ベクトル・スカラー環代数論

2022/01/29 22:15

 

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ベクトル・スカラー環代数論をHPupしましたのでご興味があればご覧下さい。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/A%20Vector-Scalar%20Ring%20Algebra-d.pdf

 

スカラーとは大きさだけあり方向が無いもの、ベクトルは大きさと方向があるものです。スカラーは

普通の数、ベクトルは矢印で表現できます。

 

私は高校で複素数とベクトルを習った時に非常に新鮮な印象を受けました。

4の平方根とは二乗すると4になる数であり、一つは2です。実はもう一つあります。それは-2です。

つまり任意の数の平方根はそれぞれ2個あります。

 

8の立方根は三乗すると8になる数であり、一つは2です。実は他に2個ありますが、それは実数で

は表現できず、複素数を用いる必要があります。それは2( cos(2π/3) + sin(2π/3)i ) = -1 + i3及び

-1 - i3です。iは虚数(imaginary number)であり二乗すると-1になるものです。 i^2 = ii = -1

 

同様に任意の実数のn乗根は複素数の範囲でn個あります。

 

逆に任意のn次方程式には複素数の範囲でn個の根がある

というのがF.Gaussが証明したもので代数学の基本定理と呼ばれています。

 

このように複素数まで数を拡張すると何でもできる極限の自由が得られます。現代の科学技術は複素数

無しには全く成立不可能です。

 

その複素数を三次元に拡張したものが四元数(quaternion)です。虚数がi,j,kと三個あり、それに実数

を加えて四元数です。z = a+ b.i + c.j + d.k =(a,b,c,d)と表現でき、四次元のベクトルにも似たものです。

 

四元数の応用は何と言っても空間におけるベクトルの回転を簡潔に表せる事です。詳細は省きますが、

ご興味があれば上記記事をご覧ください。

 

四元数はベクトルと非常に似ています。

   [x] =  x0  +  [x>  = (x0,x1,x2,x3)

但し [x>はベクトルであり

   [x> = x1.[i> + x2.[>j + x3.[k>

   [i>, [j>, [k>はそれぞれ座標方向1,2,3への単位ベクトルです。

 

[x]は四元ベクトルですが、理論物理学で用いる四元ベクトルとは異なるのでベクトル・スカラー

と呼ぶ事にしました。x0がスカラー、[x> = (x1, x2, x3)がベクトルです。

 

ベクトルu,vに対してベクトル・スカラー乗算(x)を次のように定義します。

  u (x) = u x v - (u.v)

第一項はベクトル積(外積)、第二項はスカラー積(内積)です。

 

そうするとベクトル・スカラーは四元数と等価な演算である事が分かります。しかし四元数での虚数は

姿を消しベクトルに置き換わっているので別物です。更にベクトル・スカラーの係数は複素数値を取る

事ができるので四元数を更に一般化したものである事が分かります。

 

ベクトル・スカラー環代数を研究すると今まで曖昧なまま直観的に求めていた広汎な分野の問題を系統

的に解く事ができます。おそらく数学や物理学ではもっと深く研究されている事でしょう。

 

私は高校で複素数とベクトルを習った時に両者が似て非なるものである事、特にベクトルには外積と

内積という全く異なる乗算がある事に戸惑いを覚えましたが、半世紀以上かかってすっきりとした形

の理論がまとまったと感じています。

 

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+ 市吉 修 

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

+ HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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