◆サイバー大戦略◆

 

 ● 製品データ
タイトル  サイバー大戦略 出撃!はるか隊
発売日  1999年2月4日 メーカー  システムソフト
定価  6,800円 ジャンル  戦術SLG
廉価版  SuperLite 1500 シリーズ/2000年9月28日/サクセス/1,500円
関連商品  なし
   
 ● 評価
外見衝撃度  パッケージデザインは悪くない。でもサブタイトルの「はるか隊」が
 ちょっと人を選びます。
 ★★
超越世界観  ありがちな電脳未来ですが、ハッカーとの攻防が大戦略ってのは
 どうなんだろう。ネットの中に都市とか森とか山地があるし・・・。
 ★★★
声優度  声は一切なし。
 − 
演出度  ジャンル的に地味ですが、戦闘シーンは頑張ってます。
 あと、エンディングムービーがすごく良かったです。
 ★★★
時間報奨  リトライでサポートプログラム(アイテム)が入手できます。
 SLGが苦手な人でも、これでなんとかなります。
 ★★★★
牽引力  全体のストーリーは突っ込みどころ多々あるけど、
 気になる展開です。
 ★★★
ゲーム性  地上ユニットと航空ユニットの使い分けが、適度に頭使います。
 ★★★★
快楽性  レスポンスは良好。コマンドキャンセルも使いやすくて、
 良いインターフェイスです。
 ★★★
芸術点  多分かなり調整かけたであろう、難易度曲線が絶妙。
 それでも最終面近くはきつすぎですが。
 ★★
所有価値  出回り少ないです。SLG好きなら抑えておくべき。
 ★★★
総合評価  実に優等生的なゲームです。たまには脳みそ使ってみたい人向け。

54点

   
 ● コメント
イントロ
21世紀初頭。新世代ネットワーク「PINA」によって、生活のあらゆるものが管理されている時代。ネットワーク犯罪という新たな問題を解決するために、「ネット・スライダー」と呼ばれる非公認の職業も存在していた。
そんなある日、主人公、未来時生(名前変更可能)は、八王子サイバースクールに転校してくる。そこで出会ったネットスライダーチーム「はるか隊」のリーダー、春日はるかとメンバーであるレオナルド・バークレイ(通称レオン)。彼ら3人は、最近頻発するネットワーク犯罪の影にある、大きな陰謀へと巻き込まれていくのであった。

やってることは大戦略ですが、背景となるストーリーもそれなりに楽しめるようになってます。登場人物は上に挙げたはるか隊の3人のほか、彼らに協力するジャンク屋の店主(はるかの両親と昔チーム組んでいた)、レオンがナンパする謎の美少女ライラ(綾波系)、主人公を「お兄ちゃん」と呼ぶこれまた謎のロリっ娘ミラ、中佐と呼ばれる謎の軍人、ライラを監視する謎の美女・・・と謎づくしデス。
レビュー
全体の構成は、「だったら麻雀で勝負よ!(ビシッ)」という脱衣麻雀のお約束を麻雀から大戦略に置き換えたものです。ネットワークと生活が密着しているから、「ドアが開かない!しまった閉じ込められた」→「ネットワークにドアオープンプログラム妨害ウィルスが仕込まれているんだ!」→「はるか隊出動!」という流れ。じゃあなんで大戦略なの?という疑問をはさむ余地もありません。主人公のもとに謎の存在から送り込まれてきたハッキングプログラム、それがこのDAISENRYAKU(大戦略)。この説明だけで登場人物みんな納得。まぁ後半〜ラストでこのプログラムを作った人物とか送り主が明らかになるんですが、最後のオチがそういう存在ってありなの?みたいな。突っ込むのが疲れるほど、謎→解決したけど新たな謎の連環です。御都合主義というより、次の話考えてないで連載してる週刊漫画のようなストーリー。

そんなちょっと薄味のストーリーとはうらはらに、ゲーム部分はやり応えありです。序盤こそチュートリアルですが、後半、特にラスト2面あたりは詰将棋やってるような気分。ユニットは大きく飛行部隊と地上部隊に区分され、攻撃力も対空/対地2つのパラメータを持つため、ユニットごとの相性がかなりはっきりしています。ここらへんが実にパズルチックで面白い。なお、ユニットの経験値は次のステージへ引き継がれますが、「生産」コマンドはありません。
それと、ゲーム面の救済処置として、サポートプログラムというものがあります。これは、ステージクリアごとにネットスライダーレベル(プレイの上手さ。具体的には経過ターン数と破壊されたユニット数の少なさ)に応じて、いわゆる「アイテム」がもらえるというもの。1ユニットにダメージまたは回復または再行動を与えたり、全ユニットの耐久力を半分にすることができます。なお、マニュアルによるとネットスライダーレベルが高いほど強力なサポートプログラムがもらえるとのことですが、プレイした感じでは逆みたいです。まぁそのほう(プレイが下手なほど強力なアイテムがもらえる)が理にかなっていていいんですけどね。

総評:
実のところ、多少突っ込みどころあるストーリーのほうが読んでて面白いし、話を読ませることを目的としたADVではないので、これはこれでありだと思います。しかしひとつだけ苦情を言わせて下さい。それはデータ管理画面の出るタイミング。ステージクリア後にデータ管理画面が出ます。ここではデータのセーブ/ロードの他、既にクリアしたステージのリトライができるようになっています。しかしステージクリアしないとリトライを選べないので、セーブデータを上書きしていると、前の面やり直して経験値稼ぐことができないのです。普通はステージ入る前に管理画面が出るのですが・・・これはヘタするとハマります。なお、リトライはストーリー自体もそこまで戻されます。ステージ10まで進んでる状態でステージ5をリトライすると、ステージ6〜9ももれなく付いてくるんですね。これもちょっとどうかなと。
攻略ガイド
各ユニットは成長限界があります。ステージ19までに最大まで上げておきたいところ。戦闘機・爆撃機(=戦闘ヘリ)は399、戦車は299、自走砲・対空車両・戦艦は199が経験値の限界。100ごとにレベルアップ(機体チェンジ)がありますが、経験値アップでもHPが増えていくので、限界まで上げておきましょう。

難関ステージの簡単な攻略指針。
・ステージ17:戦車と自走砲は西回りで北上、戦艦と航空部隊は中央で敵戦艦の破壊、対空車両は北回りルート。この指針で友軍とともに進攻すれば問題なし。結構簡単。

・ステージ18:1ターン目に戦艦と戦闘機で敵の戦闘機を1機破壊。2〜3ターン目で中央左の港へ自分の戦艦を停泊させます(戦闘機は戻らせる。中央右の港は友軍の戦艦に使わせる)。そこでしばらく粘って、橋の上や西側大陸の敵地上部隊を減らしていきます。この間、自分の地上部隊は一切動かしません。全て友軍に任せます。敵の戦艦x2と空中要塞が破壊できた頃に進軍。敵本拠地は硬くて反撃してきますが、航空部隊や対空車両で周りを囲み、攻撃威力を上げれば戦車や自走砲の3撃で倒せるはず。

・ステージ19:ステージ20にも戦闘はありますが簡単なので、ここでアイテムを全て使っていいです。目の前に見える敵戦艦はおとり。港上に停泊されてると硬いので、射程距離外にこちらの戦艦・自走砲・爆撃機を止めて港から出てくるのを待ちましょう。のこのこ出てきたところを集中して叩きます。航空機は出すぎないように。特に戦闘機は対空中要塞用として、大事に使います。一撃食らったらすぐ港へ引き返すこと。空中要塞にはダメージ系のサポートプログラムを使いましょう。あと自分のユニットや大事にしたい友軍ユニットに回復プログラムを使うのもいいです。敵のCPUは移動要塞ということで戦場に出てきます。敵戦艦を破壊し、その港に自分の戦艦が停泊できる頃になると、戦艦の移動+射程内まで来てるはず。ダメージ系プログラムを叩き込んでとどめに戦艦の一撃でステージクリア。

最後に、知っておくと便利なADVモードのキー操作。
R2ボタン押しっぱなしでメッセージが瞬間表示されます。また、R2+×ボタン押しっぱなしでメッセージ高速スキップです。
出演声優
なし。
関連ソフト
ファミコンウォーズ(FC等/任天堂)

 

   

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