◆ハイスクール・オブ・ブリッツ◆

 

 ● 製品データ
タイトル  ハイスクール・オブ・ブリッツ
発売日  1999年10月28日 メーカー  メディアワークス
定価  5,800円 ジャンル  トレーディングカード
廉価版  なし
関連商品  同名のトレーディングカードゲームと同時期に発売。
 攻略本、サントラCD、文庫版あり
   
 ● 評価
外見衝撃度  女子高生達が微笑んでるのは良しとして、背景のピンクがケバすぎ。
 ★★
超越世界観  異世界と融合した近未来の地球が舞台だけあって、人外キャラ
 てんこ盛り。でも皆、肩書きは女子高生。
 ★★★
声優度  セリフは男キャラまで含めてフルボイス、ヒロイン達は有名どころで
 しっかり固めていて、こっち方面の手抜かり無しです。
 ★★★
演出度  OPアニメもうちょっと頑張って欲しかった。会話シーンの立ち絵が
 1キャラにつき最大3枚用意されてるところはグッドです。
 ★★
時間報奨  裏技(というかバグ)でカード増やしたほうが早い。
 ★
牽引力  シナリオはあかほり節炸裂なのです。一応、パートナーの好感度に
 よってラストが異なるマルチエンドです。
 ★
ゲーム性  デッキ構築はそれなりに頭使う。実際のカードプレイは単なる作業。
 ★★
快楽性  プレイ中はカウンター確認がしつこくてウザイです。
 また、CPUのデッキ構成がロックデッキばかりでイヤになります。
 ★
芸術点  有名イラストレータたくさんで、グラフィックに関しては惜しげもなく
 出してるから、この評価にしました。 
 ★★★
所有価値  おまけにトレカが2枚ついてきました。
 ★
総合評価  序盤から、いろいろな意味でつまらない思いさせられます。それを
 超えると少し面白さがわかってくるんですが、普通は無理です。

38点

   
 ● コメント
イントロ
突然、異世界と融合してしまった近未来の地球。あなたは女子高校の教師として、世界を融合させた張本人でもある魔術の師匠(兼校長)の命令で、謎の3つの力を求めて世界中の女子高を転戦するのだ。しかし貴方の冒険には、女子高生がパートナーとしてついてきてくれるぞ。パートナーとして選べるのは以下の3組。
・仙花・菊花・菜花トリオ:優しく理知的な仙花、体育会系の菊花、メカオタクの菜花という姉妹のように仲がいい3人組。
・コユキ:雪女のハーフ。大人しくて気が弱い。
・信織:織田信長の転生である無鉄砲チビ。おしとやかな蘭丸お姉さまを慕っている。

ストーリーモードは、世界各地の女子高を訪問し、カードバトル(3セットマッチ)に勝つとそのポイントはクリア。途中連戦もありますが、8回勝てばエンディングです。対戦前の会話シーンでは選択肢が現れ、ここでパートナーの好感を得たかどうかでエンディングが異なります。
レビュー
まず最初に断っておきますが、シナリオが、あかほりさとるです。オープニングでいきなり校長に「行け、弟子あかほりよ!」「その名前だけはヤメテ」と自虐ネタかましてくれます。その後もお約束の展開(自虐の矛先が主人公にも向けられて、雷に撃たれたりする等々)がラストまで続くので、この時点で電源切るのが一番賢明かも知れません。

ゲームのほうはオリジナルルールのトレカゲーで、勝利条件は自分の生徒を3人卒業させることです。手札から場へ出した自分の生徒に、エンチャント付加やスペルでグレード(学年)を上げて、4以上にしたら卒業。もちろん対戦相手のそれを妨害するカードやキャラの能力もあって、そこらへんが駆け引きになっているわけです。しかし相手を妨害すること自体は勝利条件に結びつかないので、相手を気にせず自分の生徒のグレード上げに集中したほうがベター。もうこの時点で対戦ゲームというアイディンティティが崩れてます。

このように相手のプレイを我関せずで突っ走ったほうが安定した勝率が見込める一方、グレードの高いキャラの持つ効果が強すぎで、特定のキャラ2体が場に出ただけでロックが完成してしまいます。グレードの高いキャラでも場に出すための制限は変わらないので、1ターンめから出てくることもザラ。ですから、相手のロックがかかるのが先か、その前に3人卒業させるのが先か・・・勝負は最初に配られた手札と、山札の上から5枚目くらいまでの内容で決まります。デッキ構築を極めてしまうと、プレイングが関係なくなる、運だけのゲームになります。
しかもCPUが使うデッキはそんなロックデッキばかり。最初の対戦相手から、レアカードが3枚ずつ入った豪華なデッキでガンガン固めてきます。ルールもまだわからないうちからロックではめられるので、非常に嫌な思いを全てのプレイヤーが必ず味わうことになります。95%の人は、この時点で投げるでしょう。

一応、声優とイラストレーターは一流なんですが、トータルで見ると明らかにマイナス要素のほうが強すぎます。どうにか最後までプレイしてパーフェクトエンディングなるものを見たんですが、苦労が報われなかったことだけは声を大にして言いたいです。

総評:
人外スキーとしてキャラカードのプロフィールに興味があったんですが、アルバムモードのデータ管理がチンケで激しく失望しました。ストーリーモードの試合中に卒業させたキャラしか登録されないんですが、ラストまで行っちゃうとボスとしか対戦できないから、見たいキャラを登録させるのはえらい難儀(というかそんなことしてたら勝てない)。長く楽しめる要素になり得たところだけに、しっかり作って欲しかったです。
攻略ガイド
まず、カード増殖の裏技があります。これは、1枚でも入手したアンコモン・コモンのカードを9枚にできる(レアは不可)というものです。手順は次の通り。
1)あらかじめ、増殖したいカードの余り(デッキに入れない)枚数を1〜2枚にしておく。
2)「練習」モードの後のトレードで、カードを選択し、3枚と交換を選ぶ。
3)増殖したいカードを選び、手持ちの枚数を0枚にしたら、右側の「あげる」にカーソルを動かし、○ボタンで決定する。
4)ポップアップメニューが出るので、ここで×ボタンを押してキャンセル。すると、手持ちの枚数が9枚になっている。

さて、どうしても勝てない人向けに、私が中盤〜ラストで使っていたデッキを紹介します。色は黄色、手札が良ければ先手2ターンで瞬殺できる速攻デッキです。

【キャラカード】
・鳳仙花 x3
・ジョゼ x3
・一文字菊花 x3
・シャーロット x3
・宋菜花 x3
・アルセーヌ x3
【イベントカード】
・リーダーシップ x3
・団体行動 x3
・クラブマスター x3
・大抜てき x3
【プレイスカード】
ノホホン祭 x1
コンサート洞窟 x2
シネマドーム x3
装飾館 x2
フラワーク x2

見てわかるとおり、スリーピースとシャル/アルでグレードを上げていきます。この効果はイベントではないので防ぎにくいこと、卒業した後に出しても残りのキャラのグレードアップを補助できるため2枚めが無駄にならないこと、この2点が大きなメリットです。「ジョゼ」は他のキャラカードでも可。お好みでレジスト持ちやモブキャラ入れてください。
「リーダーシップ」と「団体行動」はスタート時には持っていませんが、どちらもアンコモンなのでストーリーやトレードで手に入ると思います。揃わないうちは「一夜漬け」で代用しましょう。「VPS」を入手したら「大抜てき」1〜2枚と交換してもいいです。「クラブマスター」はデッキ圧縮の意味が大きいので抜かないように。
プレイスカードは「ノホホン祭」を運良く手に入れたら投入します。「コンサート洞窟」か、「装飾館」「フラワーク」を代わりに抜くことになりますが、相手のモブがうるさかったら前者を、青桃キャラがうるさかったら後者を抜きましょう。
出演声優
氷上恭子、池澤春菜、かかずゆみ、小西寛子、大谷育江、
(以下サブキャラ。スタッフロールで確認)水谷優子、天野由梨、増田ゆき、矢島晶子、井上喜久子、富沢美智恵、川上とも子、岩男潤子、こおろぎさとみ他
関連ソフト
アクエリアンエイジ 東京ウォーズ(PS/ブロッコリー)

 

   

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