の馬(情報表示でフレンドシップを選ぶと好感度が表示される馬)に騎乗すると、今日の調子とか要注意ライバルについて教えてくれます。好感度は勝つと上がり、負けると下がるのですが、何に関連しているのか不明。仲良くなるとムチなしでも言うことを聞くらしいですが、道中のムチなんて1回使うかどうかだし。でも、仲良くなると自分の調教師であるあおば嬢とお似合いのカップルですよ、と言ってくるアオバプリティに萌え。顔つきは宇宙船サジタリウス号の乗組員みたいですが。

総評:
競馬に興味ない人も、レースゲームが苦手な人も、手軽にジョッキー気分を味わえる楽しいソフトです。逆にマニアには物足りないかも。コーエーから発売された、競馬ゲームを紹介する本にも無視されてますし。
攻略ガイド
レースに勝つコツは、スタートのタイミングとライン取り、そして馬ごとに異なるラストスパートのタイミング(体力切れにならない残り距離のタイミング)の3つです。このうち、スタートとライン取りはレースやっていくうちに身につくと思うので割愛。ラストスーパートのタイミングは、馬の戦法でだいたいの距離はわかっても、勝つレースをするためには情報収集するしかありません。少なくとも好感度が設定されているくらいの馬は、どれくらいの距離でスパートかければ良いか、メモっておきましょう。好感度が設定されている馬は強いので、積極的に選んだほうがいいことはもちろんです。

というわけでラストスパート残り距離の自分用メモ:
プロフェッサーギル:400、アオバプリティ:400、ズラヅラー:450、トンズランナー:425、ロカビリーキッド:350、ハイスピードラット:375、ビューティールビー:425、ポリスレディ:550、スピードマック:425、オージィプリンセス:425、ロングトーラー:500、オヤジゴーゴー:300、グレードワン:400、自分が名づけた3歳牝馬:525

あとは、プライベートで収集する写真について。ほとんどの絵は、月初めに行商人が売りに来るものを買っていれば集まります。一番右下にあるマリリンのセクシー写真集は、マリリンがオーナーである馬に騎乗してGIを取ると増えていくようです。私は3枚まで確認しました、もっとあるかもしれません。
出演声優
今井里奈
関連ソフト
64大相撲(N64/ボトムアップ)、パワプロくんシリーズ(GBA等/コナミ)

 

   

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