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2012年1月18日更新
《東日本大震災から10ヶ月》
仙台市の被災者仮設住宅で餅つきをして元気をもらってきました


  昨年の2011年12月26日、27日に東日本大震災で大きな被害を受けて家族や住宅を失った方々が住んでおられる仙台市若林区にある「東通仮設住宅」で、居住者の状況を伺ったり、不満を聞いたりしながら交流を深め、居住者の方々や被災を受けた近隣の方々につきたてのお餅を食べて戴こうと「餅つき」をしてきました。
  この餅つきは、昨年の7月13日、14日に仙台市を視察した際に「居住者に温かいお餅を食べて年越しをしてもらえたらいいな」と思ったのがきっかけでした。
仙台
仙台   船橋市からは、私を含め、会派凛の市議会議員5名、地域のボランティアの方々8名の総勢13名で、臼・杵・釜・せいろ・鍋・バケツ等、餅つきセット一式を持参しました。
  この仮設住宅居住者のほとんどが、テレビでよく放映される「荒浜地区」で被災された方々です。住まいもろとも全てを失ってしまい、私たちが資材を持参したものです。ボランティアの中には「おでんを作りたい」「コーヒーを振る舞いたい」という方がおられ、喜んで参加して戴きました。
  この仮設住宅は、他地区の仮設住宅より大きく、約
200世帯が入居しています。そして「東通仮設住宅町内会」という自治会組織を立ちあげていて、毎週月曜日に役員会を開催するほど活発に活動しています。
私は11月7日、12月16日の2回、この仮設住宅を訪ねて大橋会長と早坂副会長、菅原仙台市議会議員と打ち合わせをして周到な準備をしてきました。

  野菜や調味料、もち米3俵(180kg)は敢えて現地で購入し、まきは菅原市議会議員に調達をお願いしました。
  26日は居住者ともち米をといだり、準備をしました。27日は早朝は氷点下でしたが、居住者が既に4つの釜に火を炊いていてくれて、心と体が温まりました。
仙台
  この餅つきは、俗に言う「炊き出し」とは違い、居住者と一緒に楽しむイベントとしたのです。「臼でついたお餅は、もう二度と食べられないと思っていたのに嬉しい」という声も聞こえました。夫婦でお餅をついたり杵とりをしてくれた方も2組ありました。
  準備と当日の作業には、多くの居住者のお手伝いがあり、私たちも和気あいあいで楽しませてもらいました。
  ついた餅は、食べてもらうことと、自宅に保管し正月用として食べてもらえるようにお渡ししました。
  肌寒い中、近所の保育園の子供たちが50名ほど
きてくれて、黄な粉、あんこ、お雑煮を食べ、さらにおでんも食べてくれました。「納豆も食べたい」と言う子供もいて食欲旺盛さには感服しました。
仙台

仙台 気が付くと、制服を着た警官がパトカーで来ていてお餅を食べていました。驚き、大橋会長に尋ねたら「長崎県警の方で、応援に来ていたが今日帰るので呼びました」とのことでした。この警察官にも制服のまま交替で餅をついてもらい、お土産にお餅を手渡しました。
  何回もテレビで放映されていますが、いまや無人となってしまった荒浜小学校の校長先生や教員も何人か来てくれ「児童たちにも元気を与えてくれてありがとう」と感謝してくれました。
  また、NHKのテレビカメラも取材に来ていました。すぐ放映するのでなく、この仮設住宅の生きざまを年間取材して一挙放映するとのことでした。是非船橋でも見たいものです。
  荒浜地区が被災して、この仮設住宅に入居申し込みをしたのに抽選に外れ、近くの借り上げ住宅に入居している方は「この仮設住宅に支援物資が届き配布された後に残っていても貰えず、私たちは部外者扱いなんです」と嘆いていました。被災を受けた方々に公平に物資が行き届いていない実態が分かりました。
  また、家ごと津波に流された折り、窓を破って、幸いにも流れてきた材木にしがみついて一昼夜、翌日自衛隊のヘリコプターで救出されたご夫婦は「九死に一生を得た」と辛い体験を話されました。このご夫婦で餅つきをしてくれました。

  冬が終わると、あの忌まわしい東日本大震災から1年になってしまいます。この仮設住宅は2年間しか居住できないとのことですが、荒浜に戻るのか、別の土地に移り住むのか、行政と話し合いをしているそうです。愛着のある土地を離れたくないし、かといって現状のままの荒浜には戻れない、という葛藤で苦しんでいるのが現状です。
  このような事情の方は東北各地に大勢おられます。市町村単位ではどうにもなりません。迅速に的確に国の対応を求めます。この餅つきに、地元などの参議院議員の方々もお見えになりましたが「餅つきに汗をかくのも有り難いのですが、復興に汗をかいてください」と要望しました。
仙台
仙台

  年明け元旦早々、マグニチュード7の大きな地震がありました。幸いにも震源地が鳥島近海で震源が370kmと深く事無きを得ましたが、万一東京湾周辺の発生だったら被害が出たと想定されます。現在はもう「天災は忘れた頃にやって来る」は死語といっても過言ではありません。そして「常在戦場」の言葉をもう一度噛み締めましょう。天災に対しても常に気を引き締めていなければなりません。
  この回の「餅つき」を実践し、たとえ遠く離れた土地の方々でも、心から打ち解けて触れ合い、力を合わせることができると確信できたことは大きな収穫でした。
  頑張れ東北。頑張れ日本。今年も頑張りましょう。

仙台




前回の行政視察(仙台市)


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