『  奇々怪々 ― (2) 2 』

 

 

 

 

 

赤と黄色が 石造りの回廊の中に消えていった。

彼女の亜麻色の髪は なぜか不思議にこのド派手な取り合わせの色彩にマッチしている。

 

    ふうん ・・・ 今のいままで気がつかなかったな

 

何気なく姿勢を変えた瞬間 ― なにかがカチリと彼の中で組み合わさった。  

ああ ・・・とアルベルトは例のシニカルな笑みを浮かべた。

「 ― そういうこと ・・・ か ・・・ 」

しかし一方的に判断するのはやはりまずい。 もう少々公平な見地からの考察が必要だ。

ふん ・・・ 足元の小石を拾い上げ 前方に開く小さな窓から思いっきり放り投げた。

 

    カ ・・・・・ ッ   わずかな音ともに小石は 消えた

 

「 ふん。 ヤツか俺か。 どちらかがああして消えてゆくだけだ。 」

どうしても一勝負、しなければならない。 そして ― 勿論勝利するのだ。

 

  

   カツ カツ ・・・  遠い靴音が風に乗って耳に届いてきた。

 

他の階層を歩いている仲間のものだろう。

「 あの音ならジェット達 …か。 ジェロニモならもっと重い音なはずだ。 」

ジョーは一応大広間に残り、時間差で索敵を開始する手はずになっている。

「 司令塔の出番は大トリってのが定石だからな。 さて ・・・ ではご希望に従って

 < ロマンを求めて。 塔内散歩 > とやらに出発だ。 」

ふん ・・・ !  誰も − 特に女性が − 側にいないので彼は盛大にハナを鳴らした。

 

 カツ カツ カツ ― がたがたの石段を登って行けば内壁の崩れ具合がひどくなった。

「 あっぶねぇなあ〜 こりゃ・・・ 大風でも来れば一辺で吹っ飛ぶか崩れるぜ 」

なにせ 機械の身体 なのだ。 通常よりも大幅に < 重い >。

彼は慎重に歩を進めてゆく。

「 ・・・ おいおい?  さっき頼んだ検索資料はどうしたのかね・・・

 すぐに送れと伝えたはずだが。  ・・・もっとも受信精度が悪いのに気の毒だったか。」

ぶつぶつ呟いている自分に ふ・・・っと苦笑する。

「 ― さて。 俺こそそろそろお遊びは終いだ。 ・・・ ふふん、ちゃんと気づいているぞ。」

 コッ!   足元の小石をほんの少し動かして彼は回廊の壁際に立ち位置を変えた。

 

    サワサワ・・・・ 木々の葉擦れの音がする。 そよ風が吹いているだろう。

 

「 ここは 渺々と吹き荒れる北風、が相応しいが な。 ま 仕方ないか。

 なにせ < 古城のロマンを求めて > な場所なんだからなあ ・・・ ふん ・・・ 」

 ・・・・ アルベルトは音も気配も消して数歩進む。

 

    ガッ !!   ガラガラガラガラ −−−−−!!!

 

突如 轟音と共に回廊の上から瓦礫が落下してきた。

彼は床を蹴り 壁の途中にある灯置きのくぼみに飛び移った。

「 うお?  危ねえなあ〜〜  ・・・ 」

瓦礫はそのまま遥か地下まで一直線だ。 

「 ふん ・・・!   あ? 今度はなんだよ、おいおい 」

 

    シュッ シュッ  シュッ ・・・!!!

 

瓦礫の後は ― 矢だ。 矢羽のついた細めの矢がそれこそ雨あられと射掛けられてきた。

「 お〜〜っと? 蜂の巣、ならぬ針刺し状態はごめんだぞ。 ― 出てこいっ! 」

窪みから飛び下りると 彼は上を向いて誰何した。

「 姿を現せ! 今更隠れる必要もなかろう!? 」

「 ―  ムウ ・・・ 」

   ドッ !    巨漢がどさり、とアルベルトのすこし先に落ちてきた。

「 誰 ・・・ な ! ・・・ 005? 」

「 ・・・ むう。 」 

 びゅ ・・・!  巨拳が周囲の空気を切り裂いて飛んできた。

「 うわ !?  おいおい どうしたんだ? 俺だ 004だ! 」

「 ・・・・ !!!  」

    ガッ !!!  ガラガラ ・・・!

たった今、アルベルトが立っていた場所は 深くえぐられた。

「 うう〜〜〜〜 !  」

  ザザザ −−− !  大きな身体だが俊敏に005は態勢を立て直した。

そしてまたも巨漢は 004めがけて鉄拳を振り上げる。

「 おい!!!  なにやってんだ、オレだぞ! オレは  本物  だ! 」

「 ・・・・・ 」

問答無用! とばかりに 005 が襲い掛かってきた。

「 くそ〜〜〜〜〜 !  いい加減、 目を覚ませッ!!! 」

必死に足場を探して飛び移りつつ ついに彼がスーパーガンに手を伸ばした時 ―  

  ブワッ!!   今度は突然高温の熱波が襲ってきた。

「 な! なんだ!?  おい ・・・・ 005、大丈夫か! 」

「 う ・・・ うううう ・・・ 」

005は位置的に アルベルトに向かって飛んできた高温熱波をカバーすることとなり、

その結果全身に浴びてしまった。

「 これは ・・・ 」

「 う う〜〜〜〜   ・・・・ うお〜〜〜〜〜 ・・・ 」

005は苦悶の叫びをあげつつ転げまわる。

   グシャ・・・ ガッ!!  巨体が壁に激突するとぽっかり崩れてしまった。

「 おい?  うわ ・・・ 崩れる? 」

 

  グワラ グワラ ガラガラガラ −−−−! 

 

「 うう 〜〜〜 ・・・・ う?  うわぁ 〜〜〜 ・・・ 」

アルベルトは慌てて壁のくぼみに飛び移ったが 崩れ落ちる石壁に巻き込まれ、005は

塔の外へと落ちていった。

「 !!!  005〜〜〜 !!!  

仲間の落下を目の前にしつつ なす術もない。

「 おい 偽004! 俺には高熱線放射のユニットは装備されてないぞ! 

 いい加減で 出てこいっ! 」

珍しくアルベルトは瞬間的に激高し振り返った が。

  ― そこに居たのは 

「 ・・・な!? ・・・ 張々湖 ???」

彼らの後ろには 丸まっちい料理人がくわ〜〜っと口を開いて立っていた。

「 なんのマネだ!?  006の超高熱には 009の最新人工皮膚でも火傷を負うんだぞ!

 それを知らんあんたじゃあるまい。  」

「 ふぉふぉふぉ 〜〜〜〜 」

ドジョウひげの中国人は 狡からい笑を浮かべると大きく息を吸い込む。

 「 む・・・! いかん !  あの炎に俺は耐えることができねえからな。 」

 ガッ !  彼は熱せられた石床を蹴った。

「 おい! あんた ・・・ 本当に006なのか!? なぜ俺達を いや 俺を狙う? 」

 ―  ザ。 ザザ。 彼はゆっくりと006に接近してゆく。

006の最大の武器である熱線は 彼の口中から発せられる。

従って至近距離に近づけば 大量の超高温な熱波を浴びる可能性が致死レベルで増大する。

しかし ― ぴったりと006のたとえば背後に密着し、その首の回転を封じてしまえば

勝算がでてくるのだ。

   グ ・・・!   鋼鉄の腕が006の首ねっこを抑えた。

「 うが〜〜〜〜〜!? 」

「 さあ〜〜 じっくり聞かせてもらおうか?? 」

「 もごもご〜〜〜〜!! 」

「 さっきの料理は確かに < 中華飯店・張々湖 > の味だった。

 だから俺は信用したんだ、正真正銘の張大人だってな! 」

「 ・・・ ぐ ぐ ぐぐぐ ・・・ 」

「 俺は! ロボットじゃない、サイボーグの 004だ! 」

アルベルトは脳波通信で同時にメッセージを伝えた ―  が。

  ぐにゃり。  006は巧に姿勢を変えて再び熱波を放射する構えに入った。

 「 ! だから なぜ ・・・! 」

一旦飛び退き、瞬時に006との距離を詰めた。ずい、と鋼鉄の身体が熱波の前に立ちはだかった。

   ゴウ −−−−− ・・・・!

006の炎が アルベルトを襲う。 防護服もちりちりとイヤな臭いをあげ出した。

「 く ・・・!  006! 俺だ! ・・・!  」

ずい、と彼は足を進めた。  もう限界かもしれない ・・・ ふっとそんな思いが脳裏をよぎる。

「 ・・・ く ・・・ そ ・・・! 」

  ズ ・・・  もう一歩、進んだ時  ―    

 

 ズザザザザ −−−−  足元の回廊が崩れ出した。

「 ・・・う ? 」

006も気づき よろり、と後ずさりをしたが、その瞬間。

「 ひぇ??   う  うわあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・・・・!  」

  ―  彼は石床にぽっかりと空いた落とし穴にはまり 奈落の底へと煙を残し落下していった。

「 !! こ こんなところに落とし穴 ・・・!  おい! 006? 006〜〜〜!! 」

焦げ始めた防護服のまま アルベルトは穴に向かって叫んだ。

「 お〜〜い ・・・・!  006!  張大人〜〜〜!! 」

しかし 暗闇からは黴臭い風が吹きあがってくるだけだった。

「 ・・・ ダメか。 しかしあの二人はなんだってこんなことを ・・

 ! ・・・ 落とし穴の件は 聞いていないぞ。 」

ガチャリ。 機械の足を踏みしめ 彼はゆっくりと立ち上がった。

 

  カツン カツン カツン ― 軽い足音が聞こえてきたからだ。

 

「 ・・・ 004? どこ? 塔の図面があったのよ。 」

明るい声が響いてくる。 ずっと階段を上ってくる。

「 ねえ ・・・ どこにいるの? なんだかずいぶん崩れているわね?

 それに ちょっと焦げ臭くない? 004ってば〜〜 ? 」

「 ・・・ ここだ。 わいわい言うな。 」

「 え ・・・ ここって ・・・ この階層なのかしら ・・・ 」

独り言ともいえない声が響いてきて ― ひょっこり亜麻色の髪が現れた。

「 あ! やっぱりここね〜〜 よかったわあ〜〜 」

「 おい ・・・ 静かにしろよ。 」

「 はいはい うるさくて申し訳ありませんでした。 ちゃんと資料、もってきたのに〜〜 」

「 ・・・資料  ・・・ 廊下の見取り図か。 」

「 そうよ。 なるたけ詳しい資料って言ってたでしょう? ほら ・・・ちゃんと

 落とし穴とか隠し天井とか・・・待ち伏せ用のくぼみとかも書いてあったの。 」

「 ・・・ ふん ・・・ よく聞いていなかったな ・・・ 」

「 え なあに?  ねえ ・・・ ここ、焦げ臭くない? お鍋を焦がしてしまった時

 みたいなんですけど? 」

「 お前 ― 自分自身で < 見て > 見ろ。 俺はその見取り図を回せ。 」

「 はいはい ・・・・ もう〜〜 」

「 ふん ・・・ 」

「 ねえ? やっぱりヘンなにおいよ、これ・・・ こんな場所でたき火でもしたの? 」

「 ・・・ お前の目をつかえ。 俺はもう見たくないからな。 」

「 ???  なあに、 なにを見るの? 」

「 < 焦げ臭い > の原因さ。  ほれ ・・・ 」

アルベルトは彼女の背を押して、窓と回廊の穴のそばに進めた。

「 だから なにを   ・・・・!! ・・・ あ あれは ・・・! 」

彼女は蒼白な顔で立ち尽くす。 かくかくと脚が震えている。

「 ・・・ う そ ・・! 」

「 お前ならよ〜〜く見えるだろ、お前ならさ。 」

「 ・・・ ほ 本当に 005 と 006 なの? 」

「 ああ ・・・ 」

「 ・・・ 偽モノにやられたの? 004、どうして ・・・ 」

「 ちがう。 攻撃されたのは 俺。 仕掛けてきたのは 」

彼は奈落を指した。

「 ええ?? 嘘でしょう? そんなことって ・・・ 」

「 そんなも こんなもどれもウソじゃない。 俺のこの焦げた防護服が証拠さ。 」

「 まああ ! ・・・ これ ・・・ 006の炎で? 」

「 うむ。 」

「 …そんな ・・・ あ もしかしたら彼らはコントロールされていたのではないかしら。

 ほら・・・催眠ウェーブとかで・・・そうよ! きっとそうだわ! 」

「 誰に 」

「 だから ・・・ その・・・ 偽の004に ・・・ 」

「 ロボットにそんな芸当ができると思うか。 催眠装置を搭載した004か? 」

「 ・・・ それは ・・・ でも どうして!? 」

「 それは俺が聞きたい。 」

「 て 敵は ・・・ ロボットの偽004だけじゃないのかしら。」

「 わからん。 ただ十分に注意しろ。 お前、大広間に009と残っている方がいい。 」

「 まあ! どうして! 索敵はわたしの任務よ。 わたしがイニシアティブを取るのが

 効率的じゃないかしら。 」

「 しかし ― 」

「 さあ 索敵を続けましょ。 この塔のどこかに隠れているロボットを殲滅するの! 」

  カツカツカツ ・・・ !   003は先に立って威勢よく歩き始めた。

 

    ふふふ ・・・ 相変わらずだなあ〜 

    ジョーのヤツめ、将来は完全にかかあ天下だな 

 

    ・・・ ま そんな家庭があいつの憧れなのかもしれんが・・

 

「 ねえ 早く! 」

振り向いたパリジェンヌに アルベルトはちょいと合図を返し、歩を速めた。

 

   カツ カツ カツ   コツ コツ コツ 

 

二組の足音が塔の中で反響する。

   ヒュウ  −−−− ・・・・

「 ! 音が!  なにか飛んでくるわ! 」

「 ふん? 風の音だろう? そろそろ最上階に近い。 塔の上から吹き降りてくる風が

 石壁に当たって螺旋上に降りてくるのさ。 」

「 ・・・ ううん ちがうわ! これは 風だけじゃなくて 」

  

     シュ ッ  −−−−  !!!

 

003の言葉が終わらないうちに アルベルトの顔面すれすれに何かが飛び込んできた。

「 っ!  危ねぇなあ〜 標的をきちんと把握しろ。 002! 」

「 え??? 」

「 −−−− くらえッ !  」

赤い旋風が 今度は下から湧き上がってきた。

「 ・・・ お〜〜っと。 ホントにお前はせっかちというか大雑把なヤツだなあ。 

 攻撃ってのは ― こうやるもんだ。 」

「 うるせ〜〜〜 !! 」

 

     ガキッ !!  バ ―−−−ン ッ !!

 

アルベルトの右手が手袋のまま空を切り次の瞬間、火花とともに赤毛の鳥が殴り飛ばされた。

石壁に激突した < 鳥 > は 片翼、いや片脚をもがれバランスを失った。

「 ぐわ〜〜〜〜〜 !! 」

「 え?! どうして? どうして? 」

003が悲鳴を上げた。

「 ・・・・ 」

アルベルトは腕組みをしたまま じっと眺めていた ― 赤毛の鳥が小さな窓を突き抜け

地上へと落下してゆく様を ・・・

「 002!?  ウソ! こんなこと ・・・ ウソよ〜〜〜! 」

003は、ぽっかりと空いた穴から地上を見下ろし叫び声をあげた。

「 こ こんなこと ・・・! 」

「 ・・・ なにが か。 アイツが俺を攻撃したこと か。 それとも 俺が 」

「 両方よ! どうして ・・・ ねえ どうして!? わたし達、仲間なのに!

 どうして仲間同士で戦わなくちゃならないの? どうして ・・・ こ 殺したの!? 」

003は泣き叫びつつ アルベルトに抱き付いてきた。

「 お〜っと ・・・ フロイライン、相手を間違えていませんかね。 」

「 な ・・・ なんですって? 」

アルベルトは ぐっと彼女の身体を離そうとした ― その時。

 

   ヴィ ・・・・・・ !

 

一条の光線が 彼らの頭上スレスレを通過していった。

  ガラガラガラ ・・・・・!   前方の石壁が崩れ落ちる。

「 きゃ ! 」

「 おい ・・・ 」

またも抱き付いてきた彼女に アルベルトはお手上げ…といった顔をしたが 

すでに手袋は外している。

多少歪んでしまったが まだ十分にマシンガンは健在だ。

「 ・・ ほう? そうやって俺を拘束するのも お前の役割か? 」

「 !  な なんですって!? 」

 

   ヴィ 〜〜〜〜!   ヴィ −−−−!

 

さらにレーザーが飛び交い じりじりとアルベルトを包囲してくる。

「 ふん ・・・ いい加減で姿を現せ! 」

  

 ザ・・・・。   ズサ!  シュッ ・・・!

 

アルベルトの前に 赤い防護服にマフラーを揺らせるサイボーグ戦士が三人、現れた。

「 ほう ・・・ 7 8 9 とまとめてご登場、か。 」

「 ・・・・  」

無言のまま、茶髪の青年が中央に立った。

「 おい。 なんとか言ったらどうだ? リーダーさんよ? 」

青年は答えず、セピアの瞳が鋭い光を放っているのみだ。

 

    ふん ・・・ 甘くみてもらっちゃ困るぜ。

 

こんな時にもシニカルな自分にちょっとばかり興ざめしつつ、アルベルトはなおも話しかける。

「 三対一ってのは少々不公平な気がするのだが ・・・  」

「 003。 しっかり彼を拘束していろ。 」

「 了解。」

背中に回されていた細い腕に力が籠った。

「 ふん。 ついには四対一 か? それほどまでにしてもらえるとは・・・

 ははは この俺をずいぶんと買い被ってくれてたんだな。 」

軽口を叩きつつも アルベルトはじりじりと移動し始めた。

ここでは足場が悪い。 おまけに余計な荷物!が 前面にかじりついているのだ。

「 フロイライン? すまんが離れてくれないか。 」

「 ・・・・・ 」

亜麻色の頭はぴくり、とも動かず言葉も発しない。 

コレは今、ヒトでもサイボーグでもなく、単なる拘束具だ。  

しかも意思があるだけますます始末が悪い。

「 やれやれ ・・・ それじゃ仕方ない。 しばらくご同行願うか ・・・ 」

す・・・っと彼は右手を上げ ―  

   バ !   立ちはだかっていた三人が散開した。

 

   ヴィ  〜〜〜〜 !  ガガガガ −−−−!   ヴィ −−−−!

 

レーザーとマシンガンが交錯し ガラガラと石床や壁が崩れ落ちる。

「 ― くそ  ・・・! 」

辛うじて足場を確保し次のくぼみへと飛び移ったが 抱き付いていた003の身体が

半分宙に浮いてしまった。

「 ・・・ ちっ!  」

腕を伸ばし手繰り寄せようとした時 彼の体勢の崩れを009のレーザーが狙った。

 

    ヴィ −−−−−!!    

 

「 きゃあ 〜〜〜〜〜 ・・・・・! 」

「 ! しまった ・・・ 」

細い身体がアルベルトの腕から跳ね飛ばされ そのまま回廊の中央に転がった。

「 ! フランソワーズ! 大丈夫か!?  くそ〜〜〜 」

ヴィ −−−− !   ガガガガ ・・・・

応戦しつつアルベルトは必死で倒れている彼女に近づいてゆく。

「 ・・・ ううう ・・・ 」

ヴィ −−−   ヴィ 〜〜〜〜 ! ヴィ ・・・!  

三本のレーザーが執拗に彼を追い詰めてきた。

「 ・・・ お前ら ・・・! 」

彼が 倒れている003の側に立った時 ―

 

    ヴィ −−−−−−−− !!!!

 

レーザーが 彼女を掠めつつ的確に彼の右手をヒットした。

「 ウッ ・・・・!  」

「 きゃ ぁ ・・・ 」

右手はぐにゃり、と変形してしまった。

003の身体も衝撃で再び跳ねとびしたたか石床に叩きつけられた。

「 く ・・・ お おい! フランソワーズ! 」

「 ・・・・ う ・・・・ 」

彼女の下にイヤな色の浸みが徐々に広がり始めた。

うめき声も小さくなり その身体が全く動かなくなるのはもう目前だ。

「 くそ 〜〜 」

「 ふふふ ―  そろそろ止めを刺すよ? 」

す・・・っと 茶髪の青年が歩み寄って来、レーザーガンの照準をぴたり、とアルベルトの

頭に合わせた。

「 全身武器の死神でも頭を撃たれたら ― どうかな? 」

「 ・・・・・ 」

す ・・・。 一歩 また 一歩 彼は近づいてきた。

「 009!  お前は ・・・ 009じゃないのか!? いや 007 008も!

 なぜ俺を狙う?  俺は ニセの004じゃない!  」

「 そんなこと 始めからわかっているさ。  」

やっと茶髪の青年が口を開いた。  妙に抑揚のない口調だ。

「 ・・ なんだと? 」

「 ぼく達のミッションは ニセ004 を斃すこと。 つまり 斃されたヤツが 

 ニセ004ということになる。  」

「 な んだと ・・・? 」

「 わかったかい。 それじゃ ― 行くぞ! ニセ004!! 」

青年はゆっくりとアルベルトに近づいてきた。 

 

  ズサ ・・・ 彼のブーツが倒れている003を押しのける。

 

 「 ―  やはり な。  ニセモノめ!   ― お前ら 全員だっ!! 」 

 

  ズガガガガガガ −−−−−−− !!!!!!

 

マシンガンの轟音が回廊に響き渡った。  

 

 

Last updated : 18,02,2014.            back      /      index     /      next

 

 

 

*********   途中ですが

すみません すみません〜〜〜 また短いです <m(__)m>

そして終わっていません〜〜〜

あと一回! お付き合いくださいませ〜〜〜