『 海の詩 ( うた ) ― (4) ― 』
ひゅる〜〜ん ・・・ 一陣の風が宮殿の中庭を吹き抜けてゆく。
ふわり ふわ〜〜ん ゆらゆら ゆらり
木立のそこここに吊るされたランタンやらキラキラした飾りものがその風にゆれている。
ざわざわ ざわ。 クスクスクス ・・・ うふふ あはは ・・・
木々の間から衣擦れやら靴音やらに混じって 軽い笑い声やら小さなおしゃべりも聞こえてきた。
「 おお〜〜 皆さん 大勢来てくださったな 」
侍従長は中庭を巡り宴の準備の最終確認をしている。
「 ― よしよし ・・・ さあ ご友人の皆さまをお迎えしましょう。
皆 よろしく頼みますよ。 」
「 かしこまりました 」
あちこちに控えている侍女やら給仕人たちは 一斉に応え頭をさげた。
「 では ― ようこそ〜〜 ジョー王子様の成人祝いの宴へ ! 」
侍従長の声を合図に庭園のゲートが大きく開かれ
三々五々着飾った青年や令嬢達がやってきた。
「 あ ・・・ 本日はお招き、ありがとうございました。 」
代表を思しき青年が 侍従長に挨拶をした。
青年たちは 軽くアタマを下げ、淑女たちは腰を屈めて挨拶をする。
「 ああ どうぞ堅苦しいことは抜きにして ― 本日はお若い方々ばかりの宴ですから〜
気楽に楽しんでください。 王子様もすぐにお出ましになりますので 」
ざわ ざわ ざわ ・・・ 若者たちはちょっと顔を見合わせたり微妙な表情だ。
「 では ― 楽師の方々、お願いします。 若殿方、いいワインがあります、
お嬢さん方には珍しいスウィーツがございますよ どうぞ 〜〜 」
〜〜〜 ♪♪ ♪ 〜〜〜
心地よいメロディ が流れだす。
まあ ステキ! この曲 ステキですわ〜〜〜
お。 本当にいいワインだなあ〜
きゃ♪ いちごの氷漬けよぉ〜〜
「 踊っていただけますか? 」
一人の青年が進み出て 二人のお嬢さんの手をとった。
「「 はい よろこんで〜〜 」」
〜〜〜♪ ♪♪ 〜〜〜〜 ♪♪ 〜〜〜
三人は軽やかに踊り始めた。
周りでは若者たちが陽気に談笑したりしている。
「 あら ・・・ ジョー様よ 」
「 おお ジョー様 」
ざ ・・・・ ― 人々が開けた路を 青年がゆっくり進んできた。
「「 ジョー様 ・・・ ご機嫌うるわしゅう ・・・ 」」
「 やあ 皆さん ・・・ よくいらっしゃいましたね
あ ・・・ どうぞ続けてください ほら おしゃべりも ね
」
畏まって挨拶をする若者たちに 茶髪の青年は笑顔で応えた。
「 ジョー様 本日はお招きに与りまして 〜〜 」
「 ああ 堅苦しいことはヌキにしましょう。 ここは気楽に楽しんでください。
あ せっかくのダンスをやめないで ・・・ 」
「 ありがとうございます 」
皆 会釈をして賑やかな雰囲気が楽しいざわめきと一緒に戻ってきた。
楽師たちも続きを奏で始め、踊っていた三人も また楽しげに踊りだした。
「 〜〜〜〜♪ 王子様? いかがですか ご一緒に 」
「 どうぞ どうぞ 〜〜 」
「 ご一緒に踊りませんか 王子様 〜〜 」
三人が口々に誘うと ジョー王子は少しはにかみつつ加わった。
おお〜〜〜 王子もなかなかお上手だな
ええ ええ 楽しそうですわね♪
「 ん? ああ ジョー ・・・ 楽しそうだなあ 」
城の方から背の高い金髪の青年が やってきた。
「 まあ ジャン王子様〜〜〜 いらっしゃったのですね 」
「 ようこそ ジャン王子さま 」
若者たちは また騒めきをもって好青年を迎えた。
「 ジャンさまも ご滞在なのですね。 」
「 そうです、この城は本当に素晴らしいですね 」
「 はい お城は勿論、 海まで続くこの広大な庭園も素敵ですわね。 」
「 そうですね あ メヌエットだな 踊っていただけますか お嬢さん 」
「 まあ♪ 喜んで〜〜〜 」
ジャン王子は 金髪の令嬢の手をとり優雅に踊り始めた。
「 ステキ! ・・・ ねえ 二人の王子様方のお心を射止めるのは
どちらの姫君なのかしらあ〜〜〜 」
「 あら もう決まっているそうよ? ジョー様は 」
「 え〜〜〜〜〜 あ・・・ 失礼しました 」
令嬢たちはにこやかな談笑風〜〜にひそひそ話に余念がない。
「 ねえ ねえ それ本当? 」
「 今度の夜会はそのための舞踏会 ですって 」
「 ・・・ ん〜〜〜 がっかりぃ〜〜〜 」
「 そうよね〜 貴族の令嬢たちは皆 狙っていたもの。 ジョー様って ・・・! 」
「 わたくし。 ジャン ・ アルヌール様がいいわ。 オトナの魅力ですもの 」
「 そうね〜〜 次はジャン様ね!
」
〜〜〜♪ 中央で踊っていた4人が笑いつつ戻ってきた。
「 ジョーさま〜〜 加わってくださってありがとうございました。 」
「 いえ いえ ぼく ジャマしちゃいましたね〜 」
「 まあ とんでもない〜 ねえ 皆さま? 」
「 さあ 新しいワインがきました、どうぞ お嬢さん方 騎士の方も 」
ジョーは 集まってくれた貴族の友人たちをもてなしている。
「 お嬢さん 素晴らしかった 〜〜 どうぞ どうぞ 」
そこへ ジャンも一緒に踊った姫をつれて加わった。
「 ジャンさん〜〜 相変わらず見事なリードですね 」
「 君も楽しそうだったよ? ああ ありがとう 」
ジャンもジョーたちと笑いあってワイン・グラスを傾けている。
〜〜〜〜 ♪♪ 〜〜〜〜 ♪ 〜〜〜〜
楽師たちは 心地よい音楽を奏で続けてくれている。
「 ああ ・・・ いい宴だな 楽しいよ ジョー。 」
「 どうぞジャンさんもご存分にお楽しみください。 」
「 ありがとう。 ― なあ ジョー 」
「 はい? 」
「 お前も 身を固める時期だな。 」
「 ― そ そんな ・・・ ぼくの伴侶は 」
「 ずっと妹のこと、想ってくれていてありがとう。
しかし きみももう明日のことを考えてくれ。 君自身の、そしてこの国の 」
「 ・・・ ジャンさん ・・・ 」
「 次の舞踏会 ― 主賓の方は美しい姫だときいた。 」
「 ・・・ ぼく は ・・・ 」
「 その姫君と シアワセになってくれ。 妹もそう望んでいるさ 」
「 ・・・ ジャンさん ・・・ 」
「 俺も 前を見なければ な 」
ぽん。 ジャンの大きな手がジョーの背を押した。
温かい 心のこもった手 だ。
― この方を 兄 と呼びたかったのに ・・・
ジョーはほんの僅かの間 目を閉じた。
「 ぼくは ・・・・! すいません、ちょっと失礼を ・・・ 」
ジョーは中庭での宴から 目立たぬように抜けていった。
キ ・・・・ 庭園の柵にある飾り格子のある門扉を開けた。
「 ・・・・ 」
警護をする門番が 顔をあげて主人をみつめたが王子は黙って片手を上げそのまま出ていった。
「 あら ・・・ ジョーさま どちらへ 」
後を追おうとした女官を ジャンはさりげなく止めた。
「 ジャンさま およろしいのでござますか 」
「 ああ ・・・ 好きにさせておいてくれ。
その代わり ここの宴は引き受けるよ。 王子の友人の方々をもてなそう。
」
「 まあ〜〜 ありがとうございます〜〜 ジャンさま〜〜 」
「 まあ 任せておきたまえ。 え〜っと? ああ シャンパンをもう少し
用意してもらえるかな。
」
「 はい かしこまりました。 殿方には木の実を、お嬢さま方にはフルーツを
運ばせましょう。 」
「 ああ よろしく 」
ジャンは笑顔で 中庭に集う若者たちを見回した。
アイツは ジョーは ・・・妹の面影と決別しに行くんだろう
長い間 亡き妹を 愛してくれて ありがとう …
でも もういい。 きみは未来に向いて生きてゆけ。
彼はす・・っと視線を空たかくとばす。
そこは ― 亡き妹姫の瞳にも似て どこまでも澄んだ水色に輝いていた。
ザ ・・・・ ン ・・・・ ザ〜〜〜〜ン ・・・・
穏やかな風が海面を撫で 水面はゆったりと揺れてゆれて ― 岸へと寄せては また返す。
宮殿の中庭から続いているこの岸辺には 当然誰の姿も見えない ・・・ いつもは。
さく さく さく ― ジョーは白い砂を踏み軽い足取りで進んでくる。
「 ああ ・・・ 潮の香りだなあ ・・・ ふうん ・・・ 」
針葉樹の防風林を抜ければ 澄み切った海はもう間近に揺れている。
「 気持ちいいな ・・・ ずっと避けていて ごめんね 海 ・・・
本当はさ 大好きだったんだ。 海の風も潮の匂いも波の音も さ ・・・
― あ あれ ・・・?
ジョーは思わず目を凝らした。
誰もいるはずのない海岸で ― きらり、金の髪を靡かせているヒトが いる。
白いドレスのその娘は 波打ち際で飛沫と戯れていた。
弾ける笑顔が きらきら・・・海面からの反射を受けて輝いてみえた。
「 な なんだ?? 海の ― 妖精 ??? ああ まさか・・・
けど 本当に ヒト なのかなあ ・・・ 」
彼は太い樹の幹の陰から 一歩も動けない。
「 ・・・ なんて ・・・ 可愛いんだ ・・・ !
もっとよく見たい けど ・・・ これ以上近寄ったら消えてしまうんじゃないかな 」
クスクスクス ・・・ きら きら きら ・・・
鈴の音みたいな笑い声が 風に乗って聞こえてくる。 娘の笑い声と一緒に足元に
波しぶきが絡みつく。波のまにまに 半透明な姿が数多く見えるのは ― 気のせいだろうか・・・
「 な なんなんだ ・・・? カノジョは ・・・ ああ どこかで会ったかなあ
あの笑顔 ・・・ ぼくは知ってる・・・? 」
ジョーの足は我しらずゆっくりと前に進んでゆく。
ジャリ。 彼の足の下で砂が軋んだ。
「 ・・・??! 」
波打ち際にいる少女が はっと顔を上げた。
― ! この瞳 ・・・ ! 空よりも海よりも深いこの色 !
ぼくは ・・・ じっと見つめられたことが ある ・・・ ?
ザザ ・・・ ザ ! 彼の脚は自然に速さを増し どんどん海に近づいて行く。
「 ! ・・・ 」
びくっと身体を震わせると 少女は海の中へ逃げようとした。
「 あ ・・・ どうぞ行かないでください ・・・ 驚かせてごめん ・・・ 」
「 ・・・・ 」
足を止めると 少女はまたじっとジョーを見つめた。
「 あ の。 お嬢さん ・・・ どちらのご令嬢ですか? 」
ジョーは丁寧に会釈をすると 礼儀正しく尋ねた。
「 ・・・・ ・・・・ 」
白いドレスの少女は 艶やかに微笑むと ― 大海原を指した。
「 え? ・・・ この海からいらしたのですか? 」
「 ・・・・・ 」
こくん、 と頷くと彼女はまたにっこり笑った。
「 海の姫君 ・・・ あの よかったら・・・こちらにいらっしゃいませんか。
あ ぼくは ― ジョー。 この王国の え〜と ・・・ 王子なんだけど 」
おずおずと差し出したジョーの手に 少女はほっそりとした指を置いてくれた。
「 ありがとうございます。 さあ どうぞ? 」
「 ・・・・ 」
ジョーに手を預け 少女はゆっくりと海から上がってきた。
「 あの 大変失礼ですが ― あなたは 話すことができない のですか ? 」
「 ・・・・ 」
少女は ちょっと悲しい眼差しでジョーをみつめこくん、と頷いた。
「 そうなんですか・・・ あのう〜 それでは貴女のことを ・・・
海の姫君 とお呼びしてもいいですか? 」
こくん。 今度は彼女はとても嬉しそうに頷いた。
「 では 海の姫君〜〜〜 どうぞ ぼくの宴にいらっしゃってくださいませんか? 」
ジョーは熱心に話すと、とても丁寧にお辞儀をした。
「 ・・・・? 」
こくん、と首を傾けて 少女はジョーを見つめた。
― いきなりお邪魔してもよろしいのですか?
「 え ? 」
突然 そんな < 声 > が ジョーの心の中に響いてきた。
「 あれ? ぼくは今 ・・・ あなたの声を 聞いた ? 」
― どうぞそのままお話になってください。
わたし あなたのお心にお返事します。
「 そ そうなんですか?? うわ〜〜 すごいなあ〜〜
あ ・・・ ええ ええ もちろん、大歓迎ですよ!
その前に ちょっと ・・・ ここでぼくと踊っていただけますか?
さっきとても軽やかに踊っていらしたでしょう? ほら 波打ち際で ・・・ 」
「 ・・・ ・・・・・〜〜 」
― 波の精たちと踊っていたのですわ。
「 波の精 ・・・ ?? 」
「 ! ・・・ ・・・! 」
― そうです、白いレエスの裾のドレスを着た妖精たちです。
「 へえ ・・ そうなんだ? じゃあ 今度はぼくと ― どうぞ踊ってください。 」
「 ・・・・ 」
― はい 喜んで。
少女は ほっこり微笑むと差し延べたジョーの手に白い手を預けた。
「 え・・・っと 音楽は〜〜 そうだ! この波と風も音楽ですよねえ〜 」
「 ・・・・ 」
― はい♪ あらお上手ですのね
二人は ゆっくりとステップを踏み始め ― やがては寄せては返す波の音にのり
優美に そして 楽し気に踊ってゆく。
・・・ なんてカワイイ女性 ( ひと ) ヒトなんだ ・・・!
― この方 ・・・ わたしが想っていた通りに素敵な方・・
「 ああ 美しい方〜〜 本当に あなたはどこからいらしたのですか 」
「 ・・・・・・ 」
ジョーの問いに 少女は温かい眼差しを注ぐ。
身寄りどころか、名前もわからないのだけれど少女は、しかし シルクの素晴らしいドレス
を纏い、 珊瑚と真珠貝でできた髪飾りが金の髪に煌めき 大粒の真珠の腕輪が白い腕に
揺れ・・・ 気品ある顔立ちなのだ。
ただの農民の娘とはとうてい思えない品位ある佇まいだ。
この女性 ( ひと ) ― ぼくの運命のヒト だ!
ジョーは思わず彼女を抱きしめた。
「 ??? 」
― まあ どうなさったのですか?
「 ・・・ 決めた。 さあ ぼくの城にどうぞいらしてご滞在ください。
貴女を客人としてお招きします。 」
「 ・・・・・ 」
― 王子さま。 アナタは 海がお好きですか?
「 え?? ・・・ あ〜〜 今は 好きです。 」
― 今 は?
「 うん ・・・ アナタと出会ったから また好きになりました。 」
― 今まで お嫌いだったのですか?
碧い瞳が じっとジョーを見つめた。
「 ・・・ あの ぼくは。 とても大切なヒトを亡くして ・・・ 子供の頃ですが。
その時から嫌いになったんです 海 ・・・ 」
― その方 ・・・ 海で亡くなったのですか?
「 うん ・・・ 舟遊びに出て ― 急な大風に遭って 彼女は海に ・・・ 」
― まあ ・・・
「 ぼくは子供心にも彼女が好きで好きで ― 将来は絶対に結婚するんだ!って思ってて。
だからそんな彼女を奪った海が ・・・ 嫌いでした。 」
― そう ・・・ ごめんなさい、辛いことを思い出させてしまいましたわ。
「 ううん ・・・ いいんだ。 もうそろそろ ― 忘れなくちゃ・・・って。
ジャンさんも・・・ あ その彼女の兄上でぼくにとっても兄みたいな方なんだけど
その方も もう前に進めって言ってくれました。 」
― 無理に忘れなくても いいんじゃありません?
その方の面影は お心の奥にしまっておいてあげてくださいな
「 ・・・ あなたは ・・・ 優しい方ですね 」
「 ・・・・・ 」
碧い瞳が柔らかく微笑んでいる。
「 あなたに出会ったから。 ぼくは また海が好きになりました ・・・!
ああ 今度ご一緒に舟遊びをしましょう。 」
「 ・・・・・・ 」
白い手がす・・・っとジョーの首に絡まり ―
・・・ え ?? う わあ ・・・・ ♪♪♪♪
桜色の唇が ちゅ。 彼の唇を掠めていった。
ギ −−− ・・・・
王宮の表庭へのドアが重々しく開いた。
「 ジョーさま。 お帰りなさいませ 」
警護の兵が さっと姿勢を正し挨拶をした。
「 ただいま。 侍従長を呼んでくれ。 」
「 は! 」
兵士はさっと居城の方に駆けて行った。
「 さあ どうぞ、海の姫君。 貴女をぼくの客人としてご招待いたします。 」
「 ・・・・・ 」
― ありがとうございます。 ステキなお城ですね。
姫君はゆったりと周囲を眺めている。
「 緑は多いです、ぼく ・・・ 好きなんです。 さっきまで中庭で宴を催していたのですが ・・・ 」
「 ジョーさま〜〜〜 お これは これは ・・・ ご友人ですか? 」
大汗ながし、早足でやってきた侍従長は ジョーの傍らに立つ女性に気づき会釈をした。
「 ・・・・・・ 」
姫君は 微笑んで優雅に挨拶を返した。
「 うん、ぼくの大切な御客様さ。 あ〜〜〜 ジャンさんは?
中庭の宴はもう 終わったのかな? 」
「 はい、ジャンさまは 宴を仕切ってくださっていますよ。 そろそろお開きですが・・・
ジョーさま 最後にもう一度お出ましを 」
「 あ〜〜 ・・・ ぼくは姫君を客間にご案内するから ・・・
宴はジャンさんにお願いするよ。 さあ こちらですよ、姫君。 」
― 姫君 次の舞踏会には 是非参加してください!
ぼくは あなたの手をとって踊りますよ。 あ 伝わりましたか?
ジョーはこそ・・・っと心の中で呟いた、すると。
― はい。
可愛い声が艶やかな微笑みとともに ジョーの心に響いてきた。
「 うわ ♪ さあ どうぞ 〜〜 」
ジョーは にこやかに姫君の手をとってどんどん居城の方に行ってしまった。
「 これは まあ ・・・ 若様にしては珍しいことだ・・・ 」
侍従長は 少々呆れ顔で王子を見送っていた。
― その頃 黒い幽霊たちの棲む巣窟では。
「 ふぁ〜〜〜〜ふぁっふぁっふぁ〜〜〜〜 あの王子のヤツ〜〜〜
グデグデになっておるなあ〜〜〜〜 これはチャンスだぞ〜〜〜 ふぁっふぁっふぁ 」
黒い魔女が黒い仮面の下で密かにほくそ笑んでいた。
Last updated : 11,10,2015.
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********** またまた途中ですが
え〜〜 なんの話だか意味不明?になってきました☆
激短ですみませぬ〜〜 (;´Д`) <m(__)m>