マリオブラザーズ
MARIO BROS.
ゲーム&ウォッチ/任天堂


Written by T鈴木





髭兄弟の初主演作品!



今でこそ世界的に有名なマリオ&ルイージの兄弟ですが、その初出は多くの人がアーケードゲーム「マリオブラザーズ」と思っているはず。
が、それより4カ月前の1983年3月14日、すでにゲーム&ウォッチシリーズとして「マリオ兄弟」は登場していたのである。
アーケード版の移植…と見せかけて、実はゲームウォッチに先に登場していたなんて、侮りがたしですね!髭兄弟(もっともそんな事実は多くのメディアで普通にスルーされ、やはりアーケード版が初出ということになっている場合が多いが)。





横開き型マルチスクリーン



左右横開き型マルチスクリーンだ。
本体は「ドンキーコング」「オイルパニック」と異なり、左右横開き型のマルチスクリーンとなっています。
この横開き型、海外では「レインシャワー」「ライフボート」などが発売されていますが、日本国内発売ではこの「マリオブラザーズ」のみ。
G&Wファンの間では「横開きマルチにハズレなし」が定説となってるだけに、実に惜しい感じがしますね。

ゲーム内容はアーケード版やファミコン版と大きく異なり、ビン詰め工場が舞台となっています。
右下から出てきた箱がコンベヤーを左右に流れてくるので、マリオ(右側)、ルイージ(左側)を同時に操作し、最上段まで運んでトラックに詰め込みましょう。
ちなみに箱は画面中央を通り抜けるたび空→ビン2本→4本→8本→フタ→ラッピングというふうに変化していくぞ(どんな職場だよ)。




アーケード版「マリオブラザーズ」





トラックに詰め込め



箱を一段上に挙げるたびに1点追加、トラックに8個詰め込むと10点のボーナスが入ります(その後トラックが出発し、休憩タイム)。
また、トラックは最初無人なのですが、6個詰め込んだ時点でドライバーが現れ、エンジンをかけ始めます。
こういう細かい演出にも抜かりない辺り、さすがゲーム&ウォッチ!という感じがしますね。
8個トラックに詰め込むと出荷。一休みできるぞ





マリオvsパワハラ



ビン箱を落とすと上司に叱られる
箱を落とすと哀れビンは砕け、上司に怒られてしまいます(その割にはトラックにポイポイ荷物を投げてるが…)。
零細企業の現場で働く中年男の悲哀を描いたようで、何ともいたたまれない気持ちになりますね。
てかあまりに理不尽な職場な為か、この後さっさと配管工に転職するわけだが(笑

ちなみにミスしても箱はそのまま残り、再開しても現状のまま続行となりますが、コンベヤの隅にあった箱だけは消去されます。
こういった細かい心配りもうれしいところですね。

また、例によって300点に達したらミスは帳消し、ノーミスの場合は得点が2倍になるチャンスタイムとなります。
大変難易度が高いゲームだけに、このチャンスタイム制は至極ありがたいところです。





名作だがとっつきにくい!?



左右同時にキャラを操作しなければならないため、大変難易度が高く感じられる「マリオブラザーズ」。
従来のシリーズと比べ、ちょっととっつきにくい感じがするのか、はたまた比較的ブーム後期に発売されたためか、「ドンキーコング」「オイルパニック」ほどのヒットはしませんでした。

筆者も近所の模型店で見たのですが、誰も買わずに10年ぐらい放置されてたなぁ(笑
あと1995年ぐらいに秋葉原などで発売された逆輸入Ver.は、クレーンゲームの景品にされていたり。

ちなみにかの有名な「POKKA景品版」もあるのですが(箱や本体に「POKKA」のロゴマークが付いている以外は同内容)、これ、オークションサイトに「これでもか!」って言うぐらい出品されてるんですが、一体何人ぐらいに配布されたんでしょうね〜?
「もしかしたら通常版より多いんじゃ!?」
と思わず疑ってしまうのでした。
「マリオブラザーズ」のパッケージ





「マリオブラザーズ」の全キャラパターン







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