世界に生きる人々(1)


■ヒューマン

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■ヒューマン  □ウィング  □エルフ  □ドワーフ  □ホビット  □ピクシー  □ライカンスロープ

 ヒューマン(人間)は、リアスターグにおいて、最も繁栄している種族である。その種としての起源は、分裂して力が衰えていた至高三神を助けるために創造されたもので、最初は神に助けを求める心を植えつけられていた(そうした心が、神に力を与えるためである)。やがて、至高三神は十分に力を取り戻したため、植えつけられていた神を求める心の動きは解除され、自由意志で生きることが可能になった。
 ヒューマンは、そのほかの種族に比べて、生きる場所の条件を選ばない。様々な気候風土の中で、その環境に適応していき、快適に暮らす方法を見出すことが出来る。この資質が、ヒューマンを世界中で繁栄に導いた大きな要因となっている。

 男性の平均的身長は160cm・平均的体重は56kg、女性の平均的身長は150cm・平均的体重は48kgである。

 リアスターグにおいて、ヒューマンは さらに地域ごとに独自の民族に分けることが出来る。各民族間の混血が進んでおり、幾つかの民族の特徴を掛け合わせたような人々も多い。民族間で能力的な差も差別意識もない。ただ、あまり外部の者との接触がない辺境では、どの地方であっても、明らかに外見的特徴の異なる者が なかなか信用されないことは多い。

 以下に、各地方の民族と その外見的特徴をまとめる。混血している場合、それぞれの民族に示された特徴が混合されることになるが、民族によっては混血のときの特徴の出方が 特殊なものもあるので、注意して欲しい:
 東方:チェレスト
(髪:金 瞳:碧 肌:白)
 東方出身の民族だが、帝国が全土を支配したときに、全土に拡散し、現在では全ての地方で見かけられる。他民族との混血も かなり進んでいる。
 北方:ジヒト
(髪:茶 瞳:黒 肌:浅黒)
 古来から砂漠に住む民族の血筋といわれる。照りつける砂漠の日差しに耐えられるように、肌が黒っぽくなったといわれている。
 西方:フリーアムス
(髪:銀 瞳:銀 肌:白)
 魔道大戦によって滅ぼされた民族。だが、その血を引いた者は 今も西方で生まれることがある。この特徴を持った子供が生まれた場合、その家に吉凶様々なことが起きると、西方では言い伝えられている。
 南方:アウギューヴ
(髪:金 瞳:金 肌:黒)
 瞳が印象的な民族。実際、どんなに混血してもアウギューヴの血が混ざっていると、ほぼ間違いなく瞳が金色になる。
 中央:ガレイア
(髪:黒 瞳:茶 肌:黄)
 まだ純血の者も多く生活している民族。他民族と混血しても、ガレイアの特徴は出づらいことで知られている。
 ヒューマンの国家については「現在の秩序」の方で紹介しているので、そちらの方を参照のこと。

人間という存在が、なぜ作られたか?
ということについて、ティナリアート神話は
結構ショッキングな事実を伝えています。
今は、神への慕情を強制はされていませんが、
実際は神の力の源としての役割を 今も果たしています。
まあ、日常生活において、それを意識しているのは、
至高三神の信者たちだけですけどね。

さて、父親・母親の民族が異なる場合、
その子が どちらの特徴を受け継ぐかは、運次第です。

それでも、リアスターグに生きている人は
相手が どの民族の出なのかを区別するために、
必ず 目 を見ます。
というのも、民族ごとに瞳の色だけは
確実な違いがあるからです。
もっともアウギューヴの血が混ざっている場合、
ほぼ確実に瞳は金色になってしまうので、
それ以上のことは分からなくなりますけどね。


別に民族的に差別意識はありませんが、
これは結構 不思議に思われる方がいるかもしれませんね。
その理由は、割とはっきりしています。

それは 共通の敵 です。

リアスターグは、常に魔族の侵略に晒されています。
そして、それに対抗するには、
民族や種族の違いなどを言ってる暇はありません。
このため、極端な差別意識というものから、
リアスターグの人々は解放されています。

もっとも、異種族の混血については、
かなりの拒否感があるみたいです。
亜人間は、元をただせば 皆 異種族の混血なのに
おかしなことですけどね。

なお、ヒューマンは他のどの種族とも混血して、
その子供をもうけることが可能です。
ただ、ドワーフやホビットの女性との交配は、
母体に負担をかけます。
ホビットが母親の場合、処置を誤ると命に関わります。

それから もう一つ。
異種族と交配して混血した子供は、
それ以上 子孫を設けることはできません。
例外はライカンスロープだけで、それ以外の種族間の
混血児の子供のことは聞いたことがありません。
まあ、何が真実かは 分かりませんが。


■ウィング

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□ヒューマン  ■ウィング  □エルフ  □ドワーフ  □ホビット  □ピクシー  □ライカンスロープ

 背中に翼を持つ人々。翼がある以外は、種族的にヒューマンとほぼ変わらない。この翼は、本人の意思に従って、背中に折りたたむことが可能で、そうすると見た目は本当にヒューマンと区別が付かなくなる。なお片方だけでも翼をもぎ取られた場合、絶命する。
 翼の色は白〜黒で、その他の原色は混ざらない。別に善悪の概念によって色が変わるということもない。生まれたばかりの赤子の翼は半透明で、1週間ほどで色が付いていく。若い者ほど白く、年老いた者は灰色に近づいていく傾向があるが、これも絶対の法則ではない。
 男性の平均的身長は160cm・平均的体重は59kg、女性の平均的身長は150cm・平均的体重は51kgである。ヒューマンより、翼があることと多少筋肉が付いている分だけ、体重は重くなっている。

 リアスターグにおいて、ヒューマン社会で普通に生活しているウィングも多い。その絶対数は少ないが、不意に街中で翼を広げても、奇異な目で見られることはない程度に、人々には認知されている。

 ウィングだけの都市国家は、以下に示す2つが知られている。外見的特徴が都市によって違うので、それについても紹介する。リアスターグに生活するウィングは、必ず このどちらかの都市出身者の血を引いている:
 南方:ネハースリッグ
(髪:黒 瞳:金 肌:浅黒)
 南方をさらに南に進んだ山岳地域に空中都市を築いている。南方の端にある"時が凍る地"と そこへ進もうとする者を監視している。何かに備えて戦いの準備をしているらしいが、詳しいことはあまり分かっていない。外部の者が入ってくることを好まず、空を飛べるものでなければ、空中都市にたどり着くことも、そこで生活することも難しい。
 ネハースリッグ出身のウィングを、この都市の周辺以外で見かけることは稀であるが、ごく少数が世界の情勢を調べるため、翼を常にたたんでヒューマンとして各地で生活していると言われている。
 中央:リッグキート
(髪:金 瞳:碧 肌:白)
 中央の"盾"の山岳地域に都市を作っている。中央が結界に閉ざされていたときは、ガレイアと外見的に異なるために差別を受け、それから逃れるために自分たちの都市を作り、部外者を拒んでいた。だが、ガーランド戦役が終わり、さらに時が流れるにつれ、逆に部外者であっても歓迎するような気質が生まれてきた。実際、この都市は空を飛べない者でも、さほど不自由せずに過ごすことが出来るように作られている。
 リアスターグで見かけるウィングは、基本的にリッグキート出身のウィングである。彼らは その翼を惜しげもなく見せ、自由に空を飛びまわる。
 ウィングだけの国家は存在しているが、ヒューマンの国家でも、ウィングを行政や軍事の責任者として登用されることはある。

さて、南方辺境に館を構えていることから、
私はネハースリッグのウィングたちと
お会いしたことが 何度かあります。
まあ、魔族と契約を結んでいる以上、
彼らが友好的であったことはありませんが。

それでも、現在は 私にちょっかいをかけても
良いことは無いということを、教えて差し上げたので
いさかいなどはありません、ふふふ。


リッグキートのウィングたちは、
かなり陽気で奔放な性格の方が多いです。
ただ、空を自由に飛ぶことが出来る彼らにとって、
地に縛られたり、自由に飛べないことは
想像を絶する苦痛になるそうです。
ですから、建築物の中や 地下などでは、
彼らは かなり落ち着きが無く 不安げになります。
彼らにとって自由とは、何にも変えがたいもの
・・なのでしょうね。


ウィングは、ヒューマン・エルフと交配可能です。
その子供が翼を持つかどうかは、運次第ですが、
完全に背中にたためないことが多いようです。

また、ドワーフ男性と交配した場合、懐妊はしますが
高確率で拒否反応により母体が命を落とします。
ドワーフ女性との交配では懐妊すらしません。


■エルフ

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□ヒューマン  □ウィング  ■エルフ  □ドワーフ  □ホビット  □ピクシー  □ライカンスロープ

 細長い耳・細身の身体で、容姿が美しい種族。非常に長命で、いまだ寿命で死んだ者がいない。菜食のみで生きており(肉を消化することが出来ない)、生まれ育った森で一生を過ごすことが多い。エルフは森のないところでは生きていけない。といっても数十年ぐらいなら我慢はできるが、時折 森の空気を吸わないと、精神的にも肉体的にも非常に不安定になる。このため、北方の砂漠地帯でエルフを見かけることは稀である。
 自然を愛するため、自然を破壊する者に対しては、激しく怒りをむき出しにする。エルフたちが住む森には、道理を知った狩人は入らない。その森に生きる動物は、エルフにとっては友であることを知っているからだ。エルフたちも、他の種族が生きていくうえで必要な肉食を否定はしていない。礼節さえ わきまえていれば、エルフたちといさかいを起こすことは まずない。

 男女共に平均的身長は185cm・平均的体重は56kgである。身長はかなり高めだが、体重は予想以上に軽い。

 リアスターグにおいて、多くのエルフは自分が生まれ育った森から外に出ることはない。とはいうものの、周りの世界に好奇心を抱く者は、やはりいるわけで、そうした者が旅に出ることはある。
 エルフたちの血統を辿ると、4つの氏族に行き着く。氏族の最長老は エルフの中でも最高齢の人々であるが、今も過去の記憶を心にとどめたまま生きている。氏族の最長老が住む森は"源森"と呼ばれ、エルフたちの中でも特別視されている。もちろん、エルフが住む森は、これだけではなく源森がある地域では、ほかにも数多くの森にエルフが住んでいる。

 エルフの氏族と源森は以下の通りである。氏族によって外見的特徴に違いがあるので、それについても紹介する。エルフの場合、氏族間の混血があったら、母親の方の氏族の特徴が必ず出る:
 東方:久緑の森(フィオレンサラス氏族)
(髪:金 瞳:緑 肌:白)
 エルフの中で最高齢である エルファリア・フィオレンサラスが住む森。エルファリアは、帝国から"公"の称号を贈られているので、森は帝国領内にあるが、帝国の統治は及んでいない。また、帝国領内にある他のエルフの森も、法的にはエルファリアの自治領として扱われ、エルフたちの自治が認められていた。現在も、帝国はエルファリアと その子らに敬意を払っており、それに答えるように、エルファリアも 皇帝が代替わりしたときは、祝福の親書を 使者と共に送っている。
 西方:銀輪の森(メヌエラ氏族)
(髪:銀 瞳:銀 肌:白)
 西方のエルフの森の木々は、必ず銀色の葉をつけるため、すぐにエルフの森であることが分かる。これもフリーアムスが作り出した不思議な植物ではないか、と学者たちは推測している。
 最長老は リュシル・メヌエラで、実際にフリーアムスの人々の技術の記憶を持っているらしい。多くの人が、フリーアムスの知識を求めて、頻繁にここを訪れてきた。だが、リュシルは頑として、自分の知識を他人に教えることは無いという。
 南方:命光の森(キュールセルタ氏族)
(髪:茶 瞳:金 肌:白)
 この森には万病を癒す力のある"秘癒の泉"の存在が世界的に有名である。ただし、泉の水を 森の外に持ち出すと、その効果は失われるため、この泉の水を飲みに多くの人が訪れる。エルフたちも、泉の水を求める者を 快く迎える。
 最長老は オーサレイス・キュールセルタで、秘癒の泉のそばに いつも座って、そこを訪れる人々を美しい笑顔で迎えてくれる。
 中央:深淵の森(ニスティアート氏族)
(髪:黒 瞳:青 肌:黄)
 結界に閉ざされている頃から、外部の者を寄せ付けなかった森。それでも、ガーランド戦役において、魔王と戦うために 公に姿を現し、その存在が初めて知られた。だが、その後 再び この森のエルフたちは 森の奥に姿を隠し、森に誰かが入ることを絶対に許さない。何かを守っているとも言われるが、真実は不明である。
 ガーランド戦役において、この森の最長老 グレッサ・ニスティアートは、この森のエルフたちの先頭に立って、精霊に呼びかけ、その力で魔王と戦ったが、その時以外、彼女の姿を見た者はいない。この氏族の血を引くエルフも、リアスターグ内で見かけることは稀である。
 エルフは、女系社会である。最長老も 全て女性であり、源森ではないエルフの森であっても、その長老は女性であることが通例である。

西方や南方のエルフたちの瞳を見ていますと、
亜人間は 人間と妖精の子供である・・ということが
いちいち頷けますね。


・・魔道大戦以後、不老不死を失った人間にとって、
エルフの命の長さは羨望の的なのかもしれません。
やはり、妖精と混血することで
本来失われた生命の力を得たのでしょうね。

ですが、私は やはりエルフといえども
老衰と無縁というわけではない、と思っています。
実際、若いエルフと年老いたエルフ・・というのは
確かに能力的に差があり、年齢を重ねれば、
エルフといえども身体能力は落ちるのです。

ですから、さらに長い年月を重ねたとき、
エルフにも寿命がある・・ということを
人々は知ることになるのではないか?
と思わずにはいられません。
その意味では、東方のエルファリア様の健康状態は
これから先、かなり注目すべきことでしょうね。


そういえば、エルフは30年ほど森から離れると、
健康状態が思わしくなくなります。
長いと思われますか?

そうですね、エルフの時の流れの感じ方は
おおむね私たち人間の10倍ぐらいです。
ですから、私たちにすれば3年ぐらいの感覚です。
そう考えると、どんな風な印象になるでしょうか?


私は、西方のリュシル様には お会いしたことがあります。
とても物静かで、言葉も少ないのですが、
強い力を秘めた銀色の瞳が印象的な方でした。
随分、長い時間をかけてお話をしましたが、
やはり魔道大戦に悲しい思い出を残されているようですね。

銀色のまっすぐな髪が 本当に美しくて、
是非にとお願いして、ひと房だけいただきましたが、
今も大切な宝物です。
秘術の触媒として使えるのですが、
もったいなくて とてもそんな気にはなれません。


南方にある"秘癒の泉"の不思議な力については
魔法的に随分私も調べてみたのですが、
はっきりと その力の源を特定できませんでした。
ただ、私には錬金術的な技術の片鱗が見えた
・・ような気はしています。
もっとも私は癒しの効果を得られなかったので、
魔族と戦う者に対する御褒美のようなもの
・・なのかもしれません。
あ、これは単なる私の想像ですので、悪しからず。


中央の深淵の森の グレッサ様の姿は、
ガーランド戦役の折にお見かけしましたが、
その他の氏族のエルフとは はっきり異なる肌の色が
妙に印象的でしたね。

深淵の森からは、今も強力な精霊の力を感じます。
エルフの方々は もともと精霊と仲がよいのですが、
もしかすると、ここには精霊の力の根源に関わる何かが
隠されているのだろうか? と私は推測しています。

まあ、確かめようと思えば出来るでしょうけど、
何もかもを知るというのは、ちょっとつまらないので
いずれ向こうから教えてくれるようになる時を
私としては、待ってみても良いと思っています。


エルフは、ヒューマン・ウィング・ホビットと交配可能です。
ただ、ホビット女性との交配は、母体に危険を及ぼし、
処置を誤ると、母子ともに命を失います。


■ドワーフ

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□ヒューマン  □ウィング  □エルフ  ■ドワーフ  □ホビット  □ピクシー  □ライカンスロープ

 ずんぐりとして筋肉質、男女ともに豊かな髭を生やしているという種族。大食漢かつ大酒のみで、肉体的に非常に強靭さを誇り、戦士としての優れた素質を持つ。魔族との戦いではダスタム教団と共に、常に最前線で戦ってきた。・・と同時に、繊細な手先の持ち主でもあり、職人としての彼らが生み出す工芸品は、他には真似の出来ない名品となる。地下など あまり日光の差さないところに、彼ら独自の技術で都市を築き上げ、そこで職人としての技を磨いている。
 ドワーフは、暗闇の中でも 先を見通すことの出来る不思議な能力を持っている。彼らが住むところは地下都市であるが、別に日光に弱いわけではない。ただ彼らは生きるために さほど光を必要とはしておらず、あまり明るいところに長くとどまると、落ち着かない気持ちになってしまう。

 男女ともに平均的身長は130cm・平均的体重は48kgほどである。身長に対し、かなり体重は重いことが分かる。
 ドワーフの外見的特徴は あまり地域差が無く、髪は黒〜茶、瞳は青〜紫、肌は浅黒である。
 リアスターグにおいて、ドワーフたちの多くは自分が生まれた都市で生活し、職人として働いている。ただ、戦いの中に身を置く者や、自らの作品を人々に見て欲しいと思う者が、都市を出て生活していることも さほど珍しくはない。

 現在も活動しているドワーフの都市は以下の3つである。:
 北方:砂の都ヴァーディ
 ジヒト砂漠でも最良の宝石鉱脈の上に作られた地下都市。ここのドワーフは"砂ドワーフ"と呼ばれ、宝石細工を専門としている。この都市のドワーフは、ジグ・バオ・メアの3つの流派に分かれ、今も技術を切磋琢磨している。
 都は、層が幾つも重ねられた作りとなっている。最上層は、地上の光を取り込みドワーフ以外の者も出入りが可能である。次の層には"ヴァカント"という この都市の王が住み、都市の防衛を担っている。それ以下の層には一般のドワーフたちが生活しており、ヴァカントは 外部の者が それ以下の層に降りることを望んだとき、その者と直接会って、許可を与えるかどうかを決定する。
 南方:鉄の都メナフィ
 南方中部にある丘陵地帯の内部をくりぬいて作られた地下都市。ここのドワーフたちは"鉄ドワーフ"と呼ばれ、武具製造を専門としている。鍛冶・鋳造といった金属加工技術だけでなく、皮革加工技術に長けた者もいる。この都の武具を手に入れたいと思った者は、それを作るドワーフと実際に勝負をしなければならない。ドワーフは、相手が優れた武具の使い手であることを見極めてから、相手に相応しい武具を作る。
 "角長(かどおさ)"と呼ばれる最高権力者の城が、都の入り口にある。この城は、角長が住む場所であると同時に、中に入る者の審査を行う。また、ここのドワーフに武具の製造を依頼したい者は、ここで適正な職人を紹介され、その技量を試される。
 南方:岩の都ケレイア
 南方東部にある岩山の中に作られた地下都市。ここのドワーフたちは"岩ドワーフ"と呼ばれ、土木建築を専門としている。ここのドワーフたちは、自分の技術を世界に広めたいという気持ちが強く、依頼があれば進んで相手の所に赴き、その腕を振るっている。特に硝子の製造技術は この都のドワーフにしか伝えられていない。
 都に入ると、奥の方に 王城がそびえているのを見ることが出来る(この都の最高権力者は 普通に"王"と呼ばれている)。この都市は 基本的に誰でも出入り可能になっており、外部からの光が取り込まれて、地下とは思えない明るさを保っている。
 ドワーフの都市の最高権力者は、都によって呼び方は変わるが、その決め方は 最も強い者・・で一致している。どの都でも、次代の最高権力者を決めるために、武闘大会が開かれ、その勝者は 満場一致で次代の最高権力者に任命される。ドワーフたちにとって、この大会は一大イベントである。

 ところで、ドワーフは鉱脈の上など、何か目的があって都市を作る。だから、鉱脈が枯れるなどすれば、その都市は捨てられ、どこかに新たな都市が作られる。リアスターグには、ドワーフに作られたといういわくのある都市が 他にもいくつか存在する:
 南方:山岳都市ランデルト
 現在はドワーフの都市ではないが、"鉄の都メナフィ"を築いた鉄ドワーフたちが、メナフィ以前に鉄鉱石鉱脈の上に作った都市であることが分かっている。現在、鉱脈は枯れており、都市機能も停止しているが、南方の荒くれ者たちが ここを拠点として利用するようになり、治安的にかなり危険な都市として知られるようになった。
 最近になって、外からやってきたギルスという男が実権を握り、ビステム王国に対抗する勢力の一角となっている。
 中央:捨てられた都アネール
 結界に閉ざされていた頃、中央のドワーフたちは 自分たちの都市を作らず、ヒューマン社会で生活をしていた。だが、ガーランド戦役以後、選王国のグレムキュリス家が、この都を発見した。不思議なことに、ここに住む者は誰もいないが、何かを守るように都市の防衛機能は生きている。その最深部に何があるのか調べようとする者は後を絶たないが、それを目にして帰って来た者はいない。
 ドワーフたちは、この都のことについて、一切 口をつぐんでいる。それが何故なのか知るためには、最深部にあるという何かを目にしなければならないのだろうか?
 ドワーフの技術は、ドワーフ以外が振るうのが難しいとされる。北方の宝石細工などは、ある程度 広まっているが、やはり砂ドワーフ自身が作ったものと比較するのは酷な出来である。鉄ドワーフの武具は、戦いを生業にする者なら、誰でも手にすることを夢見るし、岩ドワーフが腕を振るった建造物は、各地で見ることが出来る。意外なほど 人々の生活に、ドワーフの技術は馴染んでいるのである。

ドワーフの皆さんは、気難しい方が多いです。
いわゆる 職人肌という奴です。
ですが、きちんと相手のことを認めてくれれば、
後は 簡単に楽しく話が出来るようになります。
私のような者にも、武具を作ってくれるぐらいですからね。

私は 宝石細工には、あまり興味がありませんが、
時折 砂ドワーフの名品が持ち込まれ、
そこに魔法を吹き込むように頼まれることがあります。
私の呪で、芸術品を汚すのは心苦しくなってきます。

鉄ドワーフの職人に作って頂いた槍は、
実に素晴らしい逸品です。
その職人の槍の技量も 相当なものでした。
私が騎乗したのは黒竜だったからなのか、
漆黒の槍を仕上げてくださったのですが、
私をもってしても、その色を出す方法が分かりません。
いやはや、この世界は興味深いことがありすぎますね。

私の館は、岩ドワーフの労作です。
といっても、最初から私のために作ったのではなく、
この地方に移り住んだ貴族のためのものでしたが。
色々あって、今は私が主となっており、
地下には 色々と 私が手を加えましたが、
地上部分は 素晴らしい出来で、
私が手を加える余地はありません。
特に美しい硝子細工には目を奪われますね。


ランデルトは鉄ドワーフたちが、
自分たちの過去の都であることを認めています。

ですが、アネールについては、一体誰が作ったのか、
誰も・・ドワーフでさえも教えてくれません。

ついでにいうと、中央に住んでいたドワーフが、
何の技術を持っていたのかも はっきりしていないんです。
中央が結界に閉ざされいたときは、
様々な分野の職人として働いていました。
もちろん、他の種族には真似の出来ない技術でした。

今も雑多な職人のドワーフが中央には住んでいますが、
中央に都市を作ろうとする動きは見られません。
何か理由があるのでしょうが、ちょっと分からないのです。


ドワーフは、ヒューマン・ホビットと交配可能です。
ただ、どちらの種族とでも男性と交配した場合、
母体が受ける拒否反応がちょっと強くなります。
それによって命を失うケースは稀ですが。


■ホビット

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□ヒューマン  □ウィング  □エルフ  □ドワーフ  ■ホビット  □ピクシー  □ライカンスロープ

 大人でも、外見はヒューマンの子供と変わらないという小人。知覚と反射神経に優れ、見た目にたがわぬ素早い身のこなしを身上とする。幾つかの家族で集まって草原で暮らすが、好奇心が(異常に)強く 周りの世界を見るために家を飛び出す者が後を絶たない。彼らは、気になったものを実際に手で触れて見なければ我慢できないほど、強い好奇心を持っている。それは時として周囲を面倒ごとに巻き込むが、彼らは特にそれを気に病むことは無いようだ。
 ホビットは、他の種族ほど 住む場所にとらわれない。それでも、目の前に草原が広がるような光景を見ると、心は落ち着くらしい。だが、そうした望郷に近い感情よりも、周囲に対する好奇心の方が勝っており、それが満たされるまで、自分の思い通りに どんなところででも生活できてしまう。

 男女ともに平均的身長は80cm・平均的体重は32kgほどである。
 ホビットの外見的特徴には あまり地域差が無く、髪は黒〜茶〜赤、瞳は緑、肌は白〜黄である。
 ホビットは数家族ほどで集まって、草原地帯に穴を掘って家を作っている。草原が広がる 東方・南方・中央の各地域にホビットたちの家を見つけられる。

 ホビットの里として、特別に知られている以下の2つが知られている:
 東方:緑園の里
 リアスターグでは異例な数のホビットが住む里で、その位置は東方では良く知られている。またリアスターグに住むホビットの多くは、期間の差こそあれ ここで過ごした経験を持っており、ホビットの団結の中心として考えられているが、なぜ このような里を作っているのか、ホビットではない者には分からない。
 中央:小さきものの園
 中央が結界に閉ざされていた頃、ホビットやピクシーは ヒューマンに差別的扱いを受けていた。このため、中央には"小さきものの園"という彼らだけの里を作っていた。魔法に長けたピクシーによって巧妙に隠され、ホビットたちが部外者の侵入を守り、助け合って住んできた。
 現在は、ここに住むホビットの数はかなり少なくなっており、ピクシーの里という趣の方が強くなっている。
 上に紹介された里は、いずれもホビット本来の生活スタイルから考えると、異例の存在である。だが、ホビットたちは この里の存在意義については、十分に理解している。

ホビットの評判は あまり良くありません。
やはり彼らの好奇心が 様々なトラブルの原因に
なっているからなのですが・・。
そんなとき、ホビットたちは悪びれもせず
「だって見てみたかったんだもん」
と言い放ちますので、なおさらです。

はっきり言えば、反省する・・ということと
無縁なのですよね、彼らは。
まあ、そこが可愛らしいのですが。

トラブルを幾ら引き起こしても、
彼ら自身は なぜか難を逃れることが多いのも
不思議です。知覚や反射神経に優れる、
という前に 何か強い運を引き寄せている
としか思えません。


緑園の里については、どこかでも述べた気がしますが、
ホビットに伝わる盗賊技術を裏で教えています。
もちろんホビットでなければ その技術は扱えません。
その技術は 古代魔法文明の罠すらも
かいくぐるだけのものであることから、
冒険者にとっては、得がたいもののようです。


ホビットは、ヒューマン・エルフ・ドワーフと交配可能です。
ただ、ドワーフ女性との交配 および
ヒューマン・エルフの男性との交配は、母体に負担をかけます。
ホビットが母親の場合、処置を誤ると 命に関わります。


■ピクシー

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□ヒューマン  □ウィング  □エルフ  □ドワーフ  □ホビット  ■ピクシー  □ライカンスロープ

 背中に半透明の羽を持ち、ヒューマンの手のひらに乗る程度の大きさの種族。性別的に女性しか存在せず、エルフ同様長命である。なお"妖精"という言葉は、慈母神の使いを表すものなので、ピクシーとは区別される。体内にかなりの魔力を持っており、強力な魔法の使い手になる。
 羽を持っているが、これによって物理的に空を飛ぶわけではない。ウィングと違って羽を失っても死ぬことは無いが、羽が癒されるまで 空を飛ぶことが出来なくなることから、羽が魔晶に作用することで空を飛べるのだと推測されている。
 歌や踊りを好み、陽気な性格である。基本的に森の奥に小さな里を作っており、日々 音楽と共に生きている。ピクシーの里には、必ず女王がいる。ピクシーは一生に一度だけ子供を生む。このとき、必ず自分が生まれた里に戻り、女王から魔法的方法で精を受け取り、出産する。
 ピクシーの里が森にある理由はエルフとほとんど変わらない。このため、ピクシーも森の空気を吸えないまま数十年ほど過ごすと、精神的にも肉体的にも弱ってしまう。それでも、エルフのように外部への好奇心から、旅に出る者が時たま現れる。

 平均的身長は11cm・平均的体重は200gほどである。
 リアスターグにおいて、ピクシーがヒューマン社会に姿を現すのは、あまり頻繁なことではない。だからピクシーは共に旅をする仲間をまず探すようにしているようだ。そして、その仲間の陰や 服のポケットの中に落ち着くのである。
 ピクシーの里自体は、エルフと同様 北方を除く各地方の森に存在する。エルフの森の中にピクシーの里があることも珍しくない。同じ長命の種族同士、何か通じるものがあるのだろう。

 どの里にも女王が1人住んでいるが、リアスターグには、全ての女王の母たる者の里がリアスターグには3つある。ピクシーは、元を辿れば、必ず 以下の3人の女王の誰かを母としている:
 西方:大女王の里
(髪:金 瞳:銀 肌:白)
 エルフのメヌエラ氏族の源森"銀輪の森"の中にある。この里の女王は、中央が結界に閉ざされていた時代、全てのピクシーの母だった。
 南方:友女王の里
(髪:金 瞳:碧 肌:白)
 ガーランド戦役が終結し、中央部への出入りが自由になったことで、出会った 大女王と小女王が、親愛と友好の証として、生み出した女王とされる。このため、友女王より年齢が上のピクシーも、それなりにいるのだが、この女王に対しては敬意を示している。
 中央:小女王の里
(髪:茶 瞳:碧 肌:白)
 ホビットと共に作った"小さきものの園"の中にある。この里の女王は、中央が結界に閉ざされていた時代、中央部の全てのピクシーの母だった。
 ピクシーの里では、いつも音楽が流れ、ピクシーたちが歌い踊っている。ただし、部外者が近づくと、即座に音はやみ、ピクシーたちは姿を隠す。このため、ピクシー以外の種族の者が、ピクシーの里を訪れることは かなり難しい。
 ピクシーに伝わる独自の歌と踊りは"小羽舞(さうまい)"と呼ばれている。この踊りはピクシーでなければ、とうていこなせないが、歌の方は誰でも歌える。ピクシーと仲良くなりたければ、まず これを覚えると良い。

ピクシーは、かなり特殊な種族です。
女性しかいないというだけでも、かなりね。
ですが、この体格は あまりにも異質ですよね。

彼女らは"半妖精"と呼ばれることもあります。
"妖精"といえば、慈母神の御使いのことを指しており
リアスターグに生きるものを表す言葉ではありません。
ただ、ピクシーは 妖精の血を 他の亜人間種族より
色濃く受け継いでいる、と考えられているのです。

実際、翼を使わずに空を飛ぶなど、
どちらかというとティナリアート神話の世界で
生きていた"生命"に近いものがありますからね。


ピクシーは女性ばかりの種族ですが、
自分の生まれた里の女王が、男性の役割を果たしており、
それによって一生に一度だけ懐妊します。
その時が来ると、ピクシー本人は すぐに分かるそうです。

では、女王は 一体 どうやって生まれたのでしょうか?
それは やはり大女王・小女王・友女王のいずれかを
母としている可能性が高いですが、
まあ はっきりと確認したわけではありません。

ピクシーたちは、里の女王のことも、自分を生んだ者も
"母親"と呼びます。
お母さんが2人いる、というわけですね。
もっとも彼女らが 普通に"母親"というときは
自分を生んでくれた方を指すようです。
女王のほうは女王という呼び方がありますからね。


ところで、ピクシーは 他種族と混血できるのでしょうか?
基本的には不可能だといわれていますが、
子供を生む時期が来たことを自覚したピクシーが、
無理矢理 体内に 他種族の精を流し込まれたら・・
という ある意味酷い実験が行われたことはあります。
(私がやったわけではありませんよ、念のため)

その結果は、なかなか凄惨なものだったようですが、
結論からいうと交配自体はできることが分かりました。
ただ、母子ともに命が助かる可能性はありません。


■ライカンスロープ

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 動物と人間の姿を併せ持った"獣人"とも呼ばれる不思議な種族。完全に動物の姿となることも、完全に人間の姿となることも可能である。また、その中間の姿も取れる(2本の足で歩き、頭部や手足などが動物のものになるなど)。基本的に、自分の姿は 自分の意思で決めることが出来るが、"白き月"が満ちていくにつれ、自分の意思とは関係なく獣化しやすくなり、新月のときは必ず人の姿になる。
 ライカンスロープは、人化した状態でも腕力・体力・敏捷さ・体の柔らかさ・鋭い知覚など動物が持つ 人より優れた能力を保持する。また自分と同種の動物と自由に意思疎通が可能である。また、ライカンスロープ同士は、お互いに相手がライカンスロープであることを察知できる。別に病気というわけではないので、ライカンスロープに傷を付けられたからといって、ライカンスロープになってしまう・・ということはない。
 なお、ライカンスロープの子供は、基本的にライカンスロープになるが、事例が少ないため、実際どのような子供になるかは、はっきり分かっていない。

 様々なライカンスロープが確認されている。狼・虎・獅子・熊・猪・犬・猫・猿・兎・鼠・鷹・梟・鶴といったところが知られている。獣と人・・どちらが真の姿なのかは誰にも分からない。なお、鳥類のライカンスロープは、獣化すると両腕が翼になる。

 完全に獣化したときの体格などは、その動物そのものになる。人化したときの体格は、元の動物の姿にほぼ比例する。上記に挙げた動物であれば、猿・猫・兎・鼠などの小動物の場合、人化したときの身長は140cm・体重は40kgほどになる。狼・猪・犬・鷹・梟・鶴など中型の動物の場合、人化したときの身長は160cm・体重は56kgほどになる。虎・獅子・熊など大型の動物の場合、人化したときの身長は185cm・体重は80kgほどになる。

 リアスターグにおいて、ライカンスロープの絶対数は決して多くない。このため、大きな都市であっても ライカンスロープであると周囲に知れた場合、ちょっとした騒ぎになることがある。それを知ってか、ライカンスロープが自分の意思で人の多いところに立ち寄ることは滅多に無い。
 ただ、あくまで噂に過ぎないが、ライカンスロープだけが住むことを許された隠れ里が、リアスターグのどこかにあるとは言われている。満月が近くなると、ライカンスロープは自分の意思に関わらず獣化してしまうことがあるので、その間は 人の目に触れないところに身を隠す者も多い。そうした苦労を考えると、ライカンスロープだけの里があるとしても、何も疑問は無い。

獣人というのは、不思議な種族ですね。
人の姿から、完全に獣化したときは
着ていた衣服が邪魔になって大変ですので
満月が近くなると、色々苦労もあるようです。

獣人も、妖精と人間の子供だと考えられていますが
実は錬金術の落とし子である、という主張もあります。
微妙ですね。
その可能性が無いわけではないですけど、
私自身は それはあり得ないと考えています。
無機物に魂を吹き込むだけでも大変なことなのに、
更なる別の生物と掛け合わせ、その生物の特徴を引き継ぐ
というのは、あまりに無理がありすぎますので。

まあ、今の世界を生きている獣人がいるという事実を
単純に受け止めるだけでいいと思いますね。


ところで、獣人の子供が どうなるか、御存知ですか?
獣人どうしの間に生まれた子供は、
父親か母親のどちらかと同じ獣人になります。
ならなかった側の獣人の特徴は一切受け継ぎません。

では、獣人が獣人でないものと子供をもうけると?
・・獣人の血が薄まります。
この結果、完全に獣化できないとか、
獣としての能力が弱まる、といった結果になります。
ただ、獣の姿のままで生まれる、ということはなく、
生まれたときは必ず 人の姿になります。

その子供が、さらに獣人でない者と子供をもうければ
獣人の血は さらに薄れていきます。
3代ぐらい これが繰り返されると、獣人としての血は
完全になくなり、普通の人となります。

その子供が、獣人と子供をもうければ、
濃い方の獣人の血が 子供には受け継がれます。
この場合は、獣人の血はあまり薄れません。

おっと、もう一つ言い忘れていました。
獣人が子供を作れる相手は、同じ獣人か人間だけです。
それ以外の種族と獣人の間には子供は生まれません。

ライカンスロープとの混血児は、
なぜか子供を残すことが出来ます。
これも、ちょっと謎なんですよねえ。


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