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+--- 酵母ってなんだ?---+
◇そもそもパンってなんでふくらむのさ?
小麦粉と水をこねて出来たグルテンという膜がイースト菌の発酵によりふくらむ。そして、加熱により、グルテンとグルテンの間を埋めているデンプン(小麦粉の主成分)が固化することによりふっくらとしたパンになる。
◇グルテン?
グルテニンという小麦特有のタンパク質に水と物理的な力を加えるとグルテンという粘弾性のある網組織を生じる。
グルテンの元となる小麦タンパクを多く含むのが強力粉。
◇イースト菌?
イースト(=酵母)は自然界に存在する微生物。 人間と同じ、そう、生き物。→もっとわしく
いろんな人間がいるように、いろんなイースト菌がいる。
いろんなところに住んでいる。
酵母菌が生きるのに必要としているのは、酸素、水分、栄養、そして快適な温度。
酵母菌は糖分(ブドウ糖)を主な栄養として生きていて、出芽や分裂という方法で増殖している。
酸素がたくさんある環境では呼吸をメインに生息し、酸素の少ない環境では発酵をメインに生息している。
◇発酵?
人間が生きていくために食物を摂り、エネルギーを得るのと同じように、酵母菌も生きていくために栄養を摂取する。
そして、エネルギーを得る過程で不要となった物質が、人間と同じように、体外に排出される。
ブドウ糖などの炭水化物を、酸素の少ない環境で分解してエネルギーを獲得し、その代謝の結果、
炭酸ガスや有機酸・アルコールなどを排出する過程のことを、発酵と呼ぶ。
酵母菌のそばに単糖類であるブドウ糖がなくても、酵母菌はデンプン(多糖類)を分解する酵素(アミラーゼ)を持っていて、その酵素でデンプンをブドウ糖に分解して栄養源とすることが出来る。
酵母菌の中でパン作りが得意な(つまり炭酸ガスを安定して多く出すことが出来て有機酸の排出が少ない)
特定の菌だけを、化学薬品の力を借りて工業的(産業的?)に培養したやつが市販の「イースト菌」。
私たちは一般にこれのことをイーストと呼んでいる。市販のイースト菌、一般的にはサッカロミセス・シルヴィシエという種だそうだ。
ちなみに酵母は学術的に、60属500種に分類されているそうだ。
◇天然酵母ってホシノのこと?
ホシノ天然酵母とは、国産小麦と有機栽培米を原料とし、
パン作りに適した酵母を、化学薬品を使わず自然の培養基(肥料)で培養したもの。乾燥状態で販売されている。
(故・星野昌さんが、醸造の技術を活用し、30余年の研究の末、完成させたそうです。)
市販のイースト菌もホシノ酵母も、行程は違うものの、
自然界に存在する酵母を、ひとつの商品として売っていることにかわりはない。
製品化するためのコストも当然かかっているだろう。
自然界に存在する不特定多数の酵母菌を、果物などを培地にして培養させる作業を、
自分の家(あるいはお店)でやってしまうのが自家製酵母。
自家製酵母の中にはいろんな菌が生きているから、発酵が安定していない。
菌の種類や数が変化することにより、発酵の程度や発酵産物の種類や量も変化し、パンの味や風味の違いが生まれる。
でも、他の菌も生きているからこそ、おもしろく、上手くいけば奥深い味になる。
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