記事一覧

不便、それがイイ? 手巻き式時計のブームを検証する!

不便、それがイイ? 手巻き式時計のブームを検証する!

こんにちはGoroです。機械式時計は「ゼンマイの巻き上げ方式」によって「手巻き」と「自動巻き」の2つに分かれます。しかし現代の機械式腕時計スーパーコピー n級 代引きは、自動巻きが多数派です。少数派の機械機構でも「秀作」と呼ばれるモデルには「手巻き」が採用されていることがあります。さらに、そんな手巻き愛好家たちの投稿が、いまSNSを中心に活況を見せています。

今日はそんな手巻き式腕時計の魅力をGoro目線で紹介していきます。

スピマスはなぜ、手巻きなのか?
スーパーコピー n級 代引き

前に書いたように現代の機械式腕時計のムーブメントに採用されている巻き上げ方式の大半は、自動巻きです。諸説ありますが、手巻きの比率は機械式時計全体の1割から2割とも言われます。

手につけているだけで、「自らゼンマイを巻き上げる自動巻き」と「手動で適時ユーザー自身でゼンマイを巻き上げる手巻き式」を比較すると、利便性では自動巻きが圧倒的に優位であることに疑いの余地はありません。

しかし、数は減りつつも一部の「マスターピース」モデルに「手巻き」が脈々と残るのはどうしてなのでしょう?

未だに手巻きを採用するモデルの代表格として有名なのが、オメガスピードマスター・プロフェッショナル(以下スピマス)です。

スピマスに手巻きが使われているのは、「基本設計がしっかりしているムーブメント」があることが大きな理由です。故障しにくいシンプルな構造であること、何よりこれまで多くのスピマスに搭載されてきた信頼と実績があります。

実際アポロ計画で「アポロ13号の乗組員」達が飛行中、事故(爆発)に遭遇したにも関わらず、無事に地球へ帰還できたのは間違いなくスピマスの功績です。地球への帰還中に「軌道修正」が必要となり「手動でエンジンを一定時間噴射させるため」にスピマスが使用されました。

初代「キャリバー321」のレガシーを引き継ぎ、2022年の現代でも採用される理由はこの「アポロ13号奇跡の帰還」と「アポロ計画全ミッションの功績」によるものと筆者は確信しています。

ロレックスが「考える心配」は90年以上続いている?

一方ロレックスはオメガとは真逆で、現行モデルに「手巻き式」は存在しません。これはロレックスの「時計に対する考え方」の違いから来ているものと考えられます。

かつてロレックスが初めて自社の自動巻き機構「オイスター・パーペチュアル」を導入した背景のひとつに、ユーザーによる「リュウズの閉め忘れによる浸水」をハンス・ウィルスドルフが危惧し、極力ユーザーに「リュウズ操作をさせないため」自動巻きを積極採用したという説をある文献で見たことがありました。

なかなか、その説を信じることができないなか、このサイトでもお馴染みRYさんのYouTube番組内(22:45から)で、出演したエドックスの役員の方が同社の2重ガスケットは「ユーザーのリュウズ閉め忘れ」のためと語っていた話を聞き、初めて「ハンスウィルスドルフの心配」を実感できました。

メーカーの取締役から、このような言葉が出ること自体、メンテナンスに持ち込まれる製品の中に「操作ミスによる浸水故障が未だに多い」ということをうかがい知ることができます。

ロレックスが初めて自動巻きを発表して約90年経過しても、時計メーカーの役員が懸案事項のひとつと考える「ユーザー自身のリュウズの閉め忘れ」は私たちが考える以上にメーカーにとって深刻な問題なのでしょう。

防水性を高めるための技術を極め、さらに「人間工学的な側面を考えた時計造り」を実行する姿はロレックスの時計哲学そのものかもしれません。

薄さと軽さに注目!

浸水のリスクが「自動巻きより若干高い?」、手巻き式腕時計ではあるものの「根強い愛好家」がいるのは事実です。かく言う筆者も最近手巻き時計を手にする機会が増えて、その魅力を再認識しています。真っ先に惹かれた点は本体の「薄さと軽さ」です。

手巻きムーブメントは自動巻きムーブメントに比べ部品数が少なく、その分重さも軽くなり時計の厚みも薄く仕上げることができます。上の筆者の写真のように夏にピッタリのイメージです。

手巻き式腕時計はヴィンテージ製品に多く見られ、それらのベルトは「レザーストラップ」が大半になります。そのため夏には若干不向きですが、メッシュタイプのメタルブレスレット、「ミラネーゼ」のブレスレットに取り替えると軽さを損なうことなく、快適に過ごせます。

もちろん「リュウズの閉め忘れ」には十分に注意しています。

ゼンマイの巻き上げで、ムーブメントと話ができる?

少し「フェチ」ですが、手巻きのもう一つの魅力は「ゼンマイの巻き上げ」かも知れません。ロングパワーリザーブでない限り、手巻き式腕時計は1日1回の「ゼンマイの巻き上げ」が必要です。

それに関して、ある専門誌の編集長は「毎日決まった時間に巻き上げる」ことを推奨しています。理由は「ゼンマイ切断防止」です。毎日決まった時間に巻き上げるということは、ゼンマイの「巻き上げ量が毎日一定」になります。

筆者も以前は手巻き式腕時計の「ゼンマイ切断」が怖く、巻き上げの力加減に自信が持てませんでした。しかし「決まった時間に巻き上げる」ことで、微妙な手巻きの巻き上げ加減が理解できるようになり、最近は「切断」の心配はほぼ無くなりました。

さらにゼンマイを巻く前にリュウズを一段引くことで歯車同士の嚙み合わせが緩み、それに伴い巻き上げも軽くなることもわかり日々の決まった時間の巻き上げで色々な手巻き式の特性の理解が高まったのです。

このように手巻き式腕時計はゼンマイの巻き上げ動作があるため、筆者は「ムーブメントと会話ができる」腕時計とも、思っています。

自動巻きでは週に一度(もっと多い人もいるかもしれません)の時刻調整くらいしかリュウズを引き、回す機会はありませんが、手巻き式では「リュウズと巻き真」を通じてゼンマイを巻くことでムーブメントの状態がわかり、さながら会話をしているようです。

リュウズから伝わる感触は腕時計によって異なります。これは時計ごとにゼンマイや歯車の嚙み合わせが異なるからです。時計の個性を毎日の巻き上げによって確かめて、それらを把握できた時の喜びは、何にも代えがたいものでした。

数は少ない手巻き式腕時計、ぜひ皆さんも手に入れる機会があれば実際に毎日巻き上げて、その感触を確かめ、楽しんでください。きっと機械式時計の新たな魅力を発見することができるはずです。


【関連記事】:https://www.aimaye.com/brand-copy-IP-1.html