差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2017423日曜日 23:18
宛先: '
件名: RE: 第三の波の検証; 平和な地球村の実現のために
 
転送歓迎
配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十
一世紀世界研究会とは「人が全国どこでも働き、生涯豊かに生きられる世界」を提案し
研究する会です。研究しながら理想の二十一世紀世界を実現しましょう。
 
一応論文は完成としてHPに上げましたのでご興味があればご覧下さい。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/The%20Third%20Wave%20for%20Peaceful%20Global%20Village.htm
 私が17年前に「ガクモンのススメ」と題して書き後にHP
http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/gakumon%20no%20susume.pdf
に載せた拙文において示した 第三の波により実現可能な理想は
 
[1] 人間社会の民主化
 
[2] 学問の振興と生涯現役社会の実現
 
[3] 均衡のとれた国と地方の発展
 
[4] 平和で平等な地球村の実現
 
 今日でも実現には程遠い状況です。
 
 特にアジア、中東、アフリカにおいては内戦のために何百万人もの難民が生じて真に
悲惨な状況です。私は上の論文でその不達成の原因を探ろうと思いましたが結局「技
術の進歩に人間が追いつかなかった」としか言えませんでした。
アフガニスタンや中東、アフリカの悲惨な状態の原因はそれらの国の人心が第三の波
どころか第一の波の段階にある事だと思います。第一の波で生じた国家は支配者が
全ての権力を握って統治する段階です。政権交代とは前政権の支配者を滅ぼす事が
最も普通でした。観念的には平和裏の政権交代即ち禅譲がありましたが、現実には
少なかったですね。日本の「腹切り」は世界中どこでも第一の波の歴史段階では普遍
的に見られました。物語としては面白いけれども実態は悲惨ですね。支配者も被支配
者も。
平和裏の政権交代は第二の波の時代になって議会制民主主義によって確立しました。
米国は1776年の独立、日本はそれに一世紀遅れた大日本帝国の成立がそれにあた
ります。代表民主制が機能するために必要なのは少数意見の尊重です。
この点では日本の民主主義はあの悲惨な第二次世界大戦の犠牲の上に成った1948
年の日本国憲法によってやっと成立しました。形の上では。
 
明治維新は最終電車にやっと間に合う形で日本を帝国主義時代に参加せしめました。
当時の世界は欧米列強に余すところ無く分割されマルクス言う所の「アジア的停滞」の
中でインドはビクトリア女王を元首に据えられ、中国は半植民地状態にありました。
その時代に日本だけが世界の列強に列する事ができた原因として前述の書において
日本は官だけでなく野に人物を得た事を指摘しました。民主主義が機能するためには
強い野党が必要です。日本は早稲田、慶応を始め多数の名門私立大学が明治初期
に設立され野にすなわち「実業」分野に人材を供給し、既に百年余の伝統を積み重ね
ています。
 
中東、アフリカ、アジア諸国はまだ百年に満たない歴史なので無理も無いのかも知れ
ませんがインターネットや移動通信などの情報基盤は急激に発展しても人心が追いつ
かない事が今の問題の原因だと思います。中東の大国エジプトもイスラム同胞団が権
力を握ると、イスラム一辺倒の政策を進め、その反革命で軍が政権を握るとイスラム同
胞団を非合法化するという具合です。現在最大の、そして最悪の内戦状態にあるシリ
アもアサド政権が当時ジャスミン革命と言われた民主化要求を弾圧しなければ全く別
の平和な歴史を歩んだと思います。日本の西郷隆盛や勝海舟のような人物は世界史
のどこを探してもなかなかいないものですね。
 
現在第三の波を牽引しているように見えて、その政治がやっと第二の波の段階に止ま
っているのは米国であり、それが世界の災厄の一つの根源だと思います。トランプ氏
が公約で怒鳴り散らし、今もやろうと躍起になっているのは前任のオバマ政権の政策
をすべて否定する事ですが、なかなかそうも行かないのは当然です。同氏が就任初日
に無効にすると公約していた国民健康保険、オバマケアは今も対案を示す事もできて
いません。メキシコ国境の壁はどうでしょうか。トランプ氏は就任演説で「円滑な政権の
引渡しに対してオバマ氏に感謝する」などと言っていましたがそれは第一の波の発想
ですね。米国は、そしてロシアも帝国主義時代の成功者なのでなかなかその体験
から抜けられませんね。今日のアジア、中東、アフリカの困難の元はBush政権が
根拠も無く「大量破壊兵器の存在」を口実にしてイラクに攻め入った事ですが、さらに
次のオバマ政権が拙速にアフガニスタンとイラクから兵力を引き上げた事です。
オバマ氏はノーベル平和賞を受賞し、アフガニスタンとイラクから公約どおり兵を引い
たとして米国内の受けはよいのかも知れませんが、私の評価は反対で政治的に
致命的なミスをしたと思います。それは拙速な撤兵で生じた権力の真空へのテロリスト
の拡散と世界中からの流入により所謂イスラム国の広がりと泥沼のような今日の
シリア内戦、そして大本のアフガニスタンにおける治安の悪化です。米国が勝手に
介入して、勝手に引き上げて世界を不安定にしたのは世界がまだ第一、二の波の
段階にあるからだと思います。
 
第三の波時代の政治は「どんな国とも国交する」事だと思います。安倍氏が良く言う
「価値観を同じくする国際社会と連携を強め云々」ではなく「価値観にこだわらず」どん
な国とも交流する事が重要だと思います。私は今の北朝鮮は邪悪な政権だと思います
が、それを倒すのは北朝鮮の国民の仕事です。同様に台湾の帰属を決めるのは台湾
人の仕事です。米国は北朝鮮政府とは直接交渉しないなどとけちな事を言わず直接
交渉すれば良いと思います。拉致問題を抱える日本はなおさらです。
 
私は学生最後の年、1973年にはまだ福岡にいました。当時よく北京放送を聴いてい
ましたが突然のニクソン大統領の訪中を機に北京放送の内容と調子が一変したのに
驚くと共に、偉そうにしているけれど中共の政治もこの程度かと不信感をいだきました。
それは今でも変わりませんね。
 
しかし人の事ばかりは言えません。政治は政治屋ばかりでなく我々国民の責任でもあ
りますから。
 
本日はとりとめのない駄文で失礼します。
 
***********************************************
* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    
* Human Network for Better 21 Century      
* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
**************************************************