パックマン2
PACMAN2
ELECTRONIC GAMEENTEX


Written by T鈴木


海外版パックマン

「2なんてあったのかよ!?」
・・・・と大多数の方が思われるかもしれませんが、あります(笑)。
ENTEXという海外メーカーが発売したものなので、あまり馴染みがないかもしれませんが、一応日本でも「ハングリーパック」と言う名で発売されたので、そちらをご存知の方のほうが多いのではないでしょうか?
もちろんトミー版「パックマン」とは何の関係もないのですが、じゃあ何で「2」かと言うと、ただ単に2人同時プレイができるからなんですね〜(何て直球なタイトル!)。
というわけでこの海外電子ゲーム「パックマン」。気になる内容の方は!?

なかなかの移植度


アーケード版の雰囲気を再現!

ゲームは、基本的にアーケード版に忠実です。
モンスターに捕まらないように迷路内にあるエサを次々と食べていき、全てのエサを食べ尽くしたらクリア。
パワーエサを食べれば一定時間パワーアップし、逆にモンスターを食べることが出来ます・・・・ってもはや説明するのもバカバカしいですね?(笑)

で、こういう移植モノでマニアが一番気になるのがオリジナルとの違いなのですが、いくら忠実と言っても所詮は電子ゲームですので、いくつか違う部分があります。
具体的に言うと・・・・

(1)・フルーツターゲットがない。
(2)・コーヒーブレイクがない。
(3)・パワーエサが普通のエサより大きくない。
(4)・モンスターの性格づけがない。
(5)・パックマンが右を向かない。

・・・・といったところでしょうか(細かい部分を言えばもっとたくさんありますが)。
「そんなの電子ゲームなんだからしょうがないじゃん!」
と言われればそれまでですが、(1)のフルーツターゲットはトミー版やコレコ版「ミズパックマン」で再現されているし、(2)のコーヒーブレイクはバンダイ「パックリモンスター」にあります。(3)のパワーエサもトミー版が星の形として差別化してますね。
(4)と(5)は・・・・しょうがないですね〜(苦笑)。

でも左からでもエサは食べられるし、迷路もアーケード版と似てるし(ワープトンネルもあるぞ)、モンスターを連続で食べるとスコアが倍々になっていくというシステムも再現されています。
もちろんスタートミュージックもアーケード版を意識したものになってるし、無理に移植してゲームバランスを崩すことなく、可能な限りオリジナルに近付けた内容になっているのではないでしょうか?
トミー版のように動きもトロくないしね(笑)


パックマンゲームリスト(赤枠は海外のみ)


名前 メーカー 形態 備考
パックマン トミー FL 国内では唯一オリジナルのナムコの承諾を得たもの
MUNCHMAN グランドスタンド FL 「パックマン」のヨーロッパバージョン。
プログラミングパワーマン トミー LCD 開発中はタイトルが「パックマン」だった(発売時にタイトル変更)。
モンスターヒーロー トミー LCD 腕時計タイプとスタンドタイプがある。
パクパクマン エポック LCD 「1」と「2」があり。
エポックマン エポック LCD 「パクパクマン」の海外版。スクリーンが縦と横のと2種類ある。
MINI−MUNCHMAN グランドスタンド LCD 「パクパクマン」のヨーロッパーバージョン
パクパクドラえもん エポック LCD 「パクパクマン」と同じ。
パックリモンスター バンダイ FL
パックモンスター 学研 FL
スーパーパックモンスター 学研 FL
パックマン コレコ FL 学研「スーパーパックモンスター」と同内容。
ミズパックマン コレコ FL
パックマン2 ENTEX FL
ハングリーパック ENTEX FL 「パックマン2」の日本版商品名。
ハングリーパック3 アサヒ玩具 FL
モンスターメイズ ROSY FL 3Dタイプ。国内でも発売されたようだが殆ど見ず。
LuckyPucky GOLIATH FL


コレコ「ミズパックマン」 GRANDSTAND社「MINI-munchman


モンスターを操作しよう

前述した通り、この「パックマン2」では2人同時プレイができます。
と言っても、パックマンが2匹出てきて協力するわけではなく、2プレイヤーはモンスターを動かすこととなります(この辺は同社「TURTLES」と同様ですね)。
単なる鬼ごっこのようですが、これがなかなか楽しいです。
はっきり言って1人用ではすぐ飽きてしまうようなゲームなのですが、この「パックマン2」が本領を発揮するのは2人プレイなのです!
モンスター側に残機制限がないのがちょっと卑怯ですが(苦笑)、敵を操作するなんて、ちょっと斬新ですよね!?


ミッドウェイ


「パックマン2」のパッケージ

と、言うわけで、数あるパックマン電子ゲームの中では、なかなかの出来となっているのではないでしょうか?
良く言えば忠実、悪く言えば際立った特徴がない・・・・とも言えますが。

ちなみにこれを発売したENTEXというメーカー、他にも「ディフェンダー」「クレイジークライマー」「タートルズ」(コナミ「ターピン」の移植)「スーパーコブラ」「スターゲート」などのそうそうたるアーケードゲームを電子ゲームに移植しています。
その移植具合から見ても、日本のメーカーに勝るとも劣らない、技術力に定評のあるメーカーですね。
機会があれば、海外のオークションサイトなどで探してみてはいかがでしょうか?

ところでこの「パックマン2」。
「オリジナルのナムコの承諾は得たの?」という疑問があるかと思われますが、パッケージを見ると「Licensed by Midway」と書いてあります。
どうやらミッドウェイ社から承諾を得たようですね(ミッドウェイ社はナムコから海外でのパックマンに関するライセンシティを得ています。豆知識)。
そこらのパッチモンと同じではないのだ!(笑)



週刊電子ゲームレビュー目次に戻る