隠し部屋へようこそ vol.21

けん爺、富士山へ登る 

2005年7月17日、第1回チキチキアロ産富士山OFF に参加ということでなぜか富士山に
登ることになったのであった。
メンバーは、アロワナ産業株式会社会長&かおりん、かばさん、あっちゃんと僕の五人である。

17日深夜一時、かばちゃんが迎えに来てくれ、あっちゃん宅に向かう。
一時半に着き、そこから二時過ぎに富士山に向けて出発。
ありがたいことに、おにぎりと玉子焼きとウィンナーをいただいた。
あっちゃんの家族にはいつもよくしてもらって、ほんとに感謝です。
途中のパーキングでありがたくいただく。美味しいがなー(笑。

富士山五合目のパーキングについたのは、午前七時半ぐらいだったろうか。
この時点では天気が悪く寒い。。
一同の顔はやる気を失っているように見えた、、見えただけかも(僕が一番やる気がない。
上の方のパーキングはすでに満杯で、下の方に車を止めたため登山口まではかなりあるようだ。
リュックを背負う。かなり重い(泣。
歩き始める。いきなりの試練だ(大げさ。
そこへ、商売上手なタクシーの運ちゃんが声をかける。
「歩くと20分!車なら一分だよ!料金は650円!」
もちろん乗りますがな(笑。

そこで高度順応のため、しばし休憩。


五合目といってもこんな景色である。
標高2305メートル。

トイレに入る。
虫だらけである(大泣。
「富士山は高いから虫はいないよ」とだれかが言ってたはずだ。
騙された。












あんなところまで登るのか?
いけるのか?
ほんまにいけるのか?


午前八時過ぎ、登り始める。
六合目は2390メートル。
約85メートル、登ることになる。
ちょっとしんどいが、なんとかみんなと同じペースで
ついていく。

下りの人とすれ違う。
下りてきた人たちは、ご来光を見れなかったらしい。
期待感が薄まる。





午前九時、下山の道とは別になり徐々に高い所へ。
六合目は過ぎ、七合目へと向かう。
七合目は2700メートル。
今度は310メートル登ることになるのだが、
あっちゃんのペースには付いていけない。
心臓がバクバク、息は切れる。
タバコは持っていったが吸おうとは思わない。
ところどころ自分のペースで休憩しながら登る。

しかしまだバッグからカメラを取り出し撮影する
余裕はあった…

酸欠を舐めていて酸素を持っていなかった僕は
ここでも会長の助けを借りることになる。
小型高性能の酸素ボンベを吸わせてもらうと、なんだかリフレッシュした
気分になる。



富士山は、こんな感じの山(笑。

登る順序はこの時点ではおそらく
先頭 あっちゃん、
かばちゃん、
会長&かおりん、
僕、と続いてはずだ。

上を見るとところどころで姿が確認できる。
まぁ追いつこうと無理をしない方が良いのは当たり前なので
マイペースでこつこつと登る。

七合目の山小屋ではみんなが待ってくれていたので
まだ全員揃っている。





七合目から上が一気にきつくなった。
見える景色は同じ湖(山中湖?)ばかりだ。
それも霧が出たりして一瞬で見えなくなったり
また見えたりだ。
これって雲の中?とか考えながら登るが
水洟が出てきた。
鼻で息が出来ない。
これが意外にきつい。
意識的に深呼吸をしながら登っていたが
口ではなぜかゆっくりと吸い込むことができないのだ。
咳き込みまんねん(>_<)








こんなところを登る。
ところどころ鎖に助けてもらうが、
あんまり良いことではないのだろう。
これは多分、歩くコースを区切ってあるだけで
人が持ちながら上がるほど
きちんと固定されていないはずだ(汗。

八合目は3020メートル。
320メートル登ることになり先ほどと同じぐらいの高さだが
時間は倍ほどかかる。
足を上げるたびに呼吸が荒くなる。








八合目に到着。
次ぎは九合目かと思いきや、本八合目。
ほんまの八合目ってことなのか。
今、着いたのは嘘の八合目なのか?とがっくり。

このあたりから仲間の姿は見えなくなる。
一人旅だ。
大きな外人さんのご夫婦と一緒になる。
僕と同じようなペースで登り、休憩も同じペースだ。
なんだか仲間のようで心強い(笑。

本八合目3360メートル。
時間は三時過ぎ。
登り始めて七時間ほどたっている。

山小屋手前の石の階段が辛い。
酸欠なのか、高山病の手前なのか、
こめかみあたりが少し痛む。
休憩を多くとり、何度も何度も深呼吸をする。

上を見ると、かばちゃんが見えた。
足取りはかなり重そうで、会長やかおりんに抜かれたようだ(笑。

やっとの思いで本八合目に到着。
宿泊の御来光館はまだ上らしい(涙。
この時点では足腰はどこも痛くないが身体は本当にヘロヘロである。

ご来光館手前、かばちゃんは目前に迫ってきた。
抜いてやろうと企むも、足が上がらない。
マラソンランナーの最後に追い上げる力が残っていない選手のようなのかも(笑。

3450メートルでゴ〜〜〜〜〜〜〜ル!
どんけつ(ビリ)である(笑。
あっちゃんはすでに布団に入って寝ている(爆。

時刻は4:00
夕食のカレーは6:00でないと用意できないという。
そんなに待ってられないので、ラーメンとビール。
ビールが美味い。タバコは美味くない。

布団に入る。意識が落ちる…

…夜中にいろんな事件が起き、僕も何度も起きたのだが
それ以外はすやすやと眠った…

AM2:00周りが騒がしくなりはじめ、ごそごそと出発の用意を始める。
高山病なのか頭痛で苦しんでいたかばちゃんは、ここで無理だと告げる。
無理をしてもしょうがないし、適当な言葉も見つからなかったので、そのままベッドを降りる。
うん?痛い、、左腰の外側の骨のところが少し痛い。

山頂3776メートルに向けて出発。約90分の道のりらしい。
頭にヘッドランプをつけた集団の行列である。
まぁ、渋滞していることもありペースもゆっくり進むのでそれほど辛くはないのだが
朝痛かったところの痛みがだんだんと増してくるのが心配だ。

山頂に到着。
山小屋もたくさんあり人が賑わい活気がある(笑。
期待せずに豚汁を注文。うっ、うまいがなー(驚。
ご来光は見れるような期待感でいっぱいである。


カメラを取り出し、撮影の準備をする。
正面はすでにいっぱいで割り込む余地が無い。
少し左に回りこむと、一列目には人が座っていたのだが
なんとか撮影できそうなのでそこに陣取る。
夜明け前の画像を撮ってみる。
OKだ。
後はご来光が出てきてくれるのを待つばかり。












出たー。
本当は雲が光っている下に真っ赤な玉のようなご来光が
目では確認できたのだが、写真はなぜか…(涙。

感動…?
写真を撮るのが精一杯で感動は…(笑。













そうこうしているうちに日は昇りきり、
いよいよ恐怖の瞬間が。

お鉢廻りです。
みんな、どうするか迷っている。
遠まわしにやめようと画策するも失敗(爆。
結局行くことになった。
この時点でかなり足が痛くなっていた僕は、下山するか、
みんなに付いて行くか迷うが、日本一高いところに立つというのも
もうチャンスはないかもしれないので、ぼちぼちとついて行くことにする。

行程自体は一時間半ぐらいだった。
見える景色も登ってきた反対側には
影富士も確認することができて素晴らしいものであった。

雲の海に朝日が当たって、すごく綺麗。



最高到達点への坂道。
これが僕の最後の写真だ。。。。
ここはかなりきつかったというより、腰が痛い。

無事、お鉢周りを一周し下山することになる。
下山開始は午前7時半くらいだったろうか。
痛い、かなり痛い。
みんなと同じペースでは無理で、どんどん離されていく。
まぁ、時間はかかっても降りることは可能だろうと
ゆっくりと一人旅で降りていく。

しかしずーーーっと同じ砂利道をジグザグ降りていくのに
嫌気もさすほどである。
坂の途中で何度も立ち止まる。
しかも水分も持っていない。買う所もない。
辛い、痛い、苦しい。


八合目あたりで会長が待っていてくれた。
おおー、助かった。会長、お茶をください。
少し元気が出る。

ここで、会長が僕のリュックを背負ってくれるという。
それはさすがに会長もきついのではと思い、「大丈夫」というと、「足が痛いんやろ!」と怒られる(笑。
ありがたい気持ちに涙が出そうになる。
甘えさせてもらうことにしてふたりで下り始める。
会長は前と後ろにリュックを持ってカニ歩きだ。
僕は、がに股歩きが一番楽なのでそれで付いていく。

七合目にはあっちゃんとかおりんが待ってくれているらしい。
ところが、いけどもいけども何もない。
会長とふたりで分け合ったお茶はすぐに空っぽになり、
渇きに耐えながらひたすら降りるのだが、
七合目のトイレは乾燥トイレ(怒)だ。
しかも、あっちゃんとかおりんはいない…(涙。

会長が先に下りているだろうかばちゃんに連絡し、
SOSを発信する(笑。……このときは本当に笑い事ではなかった。

頭はぼーっとしてくるし、口の中も渇ききっていて、すごい砂埃のせいか喉も痛い。
しかしじっとしても仕方が無いのでまたひたすら降りる。

力はとうに尽きていて六合目を過ぎた頃、こっちに向かってくるあっちゃんの姿が向こうに見えた。
僕はあまりの嬉しさに無邪気に手を振る。
おお、あっちゃん、ありがとう、ありがとう、水をください。
「水?、、、置いてきたよ」……置いてきたよ?
僕はこのとき今まで生きてきて一番がっかりした表情になったに違いない(笑。
こういう会話を横で聞いていた会長まで「あっちゃん、水ちょーだい」と同じ会話を繰り返す
きっと意識朦朧だったのだろう(爆。

あっちゃんが、僕と会長のリュックを持ってくれ、またとぼとぼと歩き出す。
やっと到着、僕はその場にへたりこみそうになった。
時刻は11時過ぎぐらいか、めちゃめちゃ辛かった4時間であった。
アクエリアスをいただくも味がわからない。
甘いものも欲しい!!と、かき氷も買ってもらう。
ようやく血の気が戻ってきたような気がした。

とにかく、ひとりでは無理だったろうがみんなに助けてもらって(特に会長さん、ありがとう)、自分の足で登り自分の足で降りて来た。
達成感とか感動とかそういうものより、安堵感が一番大きかったような気がする。

帰りの車で、温泉に入ろうという話になる。
カーナビで近くを検索するも見つからない。
次ぎはウナギが食べたいという話になる。
浜名湖か、、
では愛知に行こうという話になる。
あっちゃんが昇龍さんに連絡をとり、お風呂とウナギ屋を教えてくださいというと
仕事だった昇龍さんが、お風呂を教えてくれて、その後合流してくれることに。
会長やあっちゃんが、普段きちんとしたお付合いをしているこそならではの緊急愛知オフ実現ですね。
なりなりさんからも電話をいただき、「けんさん、愛知に来るんだって?合流します」と
嬉しい言葉をもらう。
昇龍さんが連絡を取ってくれたようだ。
横のつながりってほんとありがたいです。

入った健康ランドのような温泉と、その後のマッサージ器が超気持ちよかった。
お風呂を出てくると昇龍さんが!
お久しぶりです。素敵な笑顔は変わっておりません(笑。

その後、aqua−likeさんの水槽を見せていただく。
エイがお好きなようで、綺麗な大きい水槽であった。
お腹に子供を持っている元気そうなエイのお母さんがいた。
ウナギ屋さんは超混雑ってことで、居酒屋さんへ。
美味しかった。
なりなりさんも相変わらずよく日焼けして、元気で忙しそうだ。

居酒屋を出て、昇龍さんのお宅でくつろがせていただく。
水槽設備はここも大型でインテリア的にもとても綺麗だ。
愛知、恐るべし!である。
かつて、岐阜オフでご一緒させていただいた林檎さんも駆けつけてくださった。

そうこうしているうちに、楽しい時間はあっという間に過ぎ、名残惜しいが一路大阪へ。
途中であっちゃんと運転を代わって、阪神高速を余計に一周してしまうというおまけつきで、
全員無事到着。

かばちゃんに家まで送ってもらって、部屋に入った瞬間に気絶した僕でした。。。。

ありがとう、みんなありがとう。
会長の侠気、かおりんの優しさ、かばちゃんの高山病(爆)、頼りになるあっちゃん。
一生の思い出になります。
みんなのおかげで僕は「富士山の頂上に立ったことがある」と言える男になりました(笑。