ナイトメア・・・悪夢








神の都





















攻撃は同時に繰り出された。
同じ双子でも姉と弟の属性は違う。オズマは大地でオズは炎のエレメントだった。
オズマがオズの足元の地面を崩し、無数の砕けた土や岩の固まりをオズにぶつけたのとオズのまわりの炎が巨大な火柱を吹いたのは。



「・・・・・・!」

砦の暗黒騎士たちが見ていた。新しく彼らのコマンドとして配属されるオズマの弟の実力を皆その目で確かめようと彼らの戦いを固唾を飲んで見ていた。
最初あっさりと負けた弟を見て、たいしたことはないと思った騎士たちは
オズの魔力に驚愕した。



・・・・・・オズマもだ。
オズの秘めたる力に。

オズマの魔力を凌駕する何倍もの
―――グラシャスの一番濃い血・・・・・・。

サルディアンが欲しがったもの・・・・・・
わたしでは・・・・・・ないのだ。



火柱を盾にオズマの攻撃を弾いたオズはオズマの懐に飛び込み姉めがけてグラムロックを振り下ろした。

その時だ。
オズマの目に浮かんでいた殺意が哀しみに変わっているのに気がついたのは。
いや、気がついたというより、そう感じたと言った方が正確だろう。

摩擦で火花を散らす、姉を直撃するはずの戦斧を寸前で止めた。
数センチのところで。

すうっとオズのまわりの炎が消えて、姉がえぐった地面が平坦に戻った。見守っていた暗黒騎士たちの間から安堵のため息がもれるのがわかった。

無言のままお互いを見据える双子たち。
先に口を開いたのはオズマだった。
「悪かったわ、オズ。おまえを試したりして・・・・・・。」
乱れた髪を手櫛で直して姉がグラムロックを持った方の弟の手をぽんと叩いた。
「姉さん・・・・・・・」
「悪いけど・・・、一人にしてくれる?」
そういい残してオズマは砦の中に入って行った。








違う・・・・・・。
オレを憎いと言った姉さんは本気だった。
オレにはわかる。
いや、オレだからわかるのだ。
姉さんは本気でオレを殺そうとするつもりだった・・・・・・。

でも何故・・・・・・!?

オズは姉が砦の中に入った後もじっとその場に立って考え込んでいた。









 

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