ディフェンダー
DEFENDER
ELECTRONIC ARCADE/ENETX


Written by T鈴木





進めディフェンダー!



ENTEX「ディフェンダー」です。
海外のみ発売ですので、日本に住んでいる限りあまりなじみの馴染みのないタイトルかと思われますが、オリジナルのアーケード版は国内でもタイトーから委託販売されていたので「ゲーセンでプレイしたことがある!」…という方も多いのではないでしょうか。
そう、やたらボタンの多い、「グラディウス」や「ファンタジーゾーン」の元となった、あの横スクロールシューティングです!

ちなみに「ディフェンダー」の電子ゲームとしては、国内でもエポック社が「スペースディフェンダー」として発売していますが、これがハッキリいって完全別もの
「ディフェンダー」のタイトルこそ冠しているものの、横スクロールシューティングということぐらいしか共通点のない、ひどくガッカリ商品だったことを思い出します(ゲームとしての出来はともかく)。

今回紹介するENTEX版「ディフェンダー」、どこまでオリジナルのアーケード版に迫っているのでしょうか!?





どんなゲーム!?



AC版同様、横スクロールSTGだ。
アーケード版同様、基本的には横スクロールのシューティングゲームです。
ただしスクロールは強制ではなく「スラストボタン」で任意に行うことになります。

画面上のすべての敵を倒せばステージクリア。
(ステージ数は画面右上に10、5、1の数字を組み合わせて表示されている)

エクステンドは1000点ごと。

自機がすべてやられるとゲームオーバーだ。



AC版「ディフェンダー」(ウイリアム)





複雑な操作体系!



まず本体を見てみましょう。
ボタンの多さ、健在です!
アーケード版自体、レバー+5つのボタンを駆使する超複雑操作でしたが、電子ゲーム版もそこはしっかり受け継いでいます。
てか、これがないと「ディフェンダー」とは言えませんよね!?

それでは各ボタンの説明に入りましょう。




@ ◆スキルレベル(SKILL LEVEL)
1か2か選択。2を選択するとゲームスピードが速くなる。
A ◆サウンド(SOUND/OFF/MUTE)
ゲーム中のサウンドの有無を選択。静かにプレイしたい人はMUTEに入れとこう。
B ◆アップ(UP)
ディフェンダーシップ(自機)を上に移動する。
C ◆ダウン(DOWN)
ディフェンダーシップ(自機)を下に移動する。
D ◆リバース(REVERSE)
押すと自機が現在進路と逆方向を向く。スクロールも逆。まさかこれが再現されていようとは!
ちなみにゲームオーバー後にこのボタンを押すと、
前回取得したスコアが見られる。
E ◆ハイパースペース(HYPERSPACE)
いわゆるワープ。高速スクロールして現戦闘エリアから脱出する。緊急回避にどうぞ。
F ◆ゲームスピードコントロール(GAME SPEED CONTROL)
ゲームの進行スピードを調節できる。ENTEXの電子ゲームにはよく付いている。
G ◆スラスト(THRUST)
自機を前進(画面をスクロール)させる。
H ◆ファイヤー(FIRE)
レーザーを発射。電子ゲームにありがちな単発の弾ではなく、ちゃんとレーザー(っぽく)なってるぞ。
なお、
このボタンを押しながら電源を入れるとゲームのデモ画面になる。
I ◆スマートボム(SMART BOMB)
コンバットゾーン(※後述)にいる敵をすべて殲滅する。当然ながら数に限りがある。
J ◆スタート(START)
ゲームをスタートさせる。ちなみにいつ何時押してもゲームがスタートしてしまうので、プレイ中にうっかり押さないよう注意!





登場兵器の色々



ディフェンダーシップ(DEFENDER SHIP)
プレイヤーが操作する自機。とても操るのが難しい、融通の利かない奴
武器はレーザーキャノン。
最初は3機しかいないが、1000点ごとにエクステンドする。
ランダー(LAMDER)
メインの敵。倒すと10点(地表スレスレで倒すと20点)。
横方向だけでなく、下方向にも弾を発射する。
主な目的は
人間の誘拐
ミュータント(MUTANT)
ランダーが人間を誘拐し、食べてしまうとこうなる。
ランダーよりも動きが速く、トリッキーに。
倒すと15点。
人間(HUMAN)
画面下に初期状態で10人配置
常にランダーにさらわれる危険に晒されている。

スマートボム(SMART BOMB)
画面上の敵を一掃するスマートボムの残り表示。
1000点取得ごとに1発増える。





反転を使え!



反転と言えば「ディフェンダー」!
「ディフェンダー」と言えば反転でしょう!(意味不明)
敵に後ろに回り込まれたら、「リバースボタン」を押して素早く反転しよう。
(AC版同様、右だけでなく、任意で左にスクロールもするのが実に斬新です!)

と言っても「ファンタジーゾーン」のようにレバーでクルッと向きを変えるのではなく、ボタン操作と言うところが、このゲームの高難度化に一役買っているのことは、火を見るより明らかであろう。

ボタンで逆スクロールに





ワープだ!



緊急回避用にぜひ
「ハイパースペース」ボタンを押すと、一定距離を高速スクロール、いわゆるワープとなります。
敵に囲まれ、戦場から一時離脱したいときなどに使いましょう。
(と言ってもあまり使わないかな?)





スマートボムだ!



敵に囲まれ、本当にどうしようもなくなったときに使う最終兵器、それがスマートボムだ。
現在のシューティングゲームにもその理念は継承されている、由緒正しい武器なのです。

ちなみに画面上すべての敵を一掃してくれるわけではなく、効果があるのはコンバットゾーンの敵のみです(下記画像参照)。

スマートボムで消した敵も得点になるので、充分に敵を引きつけてから使え!

コンバットゾーンの敵を一掃。



ちなみに左の青色の部分がコンバットゾーン
スマートボムの効果があるのはこの位置だけ。
敵と直接戦闘できるのもこのエリアだけだぞ。





人間を救え!



敵(ランダー)の最大の目的、それは人間を誘拐すること!
誘拐された人間はランダーに同化され、凶暴なミュータントになってしまいます。

ミュータントはランダーに比べスピードが速く、動きもトリッキーです。
またステージクリア後は、人間の生存数だけ(×10点の)ボーナスが入るので、ランダーが人間をさらったら、優先して倒しに行きましょう(くれぐれも間違えて人間を撃ってしまわないよう!)。

ちなみにスコアは
ランダー……10点(地表スレスレで倒すと20点)。
ミュータント……15点。

となっているぞ。

人間が誘拐されたら素早く倒しに行こう!



落下する人間を受け止め、地表に送り届ければ高得点。
なお、せっかく人間を救出しても、あまりに高度が高いと(具体的に言うと最下層より5段目以上)落下した人間は死んでしまいます。

しかし、落ちる人間をうまく受け止めれば50点。
地表まで無事送り届ければ50点のボーナスだ。

危険なので積極的に行う必要はないが、余裕があれば狙っていきたい。

なお、敵が最後の1匹だった場合、倒すと強制ステージクリアになってしまうので、狙っても無駄だということを覚えておこう。





すべての人間が死んで(またはミュータントとなって)しまうと、画面上が大爆発!
地表はすべて消し飛び、以後の戦いはすべてミュータントとのみとなってしまいます。

こうなるとクリア後の人間生存ボーナスもなくなってしまいます。
ゲームオーバーにはなりませんが…なるべく避けたい状況ですね。

ちなみにアーケード版では一定ステージ進むと地表が復活しましたが、この電ゲー版ではなし!(き、厳しい…)
人間が1人もいなくなると以降はミュータントの戦いのみ





スーパー神移植!



「ディフェンダー」のパッケージ
と言うわけで、ゲーム性云々抜きにして、移植作としてはかなり神がかってます。

ハッキリ言って、日本のメーカーが出した各種移植作など軽く凌駕するほど。

リバースやワープ、スマートボムなどのギミックの再現だけでなく、人間救出時の各種ボーナス、地表大爆発の演出など、挙げていけばキリがありません。

複雑な操作がちょっと残念ですが…これもアーケード版を継承した由縁でしょう。
筆者的にはアリだと思います。

ところでこのENTEXと言うメーカー、日本国内でも「ハングリーパック(パックマン2)」「アストロギャラクシー(Galaxian2)」などを輸入販売しましたが、あまりに少数なため、殆ど見なかったりします。
どうやら日本市場からはすぐに撤退したようですが、そのまま日本市場に居続けたら、この「ディフェンダー」や、続編の「スターゲート」。「タートルズ(ターピン)」なども発売されたのでしょうか…?

そういった電子ゲームの、歴史のIFに想像を廻らしてみるのも楽しいかもしれませんね。





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