<白塗装の下地>
 中心の黒い部分が鋼板で、その周りのグレー部分がプライマー。シングルアクションポリッシャーにて、粗いコンパウンドとウールバフを使用し無神経に磨くと割と簡単に下地が出てしまいます。かといって、技術的により簡単なダブルアクションポリッシャーだけではほとんどの傷は取れません。ですから、時間はかかりますが
部位ごとに細かく膜厚を測りながら磨く事が大事! 感のみを頼りに磨いていると、繊細にして大胆な磨きはできません。
白塗装下地
なぜ磨く?
 


 ラインから出てきた新車時は、もちろん傷などありません。 本来ならばこの状態を維持できればよいのですが、悲しいかな通常の場合は、触れば触っただけ傷は入ってしまいます。 昨日納車されたばかりだというお客様の車でも細かな洗車傷だらけのことがあります。 だぶん納車前にどなたかが、雑巾1枚でサッ、サッ、と拭かれているのでしょうか。
 
 私のお世話になっているディーラーさんでも整備に出す時、何も言わなければ営業の方が引き取りに来てくれ、洗車され戻ってきます。 しかし、他人に運転されたり、洗車されるのが好きではない私は、それらのサービスを丁重にお断りします。 もしも気のない雑な洗車をされてしまうと、それまで丁寧に扱ってきた苦労が水の泡となってしまうからです。

  話がずれてしまいましたが、先にも述べたように基本的に新車時が一番傷のない状態です。家でもお店でも新築時が最も汚れのない状態で、こまめに手を入れていかねばあとは汚れていく一方です。 壁や床は汚れたら、塗ったり、貼ったりしてリフォームできますが、車の場合はそうもいきません。 洗車傷が多くなり、色合いがぼけてきたから全塗装するというのも非現実的です。 
 
 ワックスなどのいわゆる油ものを塗れば、一時的には傷が分かりにくくなり光沢も出ます。 しかし、何回か雨にあたりワックスが流れてしまうとまた元の傷だらけの肌が露出してきます。 また、油分がホコリを引き寄せ(化学雑巾みたいに)、さらには酸化して塗装を痛めてしまうことも考えられます。 

 そして私が何より一番気になるのが、ワックスをかける行為そのものなのです。完璧な車庫をお持ちでまわりを気にせずにゆったりと洗車を出来る方は別として、 洗車場でワックスをかけている方を観察していると、まわりにせかせられるように結構な力を入れて塗っておられるのです。 傷が見えやすく、普段目がいきやすいボンネットなどの平面部やCピラーなどは、2度塗りされていたりします。 これは、数ミクロンが勝負の磨き屋の目にはとても恐ろしい光景に映ります。 このような状況で頻繁にワックスをかけられる方の車の塗装厚をみると、力のかけやすい部分だけ塗膜が極端に薄かったりします。 汚れのひどい部分を、つい、ギュッ、ギュッ、と何回もこすってしまうとかなり塗装が削れてしまう場合がありますので充分注意が必要です。

 また、洗車傷の最大の原因は「微細な石や砂」を含んだほこりです。
これらが塗装面に付着していたり、これらが付いた汚れたままのスポンジや布でワックスをかければ傷はどんどん入っていきます。
しかし、全くほこりの付かない場所で洗車可能な方はごく少数だと思います。

 昔は私も汗を流してせっせとワックスをかけておりました。 もちろんワックスにも独自のよさはあります。油ものならではの鋭角的な艶というのも捨てがたいですし、私もコーティングをした上から時々かけることはあります。 しかし、ついてしまった洗車傷は一時見えにくくなるだけで、むしろ増えていく一方なのです。 言い方を換えれば、傷のない塗装のもった本来の艶ではないのです。 

 ではどうしたらよいのでしょうか?

 やはり傷が気になりだしたら、デリケートな仕事のできる磨き屋さんに磨いてもらうのがよいと考えます。 傷の少ない新車時にこびり付いた汚れを取る程度に軽く磨き、コーティング保護しておけばよりベストです。洗車傷の入ってしまった場合でも、こだわりをもった磨き屋さんでしたら、出来る限り均一に磨いてくれるはずです。 ただし、傷にも浅いもの、深いもの、いろいろあります。 全ての傷を無くそうと思うと、一番深い傷のところまで削らねばなりません。 新車や長く乗ろうと考えているお車でしたら、後々の事を考えるとあまり削らない方がよい場合が多いですので、その辺の妥協点をご自分で決められて磨き屋さんにリクエストするとよいかと思います。 そのような細かな希望を聞いてくれるようなお店は、きっとよい仕事をしてくれます。

 当店では、そのお車の塗装状態や今後の使用環境などを考えた上で、お客様のご希望を最大限に加味し(塗装状態によってはお客様のご希望に沿えない場合もございます)、最善の磨きをご提案させていただきます。車の肌は人間の肌と同じで、どんなに良い液剤を塗ろうともその下地がきれいに整えられていなければ効果は半減してしまいますし、ワックスを塗る場合も同様です。

  コーティング剤を塗るには何の技術もいりません。(ただし、焼き付け乾燥時に使用する遠赤ヒーターのような機材は必要です) しかし、下地の磨きに関してはこだわりを持ち出すとかなり奥深い仕事ですので、技量の差が出ます。 ボンネット1枚をサッ〜と流して磨くか、コンパウンドやバフを何度も替え、一つ一つの傷をにらみつけながら丹念に追ってゆくかの違いです。何よりも、全ての前提としてそのお車やお客様に対する強い思い入れが必要なのです。

 そういう意味で私は、直接お客様にお会いするか、何度かメールのやりとりをさせていただいてから施工させていただいております。 お客様の喜ぶ顔が見たいのです。
 真面目に磨くということは、たぶんみなさまの想像以上の根気と体力が必要かと思われます。 根を詰めた仕事をすれば、当然手間がかかりますし、時間もかかります。 最低でも二泊三日はいただいておりますが、全ては最善の仕上げのためですのでご了承くださいませ。

 磨きの内容、仕上がりをより気にされるお客様にとって最良の店になれるよう日々努力しております。 是非一度お問い合わせくださいませ。 
心よりお待ちしております。  ありがとうございました。         店主



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