自然数から四元数ベクトルまで

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2021/07/03 15:45

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しょう。

 

自然数

原始時代から用いられて来た物を数える数です。1, 2, 3,,,

現在4歳の孫達は数え方を覚えていますが聞いて曰く「終わりは無いの?」 ここには数学の芽生えが感

じられます。無限大という言葉こそ知りませんが。

 

日本古来の数え方は ひ、ふ、み、よ、い、む、な、や、こ、と

上の数え方には ひ―ふ、みーむ、よーや と二倍法が見られます。

10以上の数え方では 二十日(はつか), 四十日市(よっかいち)、五十市(いそいち) のように10進法が見

られます。 

百は 百歳(ももとせ)、百地(ももち)、八百屋(やおや)、八百万(やおよろず) のように 「も」、とか「お」。

千は 千代(ちよ), 八千代(やちよ)、千々に(ちぢに), のように「ち」

万は 八百万(やおよろず)、万屋(よろずや)のように「よろず」。素人の直観ですがこれは「よらず」であ

り無限大を表す言葉だったのではないでしょうか。

 

自然数の範囲では5 6 という引き算はできません。

 

整数

Zero, 零を導入すると負の数を定義して足し算、引き算を自由に行う整数を構成する事ができます。零の

導入が文明の一大飛躍であった事については吉田洋一著「零の発見」に詳述されています。

整数の範囲では2÷4を実行する事はできません。

 

有理数

これは所謂分数です。私の知る限り日本古来の分数を表す語は思い当たりませんが、古代エジプトでは

盛んに使われていた様です。有理数の範囲では和差積商の演算を自由に行う事ができます。

 

無理数

古代ギリシアのピタゴラス学派は有理数が数のすべてという信仰 (通分により世界は調和する) を持

っていましたが皮肉にもピタゴラスの定理、即ち三平方の定理を発見する事に由りこの信仰は打破され

ました。よく知られているように√2は分数で表す事はできません。

 

実数

無理数まで含めると数直線上のすべての点を表す代数系が得られます。

 

虚数

高校で習った二次方程式 a.x^2 + b.x + c = 0     ( a=/= 0)の解は     x = ( -b +,- D) /2a

但し判別式 D = b^2 - 4a.c です。D> 0の場合は実数の範囲で根がありますが D< 0の場合は 

-1 = i  即ち i.i = -1 となる虚数を導入する事が必要となります。

 

複素数

実数a, bに対して 複素数 z = a + bi  (iは虚数) を定義できます。

複素数の範囲では「任意のn次方程式はn個の解を持つ」という代数学の基本定理が成立します。

 

以上の数の拡張により以下の性質を持つ数の計算を自由自在に行う事ができます。

任意の数x,y,zに対して

   x.y = y.x            交換律

  (x.y).z = x.(y.z)        結合律

  x.(y+z) = x.y + x.z     分配律

 

四元数

複素数の三次元拡張として任意の実数a,b,c,dに対して四元数を定義します。

   [z] = a + bi + cj + dk = (a, b, c, d )

ここで虚数 i, j, k

        i . i = j . j = k . k = -1

        i . j = k = - j . i

        j . k = i = - k . j

        k . i = j = - i . k

四元数の代数については

         x.y =/= y.x            交換律は成立せず

 (x.y).z = x.(y.z)          結合律は成立。

  x.(y+z) = x.y + x.z       分配律は成立。

 

ベクトル

高校で習ったベクトルとは直角座標 x, y, z 方向の単位ベクトル i, j, k を持つ

  r = x.i + y.j + z.k  = (x, y, z)  

単位ベクトルについては

      i.j = j.k = k.i = 0

        i.i = j.j = k.k = 1

 

ベクトルの内積あるいはスカラー積

ベクトル u = (u1, u2, u3),   v = (v1, v2, v3) の内積は

   (u. v) = u1.v1 + u2.v2 + u3.v3

 

ベクトルの外積

上の単位ベクトルについて以下のベクトル積を定義します。

      i x i = j x j = k x k = 0

         i x j = k = - j x i

         j x k = i = - k x j

         k x i = j = - i x k

 

すると上のベクトルu, vの外積は下記行列式で表されます。

  u x v =    i     j    k 

        u1   u2   u3

        v1   v2   v3

 

私は高校でベクトルを習った時に外積と内積と全く異なる積がある事にある種の違和感を覚えました。

今思うとベクトルu,v,wについて  

   (u.v).w =/= u.(v.w)

      (u x v) x w =/= u x (v x w)

即ち結合律が成り立たない事に不安を抱いたのだと思います。

 

四元数ベクトル乗算

ベクトル u, vに対して乗算(x)を定義します。

  u (x) v = u x v (u.v)

 

軸ベクトルe

座標軸x,y,zへの方向余弦l,m,nをもつ軸ベクトル

  e = l.i + m.j + n.k

を定義します。

  e (x) e = -1

となり虚数に似た性質があります。

 

四元数ベクトル

実数a, bに対して上の軸ベクトルを用いて四元数ベクトルを定義します。

  [z] = a + be

 

四元数ベクトル代数系

四元数ベクトル[x], [y], [z] 乗算について

    [x] (x) [y]  =/= [y] (x) [x]                     交換律は成立せず

  ( [x] (x) [y] ) (x) [z] = [x] (x) ( [y] (x) [z] )        結合律は成立。

  [x] (x) ( [y] + [z] ) = [x] (x) [y]  +  [x] (x) [z]    分配律は成立。

本質的に四元数に等価ですがベクトルの内積と外積を活用して効率的に計算が実行できます。

 

四元数ベクトルの応用

三次元空間に於いてベクトルrを軸ベクトルeの周りに角度θだけ回転させたベクトルをr’とすると

  r = [ cos (θ/2) + e.sin(θ/2) ]  (x)  r  (x)  [ cos (θ/2) - e.sin(θ/2) ]

 

 

交換律が成立しない代数系には最初戸惑いを覚えましたが、三次元空間における複数回のベクトルの回

転について、回転の順番を変えると全く異なる結果になる事からも納得できます。これは一般の行列、

線形変換についても同様です。

 

以上四元数ベクトル論の研究

http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/A%20Quaternion%20Vector%20Theory.pdf

から思う所をまとめて見ました。

 

零、分数に関して日本固有の言葉を御存知の方があれば教えて下さい。

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+      市吉 修 

+     二十一世紀を楽しく生きよう会

+     HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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