ナイトメア・・・悪夢








神の都












(1月8日書き直し)
 









「・・・うそ・・・・・・だ。」
からからの喉から声を絞り出す。
やっとの思いで口にした言葉をオズマが無残に砕く。
「本当よ、オズ。・・・・・・気がつかなかったの?」

姉がオズの視界の中でぐにゃりと歪む。

「馬鹿な弟ね・・・・・・。憎まれているとも知らずに側にいて、おめでたい顔をして、わたしとは戦えないとか甘ったれたことを言うオズ・・・。」

姉の言葉に思わず叫んだ。
「嘘だ! 姉さんがオレを憎んでいるなんて本当のはずないじゃないか!」
「わざとオレを怒らせて戦わせようって魂胆だろう?だからそんなことを言うんだ!」
顔を真っ赤にさせて怒鳴る弟にオズマが冷笑した。

その顔をオズは知っていた。
何度も何度も見た。
姉が本当に忌み嫌う相手に見せる軽蔑の―――笑い。
・・・同じ顔だからわかるのだ。
同じ顔で自分も笑うから―――。

姉が本気だと思った瞬間、オズのまわりの空気が炎のエネルギーに変換されオズを包んだ。ちりりと皮膚が焼ける気がした。

「戦う?」
ラプチャーローズをぴんと引っ張り、オズマが聞く。
「見せなさい、オズ。おまえの力。」

「おまえが勝ったら好きにしていいわ・・・・・・。」



強くなれば望みがかなう・・・
そう思ってザナムに進んだ。



オズはグラムロックをゆっくりと引き抜いた。
ずしりとした戦斧の重みは
オズにそれだけが確かなものだと教えていた。









 

戻る