◆パネキット◆

 

 ● 製品データ
タイトル  パネキット
発売日  1999年8月25日 メーカー  SCE
定価  5,800円 ジャンル  3Dコンストラクション
廉価版  なし
関連商品  攻略ガイドがあるらしいです。かなり探してますが見つかりません。
   
 ● 評価
外見衝撃度  タミヤの工作キットみたい。ちょっとワクワクします。
 ★
超越世界観  生物のいない群島で黙々とパネルを組立てます。生物の死滅した
 未来の地球に残ったAIが、自らを進化させて文明を復興する話かも。
 ★★★
声優度  チュートリアルにて、ナレーターが丁寧に解説してくれます。
 これが予想外に良かったです。
 ★★★
演出度  演出は地味です。自分で作ったモデルが思い通りに動くようになる
 部分で得られる感動のほうが大きい。
 ★★
時間報奨  序々にパーツを入手し、作成できるモデルの幅が広がっていく
 さじ加減は絶妙。全てを集めても、永遠に遊べます。
 ★★★★★
牽引力  もの作りが好きなら楽しいんですが、できれば一緒に楽しむ人が
 いるとなお良い。お互いのモデルを競ったり自慢したりできます。
 ★★★
ゲーム性  次のステップへ進むための競技(チェックポイント)がありますが、
 それをクリアする手段は自由。それすらも自分で見つけます。
 ★★★★★
快楽性  コンストラクション部分の操作性は抜群。この点だけでも勉強に
 なります。あえて言えば、ペイントで範囲塗りつぶしが欲しかった。
 ★★★★
芸術点  このソフトの企画そのもの評価したいです。
 パーツ数を減らし、シンプルで敷居の低い作りにしたことも良し。
 ★★★
所有価値  入手困難。しかし本当に欲しい人の手だけに渡って欲しい気も半分。
 ★★★★
総合評価  レゴ等の組立ておもちゃが好きなら、無茶苦茶はまると思います。

66点

   
 ● コメント
イントロ
波の音だけが静かに、寄せては返す無人島。ある日突然目覚めた「それ」は、自分が必要最低限のパーツだけで構成されている、実にちっぽけな存在であることに気がついた。コアパーツにつながっているのは、6枚のパネルと4個のタイヤと1個のYジョイントのみ。もっと複雑に、巨大に進化しなくては・・・。そう考えた「それ」は、自分の血肉となるパーツと、それらを効率よく機能させるための設計図を求めて、無人島を探索し始めるのであった・・・。

と、勝手にSF調のストーリーをでっちあげてみましたが、雰囲気は間違ってないと思います。島中に散らばっているパーツや設計図を集め、あちこちにある競技(ミニゲーム)をクリアしていきます。その島の最後にある競技をクリアすると次の島への道が開かれ、最終的には全てのパーツと設計図を入手することが目的です。

パーツは以下の種類があります。
・コア:モデルの基準となるパーツ。モデルの前方向はこのパーツが決める。
・パネル:モデルの電力供給源であり、ボディを構成する。ソーラーパネルだと思う。
・ジョイント:操作によって折れ曲がることのできるパーツ。X軸・Y軸・Z軸の3タイプがある。車のハンドルや飛行機の主翼・尾翼の向きを変えるときに使う。
・モーター:モーターの先に付いているパーツを回転させる。ヘリコプターとか。
・タイヤ:回転するゴムで囲まれた輪。3個で三輪車にしても良い。
・ジェット:推進力を生み出す機関。車のターボや飛行機に。
・シューター:弾(またはレーザー)を発射する。これを使った競技がある。
レビュー
ゲームを始めたばかりのときは、操作性も悪く、加速も良くない小さな車でしかありません。道なりに沿って進んでいくとヒントの書かれた看板が見つかり、これらを読んでいくと基本的な操作方法がわかってきます。落ちているパネルを拾ってモデルに追加すると、出力も上がってスピードが上がります。車体を流線型にして空気抵抗を減らすと、加速も良くなります・・・。
こうして入手したパーツを組立てていくことで、最初はただ走るだけの車でしかなかったモデルが、ものを動かしたり、弾を発射したり、ジェットで空を飛べるようになります。集めたパーツをどのように組合せると機能的なモデル(重心のバランスが取れた飛行機など)になるかは、設計図を入手することでわかります。もちろん、集めた設計図通りにモデルを作るだけではこのゲームの楽しさを半分も味わっていません。設計図のモデルをベースに自分でパーツを追加・修正し、モデルを改良していく過程こそが、このゲームの面白さです。

例えば、単純にタイヤを多くしただけでは、タイヤ1個あたりに供給される電力は減るのに車体が重くなるため、スピードは出ません。パネルの供給電力1に対してタイヤの最大消費電力は8ですから、この比率でモデルを構成すれば無駄なく電力を消費することができます。ジェットを使ってさらに最高速を上げることもできます。一方ブレーキのときは、空気抵抗が高くなるようにボディを変形(ジョイントで操作)させることで、減速効果を高めることができます。
とまぁこれらはマニュアルや入手した設計図に書いてある内容の受け売りなんですが、このようにモデルを試行・改良していくことで無限の楽しみがあるわけです。作ったモデルは、テストモードでモデルに働く力(空気抵抗やタイヤ・ジェットが発生させているパワー)を確認することができます。作ったモデルがどうしても傾いてしまうのであれば、何か別の力が働いてないか、タイヤの出力パラメータが左右均等か、ここでチェックすることができるわけです。

ちなみにモデルの作成ですが、基本的には平面上に広げられたパーツを折り曲げて(15度単位)作ります。3Dということで生理的?に苦手な人もいるかもしれませんが、折り紙で鶴や兜を折るのと近い感覚ですので御安心を。

総評。
これまで述べてこなかった対戦要素について。実は、あります。いくつかの競技は2人で結果を競い合うことができるので、自作したモデルを持ち寄って対戦することができます。モデル自身の性能と、モデルを操作する技術の両方を駆使して戦うのは面白いと思います。
攻略ガイド
正直なところ、人様に攻略を紹介できるほどやり込んでません。というか、基本操作を超えた、いわゆるTIPSはマニュアルにもちりばめられているので・・・そちらを参照するか、ネットで検索してみてください。
出演声優
川上とも子
関連ソフト
ダンジョンクリエーター(PS/EAV)

 

   

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